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INDEX
マクロ生物の宝庫「レンベ海峡」
ダイバーの「見たい!」をかなえてくれる場所
レンベリゾート
ダイビングサービス
TOPICS
アフターダイビング情報
スラウェシ島エリアマップ
アクセス方法
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レンベ島の小さな入江にひっそりとたたずむ〈レンベリゾート〉
マクロ生物の宝庫「レンベ海峡」
マクロダイビングの聖地として世界的に知られている「レンベ」。空港があるスラウェシ島とレンベ島の間にある「レンベ海峡」がダイビングの舞台だ。ここでは“Muck Diving(マックダイビング)”を楽しむことができる。“Muck”とは英語で泥、ゴミという意味。砂泥地などのダイビングポイントで、堆積物や海藻、流木などに擬態している生き物を探して、じっくり観察するダイビングスタイルのことを“Muck Diving”と呼ぶ。泥と聞くと前も見えないようなドロドロの海底で小さな生き物をひたすら探しながら潜るというイメージが浮かぶかもしれないが、「レンベ海峡」のマックダイビングはひと味違った。
エントリーして、目に入ったのは黒砂で覆われた海底と青い海。スロープ状に落ち込む水底を進み、ゆっくりと深度を下げていく。現地ガイドのグントゥールさんに呼ばれて指さすほうに目を向ける。そこには海底にぽつんとたたずむヘアリーフロッグフィッシュの姿があった。その後も休む暇を与えられることなく、ふだんなかなかお目にかかれない珍しい生き物を次から次へと紹介してくれた。1ダイブでは観察しきれないほどに生き物が豊富な「レンベ」。 「ここでは被写体に困ることは絶対にないだろう……」、そう思える1ダイブになった。
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エスカを振って獲物を誘っているヘアリーフロッグフィッシュ
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夕方になればニシキテグリの産卵も見られる
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ハウスリーフで見つけたピグミーシードラゴン
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ボンファイヤーダイビング(レンベ島で行われるライトトラップを用いたナイトダイビングのこと) で撮影したシャコの幼生
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仲よく1か所に固まっていたピグミーシーホース。「レンベ海峡」なら1度に3個体見ることも珍しくはない
ダイバーの「見たい!」をかなえてくれる場所
「レンベ」のポイントは島に挟まれた海峡にあり、1年中ダイビング可能だ。いつでも多くのマクロ生物であふれているが、水温が低くなる乾季(3~11月)のほうがレア生物との遭遇率が高いと言われている。
今回お世話になった〈レンベリゾート〉はアメリカのカメラメーカー〈Backscatter〉社から世界初の認可を受けたフォトセンターを有するラグジュアリーリゾート。すばらしい海や生き物にももちろん圧倒されたが、一番のうれしい驚きはスタッフの「おもてなしの心」だった。たとえば、ミミックオクトパスを撮影したいとリクエストしたときのこと。ガイドは「OK!」と即答し、「Hair Ball」というポイントに連れて行ってくれた。しかし、そう簡単には姿を現してはくれず、エントリーしてから30分ほどがたとうとしていた。半ば諦めていたそのとき、静かな水中にベルの音が大きく鳴り響いた。ガイドが砂地で優雅に泳ぐミミックオクトパスを見つけてくれたのだ。ダイバーのリクエストに全力で応えて、かなえようとしてくれる姿勢にプロの心意気を感じた。〈レンベリゾート〉はサービスだけでなく、施設やダイビングスケジュールなどすべてがダイバーファースト。海の良さだけでなく、文句のつけどころがない一流のサービスで、訪れるダイバーをもてなしてくれるのだ。
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マックダイビングの舞台。海底は黒砂が一面に広がる
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ウミヘビやカレイなどに擬態することで知られるミミックオクトパス。擬態バリエーションは40以上にも及ぶ
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「Goby A crab」というポイントの深場にいた擬態上手のホウセキカサゴ
レンベリゾート
野菜もたっぷり! おいしいと評判の食事
朝食とランチはビュッフェスタイルで夜はアラカルトメニューが用意されている。滞在中は全食事付きなので、レストラン予約などの手間もかからずダイビングに専念できるのがうれしい。
