冬のギンポ祭! むらいさちの「ゆるフォト講座」

ピンクのサンゴの上にちょこんといてくれました。 最高の背景に最高の被写体です♡ 買ったばかりのカメラを、電車の網棚に置き忘れ、冷や汗どころじゃない、謎の液体まで吹き出たさちです……汗。 すっかり寒い季節になりましたね。近場では透明度も上がってきて、ワイドにマクロに楽しい季節になっています。人も少ないので、1つの被写体とじっくり向き合えるのもいいところ。そこで今回は「冬のギンポ祭」と称して、ギンポの撮影方法をお伝えしたいと思います。今回の撮影地は、沖縄・ケラマ諸島です。なぜだか今年はギンポがとっても多いとか……。そんな話を聞いたのは初めてですが、確かに……、どこもかしこもギンポちゃんだらけ。これは楽しすぎます! ということで、今回はたくさん写したギンポちゃんをお見せしながら、撮影方法を解説したいと思います。では、今月もゆるフォトスタートです!(月刊ダイバー2014年1月号掲載)

01 光の当て方で変わるギンポちゃん

被写体はイシガキカエルウオ君。見かけはするけど、近付くとすぐ逃げてしまい、なかなか思い通りに写せない子でもあります。こういったときは、望遠系のマクロレンズを使用したほうが警戒心を抱かせずに撮影できます。今回は60㎜マクロレンズを使用(35㎜換算120㎜)。

ストロボをオフにして撮影してみました。全体的に青くなってしまってますが、
なんだか静かな印象の写真になりました。

次にストロボを発光。
前に岩があって光を遮られてしまっていたので、ストロボを動かして横から当てています。
被写体もくっきり出ていて、光が当たっていない手前のサンゴは青くて、おもしろいバランスの写真になりました。
やっぱり正面顔がかわいい〜♪

今度はストロボを少し弱めにして、中間の明るさにしました。
色がはっきり出ていながらも、青が被ってきて優しい写真に。
僕はこの写真が好きですが、好きか嫌いかは皆さんの好みになります。

02 うるうるお目々のギンポちゃん

同じ種類の魚だからといって、性格も同じとは限りません。人間と同じで、シャイな子がいたり、肝のすわってる子がいたりします。じっと観察してその子の性格を読めるようになると、撮影もスムーズにいくようになりますよ。今回のギンポちゃんはのんびり屋だったようで、かなり近付いても逃げませんでした。もちろん逃げないように注意することは大切ですが。

かわいい表情を撮りたくて、前からそっと近付きます。
クリクリの目がかわいすぎます〜。
とにかく表情を見せたくて寄れるだけ寄って撮った1枚です。

角度を変えて、ふんわりしたイメージで写しています。
角度を変えているので背景の雰囲気も違いますね。
真っ白になる場所を選んだので、これもなんだかふんわりさわやかのイメージで撮影できました。
この角度だと、口の所のラインが写って笑っているようでかわいいですよ。

最後にストロボをオフにしてみました。こうすると印象もだいぶ変わります。
かわいいだけの写真から、このギンポちゃんが何かを考えているのではないか?
そんなイメージをかき立てられる写真になりました。

03 バリエーションを撮る

移動中、おもしろい場所にいるヒトスジギンポ君を見つけました。これは撮るしかないと、腰を落ち着けて試行錯誤。じつはこうやっている時間が一番楽しかったりします。では、その過程をお見せします。

これが一番最初の写真です。なにも考えていないので、ただ写っているという写真に……。
背景の岩場もちょっと嫌だな〜と感じました。対策を考えて撮っていきます。

とりあえず、背景の岩場を消しました。
サンゴの形がおもしろかったのでそれがわかるように、少し引き目で撮影。
ちょこんとしたおもしろい写真になりました。

最後に表情がわかりながらも、ちょこんと感を出したいと思い、ぐっと寄って撮影。
写しながら、なんだか温泉に入ってるみたいだな〜と思っていました(笑)。
じつはこうした気持ちも写真で表現してあげることが大切です。
ハイ、温泉ギンポの出来上がりです(笑)。

今回のまとめ

冬のギンポ祭、どうでしたか? 被写体自体はとてもかわいいので、あとはどういったアプローチをかけて近づいて、どう撮影していくかになります。基本的には正面顔がかわいいですよね。それを意識しつつ、試行錯誤。そんな時間をぜひ楽しんでください。ちゃんと写っていれば、とてもかわいい写真になること間違いなしです。ぜひギンポちゃん撮影にトライしてみてください〜。

使ったカメラと防水プロテクター

使ったカメラ:OLYMPUS OM-D E-M5

使ったハウジング:PT-EP08

コラムニスト

むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。6年目にして「ミラーレス編」へ。スタンスは変わらず「ゆるく楽しくミラーレス!」。

>>Official webサイト:muraisachi.com

AUTHOR

Amano

DIVER ONLINE 編集部

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