現地ガイドに聞いた!モルディブ・ジンベエザメが見られる人気エリアと水中写真撮影の極意

世界最大の魚類「ジンベエザメ」。近年、水族館などでも飼育展示がされ、ダイバー以外にも人気の生き物。そのジンベエザメを見られるだけでなく、いっしょに泳げることで有名な場所がインド洋に浮かぶ島国「モルディブ共和国」です。1番人気のポイントはどこ?水中写真撮影のコツは?現地ガイドに徹底取材!達人が教えるジンベエザメ撮影の極意をご紹介します。

INDEX

ジンベエザメってどんな生き物?
どこで見られるの?
ジンベエザメが集まる理由とは?
ここに行けば会える!人気No.1ポイント
現地ガイドが教える撮影の極意
見られたらラッキーなシーン
ジンベエザメを守る新しい動き
さいごに
教えてくれたひと

 

ジンベエザメってどんな生き物?

ジンベエザメはその名の通りサメの仲間で、熱帯~亜熱帯域に広く生息する世界最大の魚。平均で10~12m、最大18mほど(諸説あります)まで成長すると言われています。体は大きくても、性格はいたって温厚。背中側の特徴的な模様が甚兵衛羽織に似ていることから「ジンベエザメ」と名付けられました。ダイバーの間では「ジンベエ」と呼ばれ親しまれています。

特徴的なジンベエザメの模様。水中でもはっきり認識することができます

 

どこで見られるの?

ジンベエザメの分布は広く、赤道周辺の熱帯~亜熱帯の海で暮らしています。基本的には島から離れた外洋に生息していると言われていますが、水温・季節・エサの量によって特定の海域の沿岸部にやってくることもあるそう。ダイビングで見られる場所としては、フィリピン、モルディブ、タイ、メキシコ、エクアドルなどが有名です。中でもモルディブは1年中ジンベエザメが見られることでダイバーのみならず、スノーケラーにも人気のエリアです!

モルディブ共和国(以下、モルディブ)は1,000 を超える珊瑚でできた島と 26 の環礁からなるインド洋に浮かぶ熱帯の島国です。淡いブルーのラグーンに浮かぶ水上コテージや、ダイブサファリと呼ばれるダイビングクルーズトリップはダイバーやハネムナーにもお馴染みですね。

日本からは国内各地空港よりアジア各国にて乗り継ぎ、モルディブのマーレ国際空港まで飛行時間合計約13時間ほどで到着します。

 

ジンベエザメが集まる理由とは?

普段は外洋で生活しているジンベエザメがモルディブにやってくる理由とは?

それはずばり、「捕食」です。

ジンベエザメの主食はプランクトンやオキアミ。ジンベエザメは大きな口で海水を一気に吸い込むと、ざる状の「さいは」でエサとなるプランクトンを濾し取り、海水だけエラから出してごはんを食べています。こういったエサの取り方は濾過摂食(ろかせっしょく)と呼ばれ、ジンベエザメ以外にもマンタやシロナガスクジラなどが同じ方法で食事をとる生き物として有名です。

大きく口を開けて海水を吸い込むジンベエザメの食事風景

 

ここに行けば会える!人気No.1ポイント

モルディブの中でも、プランクトンが豊富なリーフや、湾のようになっている場所で見られることが多いそう。モルディブ国内にはジンベエザメが集まるエリアがいくつかありますが、ジンベエザメといっしょに泳ぐことができる人気No.1プログラムの「ジンベエスイム」が行われる場所があります。それが、「アリ環礁南端」。

環礁の外側、外洋に面したリーフにやってくるジンベエを探していっしょに泳ぎます。運が良ければ、スノーケリングとダイビングの両方で見ることができる人気のエリアです。

 

現地ガイドが教える撮影の極意

撮影におすすめの時期

1年中見られるモルディブのジンベエザメですが、雨季にあたる5月半ば~11月後半くらいが比較的遭遇率が高いそう!また、1日の中でも潮が満潮に向かっていく「上げ潮」の時間帯は、比較的浅場にいるジンベエザメに出会えることが多いといいます。これからモルディブ行きを計画される方はぜひ参考にしてみてくださいね♪

 

