石垣島でサンゴを極める[前編] むらいさちの「ゆるフォト講座」

色が少なくて寂しいので、 赤をプラス♪ 取材で石垣島に行ってきました! じつは石垣島にはあまり行ったことがないむらいさち。どこに潜ってもサンゴがきれいなのが印象的でした。オニヒトデにやられた所も急速に回復しており、一見そうは見えないほどに……。ならば、このきれいなサンゴ礁を皆様にもすてきに写真に収めてほしいと思いました。 そこで今回は、サンゴの撮影方法を、実際に石垣島で撮影してきた写真を使ってレクチャーしていこうと思います。せっかくたくさん写したのだからと、前編後編の2回でお送りします! では、今月もゆるフォトスタートです♪ (月刊ダイバー2014年6月号掲載)

01 太陽の光が重要です

これはあくまで僕の個人的意見ですが、サンゴはやっぱり自然光で撮りたい! と、思います。ご存知の通り、水中では水深が深いほど色が失われていきます。では、実際どのくらいの水深で、色が失われて行くのか撮影してきました。そして、僕としては、自然光がある程度届く浅い水深で撮影するのがおすすめです。


水深約2mで写したサンゴ礁です。この水深だと、光がちゃんと入って来て、サンゴも見た目に近い色が再現されています。正直、サンゴを撮影するならば、水深が浅いほどいいのは間違いありません。


水深5mです。なんとか色は再現できていますが、水深2mと比べるとかなり青みがかっていて、ちょっと暗い感じになっています。水深5mまでいくと、水のブルーの影響をかなり受けているんですね。


そう、大切水深10mまで来ました。ここまで来るとさすがに色がなくなっていますね。水深10mはダイビングでは浅い水深だし、光も差し込んで来ているイメージですが、カメラで写すとほとんどの色がなくなり、青一色に……。皆さんが思っているより水の影響力は大です。

02 構図で印象が変わる

「サンゴきれい〜」とは誰でも感じること。では、そのきれいさを表現するにはどうしたらいいのか? それが重要です。ちょっとした構図の工夫で印象は変わります。写真を見ながら解説していきましょー。


まずは基本的な横位置構図。横は広がりを感じさせる構図。広がりを出したいときには、この構図を使います。オーソドックスですが、やっぱり横位置を使うことがとても多いです。


今度は縦位置構図。これは、奥行き感を表現するにはとても向いています。サンゴが奥までず〜〜っと続いているんだよ〜、という表現はしやすいです。縦に伸びるので、海のブルーも入りやすく、より奥行きを感じる構図になります。


今度は目線を下げて、立体感を出した構図です。枝サンゴなどは、立体感が特徴でもあるので、使いやすいですね。逆にテーブルサンゴなんかは、もともとが平らなので、立体感より広がりの出る構図のほうが向いていますね。

03 いいとこ撮り

どこまでも広がるサンゴ礁。しかし、ほんとにどこまでも続くわけじゃありません(笑)。そりゃ、サンゴが折れたり、岩場や人工物があったりします。撮影のときは、いらないものは省いて、必要なものだけを撮るように心掛けましょう。


どんなにきれいなサンゴを写しても、奥の人工物のせいで、写真のイメージが台なしに……。これは、中途半端に写っているダイバーでも同じことが言えます。撮影するときは必ず画面をチェックしましょう。


この写真も一見とてもきれいですが、よく見ると左側にガレ場が写っています。こんなに色とりどりのサンゴ礁なのにもったいない! しかし、ちょっと構図を変えるだけでイメージもガラッと変わるのです。


写したくない所をカットするために、縦構図にしました。そうすることによって、見せたい所はしっかり見せ、いらない所はカットできました。意外とこういったことを意識してない方が多い気もします。すてきな写真を撮るために画面の隅々まで意識してみましょう。

今回のまとめ

今回はサンゴの撮り方ということで、誰でも簡単にわかるようにお話しました。美しいものに出会ったのなら、すてきに撮りたいと誰もが思うはず。しかし、その過程でいくつかクリアしなくてはいけない壁があります。
見たままで美しく撮れればそれに越したことはありませんが、意外とそうはいかないことが多いですよね? そこにはちゃんと理由が存在します。それは難しいことではなくちょっとの気遣いなのです。
これは水中写真のどんな場面でも生かすことができます。ぜひ実践してみてくださいね。後編もお楽しみに〜。

コラムニスト

むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。6年目にして「ミラーレス編」へ。スタンスは変わらず「ゆるく楽しくミラーレス!」。

>>Official webサイト:muraisachi.com

AUTHOR

Amano

DIVER ONLINE 編集部

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