現地ガイドに聞いた!モルディブ・パウダー玉が見られる人気ダイビングポイントと水中写真撮影の極意

ダイバーのみならず、スノーケラーにも人気のインド洋の固有種「パウダーブルーサージョンフィッシュ」。観察できる場所のひとつであるモルディブでは、他所では見られない「パウダー玉」という珍しい光景が楽しめます。パウダー玉ってなに?1番人気のポイントはどこ?水中写真撮影のコツは?現地ガイドに徹底取材!達人が教えるパウダー玉撮影の極意をご紹介します。

INDEX

そもそも「パウダー玉」ってなに?
どこで見られるの?
パウダーブルーが群れる理由とは?
ここに行けば会える!人気No.1ポイント
現地ガイドが教える撮影の極意
見られたらラッキーなシーン
ガイドおすすめの被写体
さいごに
教えてくれたひと

 

そもそも「パウダー玉」ってなに?

パウダー玉とは、「パウダーブルーサージョンフィッシュの群れ」のこと。パウダーブルーサージョンフィッシュ、通称「パウダーブルー」はインド洋に暮らすニザダイの仲間。ブルーの体とイエローの鮮やかな背ビレ、少しとがったかわいらしい口元が特徴の魚です。

 

どこで見られるの?

主な生息地はインド洋沿岸。水深25mくらいまでのサンゴ礁や岩場で暮らしてします。
縄張り意識を持ち、通常はペアか単体で見られることが多いパウダーブルーですが、数えきれないほどの大きな群れをなし「パウダー玉」を作りだす不思議な場所があると言うのです。それが、モルディブ共和国です。

モルディブ共和国(以下、モルディブ)は1,000 を超える珊瑚でできた島と 26 の環礁からなるインド洋に浮かぶ熱帯の島国です。淡いブルーのラグーンに浮かぶ水上コテージや、ダイブサファリと呼ばれるダイビングクルーズトリップはダイバーやハネムナーにもお馴染みですね。

日本からは国内各地空港よりアジア各国にて乗り継ぎ、モルディブのマーレ国際空港まで飛行時間合計約13時間ほどで到着します。

 

パウダーブルーが群れる理由とは?

ふだんは群れないパウダーブルーがなぜ「パウダー玉」を作り出すのか?
彼らの目的はただひとつ!
「捕食」です

岩やサンゴに付いた藻を食べるために集まっているといいます。
美しいサンゴ礁が広がるモルディブではパウダーブルーのごはんとなる藻類が豊富!水深も浅く、暮らしやすい環境が整っていたため、自然とパウダーブルーが集まり、いつしかその光景が「パウダー玉」と呼ばれるようになったということなのです。

 

ここに行けば会える!人気No.1ポイント

モルディブ国内では足が立つような浅いリーフで群れていることが多いパウダーブルー。飛行機を乗り継いでインド洋の島国まで行くのだから、せっかくならダイビングでゆっくり撮影がしたい……。そんなカメラ派ダイバーもきっと満足できるパウダー玉撮影で人気No.1のダイビングポイントが北マーレ環礁にあります。

それが、「サンライトティラ」。
浅場に広がるサンゴ礁と真っ白な砂地から成るポイントです。観察できる水深は浅い所で-4mほど。あまり動き回らず、一心不乱に捕食しているので、ゆっくりじっくり観察&撮影できるのが魅力のポイントです。

 

現地ガイドが教える撮影の極意

撮影におすすめの時間帯

干満や月齢に関わらず、日中であれば1年中観察可能というパウダー玉。ベストの時間帯は日中!捕食活動が活発になるため、さまざまな構図で撮影することができます。

おすすめの構図とシーン

観察できる水深が浅いので、非常に明るくとても撮影しやすい環境が整っています。下からあおり気味で背景に水面をいれた構図がおすすめ!

 

撮り方のコツと注意点

ダイバーのことなど気にも留めず、捕食に夢中なパウダーブルー。追いかけまわしたりしない限り、撮影に十分な距離までしっかり近寄ることができます。注意したいのは、撮影に没頭するあまり、ダイバー自身が群れの中に入り込んでしまい、せっかくの「玉」を散らしてしまうこと。せっかくまとまっていた群れが大小散り散りになってしまうのでじゅうぶん気をつけましょう。

また、水中ではもちろんサンゴの上には着底禁止。パウダー玉がサンゴの上で見られるときは中性浮力をキープし、サンゴにつかまったり、乗ってしまうことがないように細心の注意を払って潜りましょう。

 

見られたらラッキーなシーン

ごはんを求めて群れが他の場所へ一斉に移動を始める瞬間に出会えたら迷わずシャッターを切ってみてください。水中に青い虹がかかったかのような美しい写真が撮影できますよ♪

 

ガイドおすすめの被写体

パウダーブルー以外に「サンライトティラ」で見られる現地ガイドおすすめの生物は、モルディブ固有種で立派な背びれが特徴の「トールフィンゴビー」というハゼや、ネジリンボウにそっくりだけど黒目に1本線が入った「ドラキュラシュリンプゴビー」などのハゼ類。レア度が高い人気の魚です。砂地のエリアはとくにハゼ類が多く見られるので、パウダー玉撮影が落ち着いたころにぜひ探してみてくださいね。

また、雨季(5〜10月)の間はマンタがクリーニングにやってくるそう。パウダーブルーを見て、レア種のハゼを見つけ、マンタのクリーニングを観察と欲張りダイブができるかもしれません。。!

 

さいごに

いかがでしたか?現地ガイドに聞いた、パウダー玉撮影の極意をご紹介しました。他所では観察例がほぼないので、モルディブに来たら必ず見て帰りたい景色のひとつです。モルディブ名物「パウダー玉」が見たい!モルディブで潜ってみたいな~という方は下のリンクからツアー情報もご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。

 

教えてくれたひと

Maldivian Stars /  カオリータ(前井馨)さん

「カオリータ」の愛称でお馴染み、人気クルーズ船「Maldivian Stars」を率いるスーパーガイド。モルディブガイド歴19年。好きなダイビングスタイルは「ドリフト」。モルディブの海の全てが好きというカオリータさん。「安全第一」をモットーに、初めてでも安心してクルーズトリップを満喫できるよう、海と船上の両方で日々ゲストをもてなしてくれる。
Web>>maldivian-stars.com

 

【協力】
写真=鍵井靖章
情報=カオリータ/Maldivian Stars

 

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Koga

DIVER ONLINE 編集部

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