食物連鎖にも影響が!私たちにできることは何?海のプラごみ教室開催

海のプラスチックごみの脅威が加速中です。ウミガメやクジラなどの生き物が誤飲して命を落とし、マイクロプラスチックは深海から南極まで世界中の海を蝕んでいます。 今、海の中で何が起きているのでしょうか。プラ汚染が続くと海はどうなってしまうのでしょうか。最新の深海調査結果を交えながら、JAMSTEC(ジャムステック)研究員の中嶋亮太さんにプラごみについて教えていただきました。

会場がどよめく、多くの生き物がマイクロプラスチックを体内に取り込んでいる現実

海のプラスチック汚染問題を研究する中嶋亮太さんによるイベントには、ダイビングを始めて環境問題に関心を持つようになったという方や日頃からビーチクリーン活動を行っている方など、約50名の参加がありました。

日本では、食品の大半はプラスチック包装され、日本人ひとりあたりのプラごみ排出量は年間32kg、世界ワースト第2位です。海に流れ込んだプラごみは、劣化してどんなに小さな破片になっても分解されることはありません。砕けて5mm以下になったプラごみ片は「マイクロプラスチック」と呼ばれ、多くの問題を引き起こしています。汚染物質を吸着し濃縮、それを動物プランクトンが誤飲することによって、食物連鎖に入り込みます。

化学繊維のクズもマイクロプラスチックです。合成繊維(不織布・ポリプロピレン・ナイロン)のティーバッグからは、億単位のナノプラスチック(マイクロプラスチックよりもさらに細かい)が流れ出るという研究報告の話には、会場の参加者からはどよめきが起こりました。

さわやかフェイスの中嶋さん。参加者のみなさんは熱心に話を聞き、気軽に質問していました

ふだんの生活でできること、ダイバーができることとは?

各国でさまざまな試みが行われていますが、今、日本に住む私たちができることは、プラスチックの使用を削減すること、プラごみの海への流出を抑えること。すでに海中に流れ込んでしまったプラごみを回収するのは非常に困難ですが、ビーチクリーンで海中に運び去られる前に拾うことができます。

中嶋亮太さんの脱プラごみアイテム。ほとんどがアマゾンなどネットでも購入できるそう

パラオと日本の青少年も対象に、海洋環境の教育プログラム実施も

イベントの最後に、日本〜パラオ共和国の国交樹立25周年を記念して開催される「日本〜パラオ親善ヨットレース」に帆船「みらいへ」で伴走しパラオを目指す、調査プログラムの紹介がありました。「みらいへ」にはマイクロプラスチック採集装置が設置され、JAMSTEC(ジャムステック)と一緒にレース中に採集した海水にどれくらいプラスチックが含まれているか調査します。

JAMSTECの研究員も乗り込む「みらいへ」には、パラオ共和国と日本の青少年、一般市民が乗船。船上では、海洋調査の見学やセミナーなどの教育プログラムに参加できます。
※募集は終了しています

パラオ親善ヨットレースでの海洋調査に関心を寄せる参加者のみなさん

帆船「みらいへ」でパラオを目指します

交流会ではプラなし生活アイテムに質問をする方多数

終了後の交流会では中嶋亮太さんが日頃使っているプラなし生活のアイテムを披露し説明してくれました。使い勝手や使い方、値段や購入先など、参加者がさまざまな質問をする場面が見られました。

脱プラごみアイテムを説明する中嶋さん

説明しながら実演してくれました

撮影OKの方だけで集合写真。関心が高いトピックで大盛況でした

 

2019年9月に発売になった中嶋さんの著書 『海洋プラスチック汚染』

以下のアマゾンで購入できます。

中嶋さんが運営しているサイト「プラなし生活」(Less Plastic Life)https://lessplasticlife.com/ もぜひチェックしてみましょう。

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Amano

DIVER ONLINE 編集部

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