マンタに会いたい! おすすめダイビングエリアと解説

ダイバー憧れの大物生物の代表格と言えば、何といってもマンタ!しなやかで優雅な動き、美しいフォルム、クールなツートンカラー、どれをとっても、他ではなかなかお目にかかれない特長的な生き物だ。マンタは暖かいサンゴ礁の海に生息しているが、じつは、日本には世界に誇る有名マンタポイントがある。遭遇率、個体数、透明度、潜りやすさ、どれをとっても他に引けを取らない。今すぐ、憧れの大物に会いに行こう!

マンタに会いに行こう!

マンタってどんな生きもの?

マンタは世界最大のエイの仲間。ダイバーに親しまれている“マンタ”という名称は、属名(Manta)、もしくは英名やスペイン名のmanta(ラテン語で広い布を意味するmantellumから派生)に由来している。左右に広がる翼のような部分は胸ビレで、大きなものでは横幅6~7mにもおよぶ巨大な魚だ。主食はオキアミなどのプランクトンが中心で、大きく口を開けながら、海水ごと吸い込んでエラでこしとって食べている。

どこで会える?

国内では、なんといっても石垣島の「川平石崎マンタスクランブル」が有名。ここはちょうどマンタのクリーニングステーション(身体に付いた寄生虫をベラなどの根魚に食べてもらう)になっていて、とくに秋になると遭遇率も個体数もアップし、10~20枚ものマンタに遭遇することも。国内はもちろん、世界的に1、2を争うマンタスポットだ。
また、西表島、小浜島、黒島や、小笠原諸島などでもコンスタントに会うことができる。

マンタウォッチングのルール

一般に、マンタは人懐っこくて好奇心旺盛な生き物と言われているが、いっぽうで年々増え続けるダイバーによって、姿を現さなくなってしまう恐れも……。そのため、エリアやポイントによってさまざまなウォッチングルールが設けられている。
たとえば、「川平石崎マンタスクランブル」では、「触らない」「追いかけない」「根の下に着底して姿勢を低くして観察する」など。ブリーフィングの際に注意があるので、しっかり守るようにしよう。

もっと知りたいマンタのこと

マンタのおもしろ生態シーン

優雅で美しいマンタだが、意外や意外、跳んだり回ったり、乱舞するアクティブな一面も。中でもダイナミックなのは、水面上へのジャンプ。跳ぶ理由ははっきりとしていないが、着水の衝撃などで寄生虫を落とすためだと考えられている。また、プランクトンを捕食する際に、大きな口を開けてクルクルと回転することも。さらに、八重山諸島では、集団になったマンタが猛スピードで泳ぎ回る、「乱舞」と呼ばれる行動が春と秋に観察できる。大抵の場合、雄による雌の追尾行動と考えられている。

マンタにくっついているものは?

マンタの風格をより一層大きくしているのは、彼らにくっついているたくさんの”取り巻き”ではないだろうか。たとえば、お腹や背中にピタっとくっついているのはコバンザメ。じつは彼ら、マンタの糞を狙っている(おいしいのか!?)。また、マンタの鼻先を先導するのは、ブリモドキやコガネシマアジ。今にも吸い込まれてしまいそうだが、彼らもエサのおこぼれを頂戴したり、他の捕食者を避けたりしている。

知ってた? マンタって、1種類じゃないよ!

マンタと言えば長い間1種類と考えられてきたけれど、実は少なくとも2種に分けられるということを知っているだろうか?
海洋生物学者アンドレア・マーシャル氏らの研究論文(2009年12月発行『ZOOTAXA』)によると、私たちダイバーがサンゴ礁沿岸でよく見かけるものとクルーズなど外洋で出会う比較的大型のマンタは別の種類なのだという。前者の学名はManta birostris(マンタ・ビロストリス、以下ビロストリス)、後者の今回明らかとなった種の学名はManta alfredi(マンタ・アルフレッディ、以下アルフレッディ)。
たしかに海外で撮影されたマンタをマーシャル氏が提唱する外見からでも見分けがつくという識別形質に基づいて見てみると、インド・太平洋の熱帯域で見られ沿岸性が強く海域ごとに定着した個体も確認されているアルフレッディはパラオ、ヤップなどの沿岸で見られるし、クルーズ船で外洋を潜り渡るアンダマン海やソコロで撮影されたものはビロストリスだった。
また日本ではどちらの種も確認されている。マンタの個体識別の先駆者として知られる伊藤隆氏(マリンサービス異島)は、これまで日本で得たデータを分析。研究者やダイバーの撮影による日本各地のマンタの写真を同じようにマーシャル氏の識別方法で調べてみたところ、アルフレッディは八重山の石垣島、小浜島、西表島、黒島付近を中心に出現し、宮古島と慶良間諸島では季節によって出現、数は少ないが与那国島、沖縄本島、沖永良部島、奄美大島、高知県(最北)でも確認されたとか。
いっぽうビロストリスは小笠原諸島を中心に出現し、琉球弧や本州、最北の青森県でもわずかながら出現。日本海からはまったく出現記録がなかったという興味深い結果が得られている。

日本近海には2種とも分布している! 見分け方は?

アルフレッディはサンゴ礁などの沿岸域、ビロストリスは外洋と見られる場所や後者のほうが比較的大きいというざっくりした情報はあるものの、それだけでは水中で出会ったマンタがどちらの種類なのか判断しかねてしまう。そこで外見からでも容易に見分けられるポイントをマーシャル氏の論文からピックアップしてみた。
1つは体盤背面の白色班の形状で、ビロストリスは白色班の前縁が口裂に沿って直線的でかつ平行になっているのに対し、アルフレッディは体盤の正中部に向かって後方へとカーブしている。もう1つは口裂周辺の色でビロストリスは灰色から黒色、アルフレッディは薄い灰色から白色。この2つのポイントに着目すれば誰でも水中でどちらの種類か簡単に識別できるはずだ。
もともとマンタという日本語の名称は、生物分類階級の1つで種よりも1つ上の単位である“属”の学名がmantaであることや英名やスペイン名のmanta(ラテン語)などに由来している。この通称である“マンタ”が世界中のダイバーに浸透してきたが、これから彼らの生態をより明らかにしていくためにはどこでどの種類を見たのかといったダイバーの情報は重要だ。
そういった情報を蓄積するためにも2種それぞれの名前を早く覚えたいところだが、ビロストリスにはオニイトマキエイという標準和名があるものの、新しく分類されたアルフレッディの標準和名には現在2つの案が提唱されているという。どちらの名称が採用されるか標準和名が決まり次第、紹介する予定だ。 (写真/古見きゅう 文/岡 弥生)
*より詳しい情報は月刊ダイバー2010年12月号「マンタは1種ではなかった!」を参照ください

何年潜っていても、いまだにマンタに遭遇できない人もいれば、ファーストダイブでご対面を果たしてしまう幸運なダイバーも。現地ではさまざまなデータや情報を駆使しているが、最終的には運しだい。ぜひ、普段の行いを良くして、憧れのマンタに会いに行こう!

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DIVER ONLINE 編集部

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