実はすごい!サメの体
「サメ」と聞いたとき、皆さんは何を思い浮かべますか?怖い?凶暴?いやいや、かっこいい?かわいい?!名前は知っているけれど、水族館や映画で見たことがあるくらいで、詳しくは知らないという人が多いのではないでしょうか。
サメは人間が誕生する数億年も前から、今とほとんど変わらない姿で地球に存在してきた生き物。ぱっと見ただけでは見わけがつかないかもしれないけれど、実は人間と同じように耳も鼻もちゃんとあります。しかも、どれも超高性能なハイテクツールです!また、サメは”第六感”を持っているって知っていましたか?それでは、知られざるサメの体の秘密を1つずつ見ていきましょう。
サメの体の秘密5選
サメに骨はない?
哺乳類と勘違いされてしまうこともありますが、サメは軟骨魚類(なんこつぎょるい)というグループに属する魚です。その名の通り、歯以外の全身の骨格が軟骨でできています。人間のような硬い骨(硬骨)に比べ、とても軽く水中で沈みにくいので大きな体でも素早く移動することができます。
動くものは見逃さない!サメの眼
暗視カメラのように 暗い穴の中でも、夜の海でもばっちり見えています!サメによって、形も色も種類が豊富。ダイビングでよく見られるオオテンジクザメ(ナースシャーク)のようにつぶらな眼を持つサメ、ニタリのようにクリクリの眼などさまざまです。眼に入る光を調節できたり、動くものは絶対に見逃さない高性能な機能が満載!種類によっては、瞬膜(しゅんまく)という「第2のまぶた」で獲物の反撃から眼を守る機能をもつサメもいます。
かすかなにおいも嗅ぎつける鼻
サメはかすかなにおいでも、えさのある方向までわかるハイスペックな鼻を持っています。鼻に水を通しながら泳ぐことで、水が鼻の穴を通る一瞬の隙ににおいを感じとることができます。海底やサンゴ礁域でじっとしているときは、呼吸といっしょに水を取りこんで水中のわずかなにおいを感じることができます。
どこにあるの?サメの耳
サメの耳は外からは見えにくい!頭の上に2つあいた小さな穴がサメの耳です。イヌやネコのような身体の外側に出っ張ったような耳はありません。水中は空中より音が伝わりやすいので、音を集める部分は必要ないのです。溺れているときのような「バシャバシャした音」はとくによく聞こえるのだとか!食べるためではなく、音が聞こえすぎるがゆえに興味がわいて近寄ってきてしまうこともあるそう。大きな音がしたら気になって野次馬になる人間と少し似ていますね。
サメの第六感、ロレンチーニびん
サメには人にはない第六感があります。それがロレンチーニびん。ステファノ・ロレンチーニ氏が発見した器官で、吻部(鼻の先)にある小さな孔が入り口。
ロレンチーニびんは動物が出すわずかな磁場を感じ取り、知覚神経を通じて情報を脳に伝えるハイテク器官。動物が動くと筋肉に電流が流れ、磁場が作られます。獲物が隠れていて姿が見えなくても、呼吸などのちょっとした動きで生まれる磁場を感じ取って探し出すことができます。
また、地球自体にも磁場があります。人はコンパス(方位磁石)をつかって方向を確認することがありますが、サメはロレンチーニびんで方向を探ることができるので、大海原でも迷子になることなく自由に泳ぎまわることができるといわれています。
もっと知りたい人におすすめのサメ本
サメの秘密いかがでしたか?秘められたサメの力が少しずつ見えてきましたね。もっと知りたい人におすすめ!サメの不思議が盛りだくさんの「サメ本」を集めました。
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