おすすめの構図とシーン

ジンベエザメだけでなく、スノーケラーやダイバーもいっしょに入れた構図がおすすめ!人物が入ることで、ジンベエザメの大きさや、臨場感がより伝わりやすくなります。

スノーケラーを入れることで、写真からその場の臨場感が伝わってきます

 

撮り方のコツ

優雅にのんびり移動しているように見えて、ジンベエザメの泳ぐスピードは意外と速い!ジンベエザメを正面から撮りたい!という方も多いと思いますが、泳ぎながらの撮影も、ジンベエザメを追い越して前方に行くことも、実は至難の業なのです。。(泣)
どんなにがんばって泳いでも、いっしょに泳げる時間はほんのわずか。無理してガンガン泳いでも体力を消耗してしまうだけです。

ジンベエザメ撮影の攻略法は「無理しすぎないこと」にあります。最初に少しだけがんばって前方から数枚撮影したら、そのまま後方に移動し、大きくてカッコいい尾びれを捉えてみてはいかが?見逃しがちな尾びれも、メインで撮影すればこんな迫力ある1枚になります!

ジンベエザメの後方から尾ビレをメインに撮影(©Maldivian Stars)

ジンベエザメの後方、斜め下からあおって撮影

 

注意すること

ジンベエザメからは4m以上の距離をあけて泳ぎましょう。触ったり、誤って接触してしまうことがないよう注意が必要です。

撮影では水中ライトやストロボは使用禁止です。また、スノーケリング時の素潜りは危険なのでやめましょう。素潜りをすることで、周りのボートからは素潜りしている人が見えません。水面に浮上してきた時にボートと接触してしまったり、他のスノーケラーとぶつかってケガをしてしまう危険があります。周りをよく見ながら、水面を泳ぐようにしましょう。

 

見られたらラッキーなシーン

モルディブではごくまれに、1か所に複数の個体が現れることがあるそう。普段は群れずに単体で生活するジンベエザメですが、一度に5個体が現れたこともあるといいます。一生に一度出会えるかどうかという、なかなかお目にかかれないレアシーンです。

もう少し出会える確率の高いレアシーンは、夜に観察できる「ナイトジンベエ」。タア環礁や、ガーフ環礁といったモルディブ南部の環礁で見られるレアシーンです。ダイブクルーズ船の後ろにライトをつけると、明かりに集まったプランクトンを求めてジンベエザメがごはんを食べにやってきます。暗闇に現れるジンベエザメの神秘的な捕食シーンを間近で撮影できるとあって、モルディブリピーターにも人気のプログラムです。

「ナイトジンベエ」観察中の1シーン(©Maldivian Stars)

「ナイトジンベエ」の観察風景。ドローンを使って真上から撮影しています(©Maldivian Stars)

 

ジンベエザメを守る新しい動き

近年、ジンベエザメ目当ての観光客が急増し、マナーの悪化が後を絶たないことから、2019年7月にジンベエザメ保護に向けたガイドラインが発表されました。現地ガイドやオペレーターの意見を参考にモルディブ政府主導でエリアの規制や保護のための活動が進められる予定だそう。内容の詳細は現地オペレーターまでお問い合わせください。

 

さいごに

いかがでしたか?現地ガイドに聞いた、ジンベエザメ撮影の極意をご紹介しました。水族館の飼育でもなく、餌付けもされていない自然に生きるジンベエザメ。モルディブに来たら必ず見て帰りたい生き物のひとつですね。ジンベエザメといっしょに泳ぎたい!モルディブで潜ってみたい!という方は下のリンクからツアー情報もご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。

 

教えてくれたひと

Maldivian Stars /  カオリータ(前井馨)さん

「カオリータ」の愛称でお馴染み、人気クルーズ船「Maldivian Stars」を率いるスーパーガイド。モルディブガイド歴19年。好きなダイビングスタイルは「ドリフト」。モルディブの海の全てが好きというカオリータさん。「安全第一」をモットーに、初めてでも安心してクルーズトリップを満喫できるよう、海と船上の両方でゲストをもてなしてくれる。
Web>>maldivian-stars.com

 

【協力】
写真=鍵井靖章
情報=カオリータ/Maldivian Stars

 

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Koga

DIVER ONLINE 編集部

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