現地ガイドに聞いた!メキシコ・セノーテの人気ダイビングポイントと水中絶景撮影の極意

メキシコ・ユカタン半島に約3500か所存在しているというセノーテ。差し込む光と地下に広がる洞窟の大絶景が楽しめる、注目の地形ポイントです。1番人気のセノーテはどこ?水中写真撮影のコツは?現地ガイドに徹底取材!達人が教えるセノーテダイビング&撮影の極意をご紹介します。

INDEX

「聖なる泉」セノーテ
地形派ダイバーの聖地ユカタン半島
人気No.1のセノーテとは?
ベストシーズンはいつ?
現地ガイドが教える撮影の極意
見られたらラッキーなレアシーン
ガイドおすすめのセノーテ
さいごに
教えてくれたひと

 

「聖なる泉」セノーテ

皆さんは「セノーテ」って知っていますか?
「それくらい、知ってるわ!!」という反応が画面越しからも伝わってきます。。(笑)
聞いたことはあるけど、潜ったことはないという方のために簡単に説明すると……

セノーテとは、メキシコにある「地下鍾乳洞」のこと。長い年月をかけて地下に浸透した雨水が、石灰岩でできた地層を削り、そこに地下水がたまったことでできた天然の泉。マヤ語では「聖なる泉」という意味ももっています。

近年テレビや雑誌でも度々取り上げられているセノーテ。メキシコのカンクンやプラヤ・デル・カルメンを訪れるダイバーには外せない人気のダイビングスポットでもあります。

シュガーボウルの水面写真。天井にぽっかりと開いた穴から降り注ぐ太陽光が、水中に差し込み神秘的な景観を創り出します

 

地形派ダイバーの聖地ユカタン半島

セノーテがあるのは、ユカタン半島(Península de Yucatán)。南北アメリカ大陸を結ぶ地峡の真ん中あたり、メキシコ湾とカリブ海に突き出た半島です。大部分はメキシコ領ですが、南部の一部はベリーズ、グアテマラに属しています。この半島には数千にも及ぶセノーテが存在していて、セノーテダイビングを求めて、世界中からダイバーが訪れます。

 

人気No.1のセノーテとは?

数あるセノーテの中でもレジャーで潜れるのは10か所ほど。その中でも、1番人気が高いのが「セノーテ・タージマハ」です。透明度が高く、光の差し込み方がとても美しいのが特徴。実際のダイビングでは、「セノーテ・タージマハ」からエントリーをし、途中で「シュガーボウル」、「エスメラルダ」という2つの異なるセノーテを通ります。「シュガーボウル」は光の差し込みがとくに素晴らしいと評判です。

シュガーボウルの水中写真。差し込む光に照らされて、ダイバーが吐く泡さえも美しい!

 

また、海水と淡水が交わる所で発生する「ハロックライン」と呼ばれる珍しい現象も見られます。ここまでクッキリと確認できるのは「セノーテ・タージマハ」が誇る高い透明度があってこそ。

中央~左下にご注目。写真でもハロックラインがはっきりとわかります

 

1ダイブで光、地形、透明度、ハロックラインとセノーテダイビングの魅力を全て堪能できるポイントなのです。

写真上部の立派な鍾乳石、ビームのように差し込む3本の光、どちらも「セノーテ・タージマハ」ならではの風景です

 

ベストシーズンはいつ?

通年通して潜ることができる「セノーテ・タージマハ」。光の強さを求めるならベストシーズンは乾季(11~4月)。透明度が上がり、光の差し込みが強くなるため光のビームが強烈になるのできれいな写真が撮りやすい時期です。

くっきりとした光のカーテンを狙うなら断然冬がおすすめ

 

反対に、雨季(5~10月)は「エスメラルダ」の水が緑色に変わり、そこに太陽光が差し込むことで、まるでオーロラのような景色を楽しめます。季節によって、がらっと雰囲気が変わる「セノーテタージマハ」。その季節にしか見られない絶景シーンを楽しみましょう♪

夏の「エスメラルダ」は水中オーロラが楽しめます♪

蛍光グリーンの水中オーロラも夏ならではの光景です

 

現地ガイドが教える撮影の極意

撮影におすすめの時間帯

セノーテを撮影するなら、正午前にエントリーするのが吉。
光の差し込みがピークを迎える瞬間を狙うことができます!

燦燦と光が降り注ぐ「シュガーボウル」

 

撮り方のコツと注意点

セノーテでは、環境保護のため「着底」「岩をつかむ」ことは禁止されています。ダイビング中はピタッと止まれる中性浮力のスキルが必須になります。

また、海よりも暗くなるので、光を取りこもうとしてシャッタースピードを遅くすると、ぶれやすくなってしまいます。そんなときはF値を開放して撮影してみましょう。シャッタースピードは1/100~1/200前後、F値は1.8~5.6くらいでまずは撮影してみてください。暗いなと思ったらさらにF値を開放するか、シャッタースピードを少しだけ遅くする。明るすぎると思ったらF値を絞ってみてください。明るさや光の差し込み具合に応じて少しずつ設定を変えて、何枚も撮影してみましょう。

着底はもちろん、岩をつかむことも禁止。写真のダイバーのようにしっかり中性浮力をキープして潜ろう

 

おすすめの構図

水中風景そのものを撮るのも綺麗ですが、ダイバーを入れて撮影するのもおすすめ。
人物を入れることで、洞窟内の雰囲気や立体感がより伝わりやすくなります。

ダイバーを入れることで、奥行きのある写真になります

 

見られたらラッキーなレアシーン

夏のお昼の時間帯のみに見れる3本のレーザービーム光線。レア度が高く、カメラ派に大人気。うまくいけばこんな絶景写真が撮れるかもしれません。

スポットライトのようなレーザービームは夏に見られます

ダイバーと3本のレーザービーム光

 

ガイドおすすめのセノーテ

「セノーテ・タージマハ」の他に現地ガイドがおすすめするのは「セノーテ・エデン」。光の差し込みが横長のカーテンのように見える『写真映え確実』のセノーテです。「セノーテ・エデン」もハロックラインがきれいに見られるセノーテとして有名。チャンスがあればぜひ訪れてみてくださいね。

 

さいごに

いかがでしたか?現地ガイドに聞いた、セノーテダイビング&撮影の極意をご紹介しました。セノーテに潜ってみたいな~という方は下のリンクからツアー情報もご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。

 

教えてくれたひと

Iguana Divers /  松永達也さん

Iguana Diversのオーナーガイド。「手を抜かずひと手間を大事に」をモットーに、セノーテダイブを求めメキシコを訪れるダイバーを日々案内している。自身も無類の洞窟ダイビング好きという松永さん。セノーテの好きなところを伺うと、「光の差し込みだけでなく数万年前に長い時間をかけて形成された鍾乳石を見ると地球の歴史を感じられるところです」と語ってくれた。
Web>>www.iguana-divers.com

 

 

AUTHOR

Koga

DIVER ONLINE 編集部

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