コラムニスト:堀口和重
vol.23 これぞ、スケルトン・シーサーペント
いよいよ、今回は浮遊生物の中でも特に人気の高い生き物が登場です。
名前はレプトセファルス幼生。ウナギ目の仲間でアナゴの仲間やウツボの仲間など全長が長細い生き物達の稚魚なのです。
レプトセファルス幼生には 面白い特徴はいくつかあります。
1つ目はとしては驚くと体を丸めるのです。顔を守るための防衛行動だと言われていますが、見事なワザです。カメラ派にとってはもちろん絶好のシャッターチャンス! 2つ目は障害物や天敵などがいるとスルスルと後ろ泳ぎすること。 後ずさりする仕草はユニークです。
成長するにつれての変化もまた特徴的なんです。以前にレプトセファルス幼生を飼っていたことがあるのですが 、段々と体高が低くなり、全体的に小さくなります。そこから成魚の体へと変化していきました。
ゴマウミヘビなどの仲間のレプトセファルス幼生は体にきれいな緑色の模様が入っています。やや小柄。私は体を巻いている姿を見たことがないので、巻かない種類もいるようですね。
こちらは葉っぱのような姿形をしているレプトセファルス幼生。この種類はイワアナゴ科の仲間などがいるようです。
種類によってはビッグサイズもいます。以前見たレプトセファルス幼生の中には最大で20cmオーバーというものもいました。ただ見た瞬間に急浮上して逃げていきましたが…。
ウツボの仲間などはさらに大きいようでそんな大物レプトにもあってみたいですね。
協力=小嶋 純一(公益財団法人 海洋生物環境研究所 中央研究所)
コラムニスト
堀口 和重(ほりぐち・かずしげ)さん
西伊豆大瀬崎の<大瀬館マリンサービス>でガイドとして勤務。好きな生物は、クラゲ類・幼生類・ホタルイカモドキの仲間などの浮遊系。水中写真家・阿部秀樹氏のライトトラップに影響を受け、3年前よりナイトダイビングが可能な日は撮影&ガイドを行っている。1986年生まれ。