マリン
ビギナーダイバー。昨年からトレーニングしているが、なかなか上達しない。口は一人前
ジョー
経験本数100本以上の中堅ダイバー。三味線の名手らしい
蝶々夫人
知識豊富なインストラクター。しかし、セレブ一家に育ったため、世間知らずなところがある
ダイビング前の不安を解消する特効薬
マリン:じつは私、いまだにエントリー前って、ワクワクする反面、水中で何かあったら……と思うと、ものすごくドキドキしちゃうの。
蝶々夫人:緊張するくらいのほうがいいのよ。安全潜水のためには、油断や過信は禁物だからね。
マ:そうは言っても……、緊張を解く薬ってないのかな?
蝶:いちばんの薬は、しっかりとブリーフィングを聞くことかしら。
マ:最大水深や潜水時間の確認に始まり、残圧がいくつになったら申告するのか、どんな地形でどんな潮の流れ方をしているのか、何が見られるのか、チェックしなきゃいけない項目が多くて大変! 逆に話を聞いていると、そのとおりにできるか緊張感が増しちゃうこともあるのです。
蝶:すべてを把握するのは最初のうちは無理かもしれないけど、 少なくとも「手順と安全」に関することは要チェックね。
ジョー:そうそう、水面で皆がそろってからいっせいに潜降するのか、各自で潜降してアンカーに集合するのか、はぐれたときにはどうするのかを確認しておくことは重要だよな。
蝶:ガイドは地形や潮の流れを把握して、ゲストダイバーのスキルを考えながら
潜降方法やコース取りを決めているからね。
以前潜ったことのあるポイントでも、同じように潜るとは限らないものよ。
マ:でも、そういうときって、つい「わかっているふり」をしちゃうのよね〜。初めてのポイントでも、周りがベテランや常連さんばかりの中で質問するのも、いかにも私ビギナーです!って感じで恥ずかしいし……。
ジ:おいおい、それは逆だぜ。「ビギナーだから、よくわかりません」と公言するのも手なんだ。それだけで、気持ちも楽になるからな。
蝶:前もって「緊張している」「耳が抜けにくい」「エアの消費が早い」などを申告しておくと、ガイドも気をつけてくれるから安心よ。
ジ:ダイビングは潜水中だけでなく、潜る前と後の時間も含めて、完結するんだよな。
マ:前はブリーフィングだけど、後って何?
ジ:デブリーフィングさ!
マ:ログ付けとは違うの?
蝶:ログ付けもデブリーフィングに含まれるけど、ログ付けに限らず、潜水データや見た生き物、スキルやマナーの反省点を確認したりすることね。
マ:予習と復習みたい。一歩ずつ確実に上達している実感が持てると、うれしいわね。