世界有数の透明度を誇るロタ、人気のダイビングポイント
ミクロネシア随一の透明度を誇り、多彩な地形が楽しめることから多くのダイバーが憧れるロタ島。
今回紹介する「ロタホール」のほかにも、白い砂地にそびえる沈船ポイント「松運丸」や水深70mの海底まで見通せるダイナミックな地形の「センハノンドロップオフ」、マクロ世界ひろがる「コーラルガーデン」とバリエーション豊かな景観を楽しめるのが魅力です。
「ロタホール」の見どころ、ベストシーズンや時間帯とは?
ロタの海で代表的なポイントと言えば、なんと言っても季節や時間ごとに光の変化を楽しめる「ロタホール」です。
ベストシーズンの4月~9月には、洞窟の真ん中に太陽光が差し込む美しい光景が広がり、11月~3月は北風が強く吹くものの、透明度がいちばんいい時期を迎えます。
「ロタホール」に光が入る瞬間はレア度が高い
朝日が昇りはじめると真っ暗な洞窟にちらちらゆれる光が入りはじめ、みるみるうちに1本の光の柱が誕生します。光は海況や天候に左右されますが、光が水中で形になる瞬間を見ることができる朝いちばんのご来光は、もっともレア度が高い感動のシーンです。
「ロタホール」の景色はたった30分で別の光景になります。水底まではおよそ18m、くしくもヨーロッパ建築の最高傑作であるパルテノン神殿の柱と同じくらいの高さの光は、真下から見上げるとまるで天使が降りてくるかのような神聖さを醸し出しています。
日中は光の滝が現れ、水底のハートにも注目
朝はまっすぐだったひと筋の光が、午後になると2本目の光のご来光が始まります。その光景はまさに「光の滝」です。
日が徐々にのぼるにつれて、まるでカーテンのような光に変化していく姿もまた格別。さらに光の当たる水底を見てみると、角度によってはハートの形に見える、このロマンチックなシーンも人気です。
光のカーテンを楽しもう
ひとたびその光のカーテンの中に入ると、光に優しく包み込まれているような気分にさせてもらえる、無になれる瞬間が味わえます。この瞬間は、ただ「今」を感じられるひとときです。
降り注ぐ光のカーテンの向こうには、外海の青が透けて見えます。ぜひ、ゆらゆらと光を浴びているリュウキュウハタンポと並んで光の中で溶けてみてください。
時期や太陽の位置により違う表情を見せる「ロタホール」
「ロタホール」は光の筋の状態がいつ見ても違うので、同じ光景は二度とないのです。
時期によって光の入り方が変わることはもちろん、太陽の位置によって光の強さと角度が変わりますし、水面の揺れ方によっても差し込む光の筋が影響を受け、変化します。
また、見る位置によっても光の見え方が変化することから、同じ場所だと感じさせないのも魅力のひとつです。時間をずらしたり日にちを変えたり、最低でも3回は行って欲しい場所です。
願い事をすると叶うというジンクスもありますので、ぜひ光の中でお願い事をしてみてくださいね。光から出たあとは幸福感にあふれた気分になること間違いなしなのが「ロタホール」の魅力です。
教えてくれたのは
ブルーパームス 行武 耕さん
●プロフィール
ガイド暦15年以上。オーストラリア、メキシコなど世界の海の経験を積み、現在はロタでガイドをしている。ビギナーから上級者まで楽しめるロタの魅力を細やかに紹介するガイディングには定評がある