ナイトロックスで潜りたい! おすすめダイビングエリアと解説

ナイトロックス――実際に海外などで使った経験のあるダイバーもいれば、専用ラベルが貼られたタンクを見たことがある、聞いたことはあるけれどよくわからないという人までさまざまだ。ナイトロックスを使うメリットは?リスクは?国内での普及率は?そんな疑問にズバリに答えよう!

ナイトロックスに挑戦!

ナイトロックスって何?

通称「ナイトロックス」は、正式には「エンリッチド・エア」(Enriched Air =酸素富化空気)といい、簡単に言えば「酸素濃度の高いエア」のこと。ナイトロックスは通常のエアよりも酸素濃度を高め、窒素の割合を低くしている。窒素の割合が低いぶん、減圧症のリスクを減らせるのが特徴であり、最大のメリットでもある。一般にダイビング用には酸素32%のものと36%の2種類があり、潜水深度などによって使い分けられる。誰でも使用できるが、事前に講習を受ける必要がある。

もっと知りたい!ナイトロックスのこと

メリットとデメリット

なんといっても、窒素が少ないぶん、減圧症のリスクが空気よりも低くなるのが最大のメリット。減圧不要限界時間(潜水可能時間)が長くなるが、そのぶん長く潜れるという考え方ではなく、限界時間が長くなることで安全に潜れる時間に余裕ができると考えよう。また、ナイトロックスを使用すると疲れにくいと感じるダイバーも少なくない。いっぽうで、空気の場合、水深60mより深く潜らなければ酸素中毒になることはないが、ナイトロックスでは、もっと浅い水深で酸素中毒を発症するリスクがある。

専用の器材が必要?

ナイトロックスを使用するには専用のレギュレーターが必要で、空気用とナイトロックス用と使い分けなければならないといわれているが、日本国内では、明確な統一見解が出ていないのが実情だ。<日本スクーバ協会>では使い分けを推奨しているが、各メーカーによっても基準はさまざま。「40%以下のエンリッチド・エアと圧縮空気の両方に互換使用できる」というメーカーもあれば、「エンリッチド・エア用にオーバーホールすれば使用できる」とするメーカーもある。手持ちの説明書をよく読み、適正に使用するのがベター。

ナイトロックスが日本に導入されたのは1998年のこと。減圧症の発症リスクを軽減するメリットがあり、海外では広く普及しているにもかかわらず、国内では空気タンクに比べて値段が高いこと、使用には講習を受ける必要があること、器材を使い分けなければならないなど、いくつものハードルがあった。しかし近年、新しいナイトロックス製造法「メンブレンシステム」が日本に導入され、供給するダイビングサービスが増えてきている。現在、沖縄県、鹿児島県、東京都、高知県など、複数の都県でダイビング用のナイトロックスの供給が始まっており、確実にナイトロックスが身近になりつつある。

これまでナイトロックスというと、限られたダイバーが使うものという認識があった人も少なくないのでは? しかし、新システムが導入されたことが後押しとなって、改めてそのメリットが見直されつつある。ぜひ、正しく使って、より安全にダイビングを楽しもう。

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Suga

DIVER ONLINE 編集部

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