マリン
ビギナーダイバー。昨年からトレーニングしているが、なかなか上達しない。口は一人前
ジョー
経験本数100本以上の中堅ダイバー。三味線の名手らしい
蝶々夫人
知識豊富なインストラクター。しかし、セレブ一家に育ったため、世間知らずなところがある
慣れた頃こそ、危険シグナル
リングは小さくても侮るな
マリン:うわっ! 水が入ってる!?
ジョー:あらら、見事な水没でんな。
マ:ショック〜! でもちゃんと保険に入っているから大丈夫よ。
ジ:それ、一年以上前に購入していない?
マ:それがなにか?
ジ:ほら、ここ見て。
マ:ん? Oリング?
ジ:そう、防水のためのパッキン。これが見事に劣化しているぞ。
マ:あ! よく見たら、ひびが入っている。
ジ:Oリングは時間とともに劣化するゴムやシリコンで出来てるから、使用頻度に関係なく年に1回は自分で交換したほうがいいんだ。
蝶々夫人:年に一度のレギュレーターのオーバーホールでも、内部に使われているOリングは交換するのよ。
ジ:残念ながら、こうしたOリングの自然劣化による水没は保険の対象外なんだぜ。
マ:ガ〜〜ン!! 溝のゴミもきれいに取り除いてOリングもグリスアップしたのにぃ。Oリング自体が劣化していたとは……。今日に限って、水没チェックもしなかったのよ〜。
蝶:トラブルは、慣れてきた頃に発生するものだからね。
ジ:Oリングは小さいけど、レギュや残圧計にも使われてて、水の浸入を防ぐ重要な役割を持つんだ。侮れない存在だぜ。
マ:水中でよく高圧ホースと残圧計の連結部からプクプクとエアが漏れていたりするけれど、あれもOリングの劣化が原因かしら?
ジ:そうそう、通常のレギュレーターのオーバーホールでは、高圧ホースと残圧計の連結部のOリング交換は含まれていないから、ほうっておく人も多いんだけど、劣化が進むと残圧計が水没して破損することもあるんだ。もしそうなるとダイビングはできないし、残圧計は基本的に修理不能だから交換することになり 高くつくんだよな。
蝶:最近はオーバーホール専門業者でも残圧計の連結部のOリング交換を含んだ価格設定をしているところがあるから、年に一度のオーバーホールのときにうまく利用してメンテナンスしておくと安心よ。
ジ:器材への依存度が高いレジャーだけに、事故の予防は肝心だよな。
マ:ちょうどオーバーホールの時期だから、今年はレギュレーターとオクトパスだけでなく残圧計の連結部のOリング交換もお願いしようっと。本格シーズン前にばっちり態勢を整えておかなくっちゃ!