カニダマシとの夏夜の出会い 堀口和重の撮ったどぉ〜!ライトトラップ獲物図録 Vol.28

コラムニスト:堀口和重
vol.28 カニダマシとの夏夜の出会い

夏に入り、大瀬崎のライトトラップは徐々に盛り上がりを見せています。アカマツカサ属の1種やイトヒキアジの幼魚、ナンヨウホタルイカ属の1種などなども現れ、例年通り楽しみが増えています。

そんな夏の絶好調なライトトラップの中ですが、ひと際小さな甲殻類を見つけました。見た瞬間、メガロパ幼生だ!!と気が付いたのですが、初めて見た種類。写真を拡大してよくよく見ると、形的にカニダマシの仲間かなぁと思いました。気になったのですぐさま広島大学 助教若林先生に同定していただくと、ビンゴ! カニダマシの仲間とのことでした。

カニダマシは種類的にカニよりもヤドカリの仲間に近い生物です。メガロパ幼生もヤドカリ類の幼生と似たような姿で移動することも確認できました。

 

移動中の姿1

移動中の姿2

ちなみに以前撮った画像のカニダマシの仲間のゾエアはこんな姿をしています。棒のような形をしていてゆったりライトの前に集まってくるのが今の時期は高確率で見られます。こんな姿をしているのに、ここからメガロパ、そして成体へと姿を変えていくのだと考えるとおもしろいですね。

撮影場所/大瀬崎

甲殻類同定協力=広島大学助教若林香織

コラムニスト

堀口 和重(ほりぐち・かずしげ)さん
西伊豆大瀬崎の<大瀬館マリンサービス>でガイドとして勤務。好きな生物は、クラゲ類・幼生類・ホタルイカモドキの仲間などの浮遊系。水中写真家・阿部秀樹氏のライトトラップに影響を受け、3年前よりナイトダイビングが可能な日は撮影&ガイドを行っている。1986年生まれ。

>>大瀬館マリンサービス

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Amano

DIVER ONLINE 編集部

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