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食事はメニュー豊富なビュッフェスタイルが基本。自慢は島の朝市で仕入れた新鮮な食材だ
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バーベキューディナーがふるまわれることもある
サンセットを一望できる人気のお部屋
客室はプライベートプール・バトラーサービスのあるクリフサイドヴィラのほか、ラグジュアリーコテージとガーデンビュールームの3種類。またスパや、プールもあり、ダイビング後のリラックスタイムにオススメ。
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美しいレンベ海峡を一望できるクリフビラ
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ダイビングの水面休息やダイビング後、リラックスするのにオススメな広々としたプール
ダイビングサービス
〈レンベリゾート〉併設のダイビングサービス
クリッターズ
大小さまざまな5隻のダイビングボートを所有し、リクエストごとに細かくチーム分けをしている。ボートには船長、アシスタント、ガイドが乗船してゲストを徹底サポート! バンカ島周遊ツアーやデイトリップも行っていて、「レンベ」とあわせて北スラウェシの海を存分に楽しむことができる。系列リゾート〈ミュレックス・バンカ〉でのダイビングもアレンジ可能だ。
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日本人スタッフも在籍しているクリッターズのスタッフたち
フォト派ダイバーも大満足!充実の設備
ゲスト専用カメラルームが設けてあり、インターナショナルプラグ付のセッティングスペースを利用できる。カメラセンターでは水中カメラやストロボ、スヌート撮影機材などのレンタルを行うほか、カメラ講座も随時開催している。
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カメラセンターのレクチャールームでは撮影機材の使い方や水中写真の講座も開催している
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インターナショナルプラグ付のセッティングスペースが設けてあるカメラルーム
TOPICS
レンベの未来のためにリゾートとローカルが一致団結!
インドネシアでは食べ物はバナナの葉で包んで保存し、食べるときは葉を捨てて自然に返すという風習があった。時代は進化してバナナの葉はビニール袋に変わっていったが、「捨てる」という習わしだけは変わらず残ったため、深刻なゴミ問題へと発展してしまったのだ。そこで〈レンベリゾート〉は村の人々にリゾートで働いてもらい、従業員とその子供たちにプラスチック製品の扱い方などを教育する活動を行っている。毎週日曜日には子供たちがビーチクリーンアップをして、集めたゴミをリサイクルして、エコバッグや鉢植えを作ったりしている。〈レンベリゾート〉ではゲスト向けにエコ活動の説明会を開催しているほか、実際に村を訪問しエコ活動を見学するツアーも行っている。
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ビーチクリーニングをする子供たち。バケツがいっぱいになるまでゴミを集めていた
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子供たちがペットボトルをリサイクルして作ったアイデア満点のゴミ箱
思わぬ訪問者との出会い
ダイビングポイントへ移動している時のこと。ガイドが「イルカだ!」と叫んだのを聞いて慌てて海を確認すると、イルカよりはるかに大きい背ビレが見えた。カメラを手にしてファインダーをのぞくと、なんとそこにはクジラがいた。後で調べてみたら世界でも未知なるクジラとして有名な「ツノシマクジラ」に似ていることがわかった。
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ボートでダイビングポイントまで移動しているときに偶然出会ったクジラ。急いでドローンを取り出し撮影した
アフターダイビング情報
〈レンベリゾート〉では、体長10cmのサル・タルシウスなどの保護動物がくらす「タンココ国立公園」訪問、高原の街トモホンを巡る「ミナハサハイランドツアー」や港町ビトゥンの市場を探訪する「ローカルマーケットツアー」なども行っている。
スラウェシ島エリアマップ
アクセス方法
日本からインドネシア・ジャカルタまで約8時間。ジャカルタで1泊した後、翌日国内線に乗り継ぎ約3時間半でメナドへ。メナド空港から車で港があるビトゥンまで1時間半。港からリゾートまではボートに乗り、約10分で到着する。往路は深夜ジャカルタから日本へ移動。機中で1泊し、翌朝日本に到着する。
写真と文=関戸紀倫
構成=古閑沙希子
協力=Lembeh Resort、Critters