コラムニスト:堀口和重
vol.10 年末年始、深海系稚魚がすごかった!
遅くなりましたが皆さま、あけましておめでとうございます。
今年もライトトラップで集まる沢山の生き物たちをご紹介していきますよ 。
さて、この前の年末年始は有名なカメラマンたちが大瀬崎で連日、ライトトラップに参戦してくれました。
光量25000ルーメンのライトが×3と並び、陸上から水面を見ても幻想的な光が広がっていました。
その光のパワーにより年末から、1月11日にかけてあまり見かけたことのない生き物数種類が登場、なかでも深海系の稚魚が多数集まったのでご紹介します!
まずは年末、トラップ用に仕掛けたライトの周りをぐるぐると狂ったように泳ぎ回る稚魚。 こちらは成魚は深海に住み、夜になると浅場に上がってくる、ススキハダカ属の1種でアラハダカだと思われるようです。
アラハダカだと思われるススキハダカ属の1種
続いても年末に登場した、深海の魚だと思われるワニギス属の1種の稚魚です。
昨年の11月ごろにも大瀬崎にて見かけています。また昨年度、大島などのほかのエリアでも目撃されているようです。
深海の魚だと思われるワニギス属の1種の稚魚
長い鰭のようなもの、色が特徴的
ライトトラップ時には、このように深海にいる珍しい生き物の稚魚に出会える機会が増えます。
さらに今年の1月10日にはもっと驚く生物も登場しました。それがこの仔魚です。
深海にいる仔魚だと思われますが、現在わからず不明種類です。
(現在専門家に同定していただいているので、わかり次第掲載します)
こちらは横からの写真
以前ご紹介したスケスケでペラペラな稚魚とはまた違う深海系の稚魚たちの世界はいかがだったでしょうか?
ここからは、アンコウなどの稚魚たちが登場するシーズンに入り、より深海系の稚魚が増えてくると面白いですね。
コラムニスト
堀口 和重(ほりぐち・かずしげ)さん
西伊豆大瀬崎の<大瀬館マリンサービス>でガイドとして勤務。好きな生物は、クラゲ類・幼生類・ホタルイカモドキの仲間などの浮遊系。水中写真家・阿部秀樹氏のライトトラップに影響を受け、3年前よりナイトダイビングが可能な日は撮影&ガイドを行っている。1986年生まれ。