DIVERオリジナルカレンダー2024 撮影エピソードを公開!

DIVERオリジナルカレンダー2024は、第一線で活躍中の水中写真家9人の作品が月替わりで楽しめる13枚つづりの壁かけ仕様です。それぞれの写真はどこでどんな機材を使用して撮影されたのでしょうか。一部では撮影エピソードもご紹介します!

表紙<セノーテ> 写真:清水 淳 さん

セノーテ・マラビージャで撮影。入口は狭いが水底は広いので、水面から矢のように差し込む光束と黒落ちして広がる水底部分が創るグラデーションをどのように美しく仕上げようか?などと、あれこれ考えながら水深26mまで降りた。

混合ガスEANx32を充填した11.5Lシリンダーを2本サイドマウントシステムで装備しているので、たっぷりと撮影時間はある。モデルさんの位置も決まり、希望する位置でカメラを構えてレリーズを切った時に身震いした。涙が出そうなくらいに感動した瞬間だった。

▶︎撮影地: Maravilla/Puerto Morelos/ MEXICO
・水深:25m
・使用機材:OM SYSTEM OM-1、AOI-UH-OM1
・撮影協力:イグアナダイバーズ

Jun Shimizu
長年、カメラメーカーの水中撮影機材の研究開発にも携わり、OLYMPUSの水中モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーを務める。水中撮影機材メーカーのアドバイザーやテスト撮影も数多くこなす。水中や海辺の風景の撮影・執筆活動を行ないながら、沖縄県那覇市で水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。
清水 淳 公式Webサイト

 

1月<アナハゼの仲間の卵> 写真:中村卓哉 さん

伊豆大島の秋の浜では、安全停止を行う浅い水深も被写体の宝庫だ。

ホヤの一種の中を覗き込むと、アナハゼ属の卵があった。ハッチアウト間近なのか、はっきりと魚の形や目も確認できる。うねりの中、体を固定して1cmほどの小さな穴の奥にライト回すのに苦労した。

ホヤの周囲をブルーのフィルターで色付けして、鮮やかなイメージになるように演出している。

▶︎撮影地:伊豆大島・秋の浜
・水深:3m
・使用機材:Nikon Z9、Nauticam NA Z9、105mm+NA SMC-1
・撮影協力:伊豆大島ダイビングサービス 海侍

Takuya Nakamura  
水中写真家。10歳の時に沖縄・慶良間諸島でダイビングと出会い海中世界の虜となる。海中世界の命のドラマをテーマにコラムなどの執筆や講演、カメラメーカーのアドバイザーなども行う。テレビやラジオ、イベントへの出演を通じて、沖縄の海をはじめとする環境問題について言及する機会も多い。ライフワークの「辺野古の海」へは20年以上通い続けている。
中村卓哉 公式Webサイト

 

2月<ザトウクジラの親子> 写真:上出俊作さん

一頭のザトウクジラが、水面にプカプカ浮かんでいた。休憩していたのか、あるいはなにか他の理由があったのか、実際のところはクジラに聞いてみないとわからない。

でもそれは間違いなく、奇跡のような瞬間だった。クジラの向こう側に、船長が静かに船を回した。僕たちをここまで連れてきてくれたみんなへの感謝を込めて、シャッターを切った。

▶︎撮影地:沖縄本島
・水深:2m
・使用機材:Nikon D850、NA D850、28mm +NA WACP-1
・撮影協力:マリーンプロダクト

Shunsaku Kamide
東京生まれ。脱サラし2014年より沖縄本島に拠点を移して活動中。「水中の日常を切り取る」というテーマで、沖縄を中心に日本各地の海を撮影。開催するフォトセミナーは理論的でわかりやすいと人気が高い。
上出俊作 公式Webサイト

 

3月<満開> 写真:むらいさちさん

毎年夏になるとこの小呂島に行くのがとても楽しみです。ここはほとんど人が入っていない場所。驚くほど大きなソフトコーラルの森があり、その周辺にはハナダイやネンブツダイなどのの魚が住み着き、周辺にはイサキの大きな群れが行ったり来たり。1日3本でも同じ場所に入りたいくらい好きなポイントです。

