脳科学や心理学をテーマに、研究や執筆を中心に活動する中野信子さん。
人間や社会で起こる現象を分析し、科学的な知見から、現代社会を生きる人々にわかりやすい言葉で語りかけ、其々が持つ葛藤や問題解決のいとぐちとなるメッセージを発信し、高い評価をうけています。活動のかたわら、国内外で開催される多くの美術展やアートプロジェクトにも足を運び、東京藝術大学大学院にて芸術を学んでいます。本展は、中野さんがこれまで言葉を通して伝えてきた脳科学の世界を、映像と写真、空間を用いて表現する新たな活動の一端です。
中野信子
1975年生まれ。東京大学工学部応用化学科卒業、同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。医学博士。2008年から10年までフランス国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究 センター)に勤務。脳科学、認知科学の最先端の研究業績を一般向けにわかりやすく紹介することで定評がある。
水中写真家・鍵井靖章さんとのタッグ
エキシビション「BRAINDIVE」では、中野信子の脳の活動データを視覚化。人間の故郷であり、未だベールに包まれた世界である海中へダイブするように、脳の活動を体験するヴィジュアルインスタレーションです。水中写真家の鍵井靖章氏と協働し、自然のリズムの中で撮影された視点・色彩を、脳の活動データによって生み出される空間体験として出現させます。実際に計測された数値から生成されるヴィジュアルと、豊かな生態系とダイナミックな環境の海中写真と映像によって構成された空間で、言葉や表面的な振る舞いだけでははかり知ることのできない、他人の感情や思考、身体的な状況を、脳の中の現象として体感的に捉えることができるでしょう。
「光の届かない深い海の底から意識の表層を眺めたとき、私たちの認知がどれほどあやうく、脆い表象の反映であることか、普段そこにあると信じられているものが当たり前には存在し得ないのだということをしばしば思い知らされます。本展では、誰かを理解し繋がりを求めることがいかに難しいことか、だからこそ言葉によるコミュニケーションなしに感覚を共有しあえる時がどれほど貴重なことか、感じていただくための展示空間を構成しています」
curated by Nobuko Nakano | 中野信子 BRAINDIVE
■日程:2022年3月11日(金)- 21日(月・祝)
■時間:13:00 – 18:00
■場所:などや代々木上原 東京都渋谷区西原3-19-3
■入場料:1000円
■事前予約制:予約ページ >>> https://nadoya.peatix.com/
※新型肺炎ウィルス感染拡大防止のため、混雑時はお待ちいただく場合があります。
※緊急事態宣言や、混雑状況に合わせ入場方法に変更が出る場合があります。などやの公式SNSにて随時ご案内致します。
※ご入場に際し、マスクを着用及び、検温、消毒にご協力くださいますようお願いいたします。