マリン
ビギナーダイバー。昨年からトレーニングしているが、なかなか上達しない。口は一人前
ジョー
経験本数100本以上の中堅ダイバー。三味線の名手らしい
蝶々夫人
知識豊富なインストラクター。しかし、セレブ一家に育ったため、世間知らずなところがある
春の大潮がもたらす神秘現象
幻の大陸、ついに現る!?
マリン:幻の大陸が、日本にもあるらしいわ!
ジョー:ムー大陸のことか?
マ:ちがーう。年に数回、潮がもっとも引く大潮の干潮時に現れるという巨大サンゴ礁よ! 見てみたいのよね〜。
蝶々夫人:宮古島の八重干瀬のことね。
ジ:やびじ?
蝶:以前は八重干瀬も「やえびせ」とか「やえびし」など、地域によって呼び方が異なったんだけど、数年前に「やびじ」に統一されたの。ダイビングポイントもあるわよ。
ジ:宮古島と言えば、「通り池」に代表される地形ポイントのイメージが強かったから、意外だぜ。宮古島のどの辺にあるの?
マ:宮古島に隣接する池間島の北5〜15kmくらいにあって、陸からは見えないんだけどね。なんと南北に約12km、東西に約8kmと広大で、日本最大級のリーフらしいわ。
蝶:干瀬っていうのは、干潮のときに干出する瀬のことで、そういった離礁が宮古島周辺にはいくつかあるんだけど、八重干瀬には大小100余り、それこそ八重のようにあるのよ。
マ:それが、春の大潮のときには、海面から1mほど顔を出すんですって! 見たいな〜。
蝶:毎年旧暦の3月3日前後、一年でも潮位の差が大きい大潮時に、「八重干瀬まつり」が開催されて、干潮に合わせて顔を出すサンゴ礁に上陸するツアーも出ているわ。今年は3月23〜25日の予定ね。
ジ:上陸、できるの?
蝶:もともと島の人々にとっては伝統的な行事「浜下り」がこの時期に行われるのだけど、上陸して貝や逃げ遅れた魚などを女性たちが採っていたのよ。
ジ:今では観光ツアーにもなっているってわけか。そういえば、TVでもそういう光景を見たことがあったような気がするな。
蝶:もちろん最近は、生き物の乱獲を防ぐための注意やサンゴ礁の生き物の解説なども行われていて、環境保全にも努めているけどね。
マ:でも陸から離れているだけに、人の手が加えられていないサンゴ礁が広がっているんだろうな〜。
ジ:沖縄に残された、貴重なサンゴの楽園なんだなぁ。ダイビングはいつがオススメ?
蝶:八重干瀬のダイビングポイントは、島陰がまったくない所でしょ。だから、風がおさまる夏場じゃないと、なかなか行けないわね。
マ:ますます行きたくなってきた〜。今年は、ぜひチャレンジしたいわ!