▶︎撮影地:福岡県福岡市・玄界灘小呂島
・水深:25m
・使用機材:OM SYSTEM OM-1、AOI-UH-OM1、AOI-UCS-Q1-RC
・撮影協力:Wonder Sea Explorer

Sachi Murai
東京生まれ、埼玉育ち。沖縄に移住しダイビングガイドとして活動した後、地元に戻り写真の勉強をスタート。ダイビング雑誌の出版社勤務を経て独立。 水中からお花やオーロラまで地球全体をフィールドに、独特の感性と色彩で作品を撮り続けている。ふんわりした作風で「ゆるふわ写真家」を名乗る。
むらいさち 公式Webサイト

 

4月<ギンガメアジ> 写真:古見きゅうさん

あまり動き回らないギンガメアジの大群と遭遇し撮影をしていると、メラネシアン・アンティアスが群れる小ぶりなサンゴをギンガメアジが飲み込んだ。ありそうであまりないシチュエーションに、夢中になって撮影し続けた。

▶︎撮影地:フィリピン・バリカサグ島
・水深:14m
・使用機材:Canon 5D MarkⅣ、NA 5DMKIV 、17-40mm

Kyu Furumi 
和歌山県串本でダイビングガイドとして活動したのち、写真家として独立。現在は東京を拠点に撮影活動を続けている。2016年に撮影プロダクション And Nine 株式会社を設立。近年はミラーレス一眼カメラによる動画の撮影にも力を入れている。
古見きゅう公式Youtubeチャンネル

 

5月<砕ける波> 写真:堀口和重さん

八丈島の沖で撮影したカメラマンと砕ける波。時より波は岩にぶつかり大きく砕ける。

カメラマンはそれをいち早く察知して、危険を顧みずギリギリのポジションで撮影をしていた。私もその勇敢な姿と砕けた巨大な波の決定的瞬間を撮影することができた。

▶︎撮影地:八丈島沖
・水深:10m
・使用機材:Nikon  D810、NA D800、8-15mm
・撮影協力:八丈島ダイビングショップ・アラベスク

Kazushige Horiguchi
屋久島・西伊豆大瀬崎にて、ダイビングガイドとして活動後、2018年に水中カメラマンとして独立。東京を拠点に国内各地を撮影で巡っている。夜の海、浮遊系生物、イカ・タコなどのほか、生態シーンの撮影も得意ジャンル。photographer-holly.amebaownd.com

 

6月<コブシメ>  写真:高久至さん

屋久島はコブシメ産卵地の北限で、かつ日本有数の場所。年によって多少の変動はあるが、繁殖期は5月を挟んだ3か月くらいの間がピーク。1年のうちでも数日間ではあるが、多いときには30個体くらいの大産卵を見ることができる。

写真はオス同士が喧嘩をしているところ。エンペラの縁がしましまなのがオスの特徴で、メスは水玉模様になる。

▶︎撮影地:屋久島
・水深:18m
・使用機材:NikonD810、anthisD810

Itaru Takaku
神奈川県生まれ。大学卒業後、1年間海外を放浪。帰国後3年間、西伊豆・大瀬崎でダイビングインストラクターと活動後、2009年に屋久島へ移住。〈屋久島ダイビングライフ〉を設立し、水中ガイドをしながら水中写真家として撮影を続けている。
高久至 公式Webサイト

 

7月<サンゴ礁> 写真:上出俊作さん

エントリーした瞬間、激流に体を持っていかれそうになった。のんびり潜れるポイントだと思っていたので、意表をつかれる。だが、もしかすると、この流れのおかげでここのサンゴたちはまだ元気なのかもしれない。

2022年夏、八重山諸島では高水温が続いたことにより、サンゴの白化が深刻化していた。隣のポイントのサンゴは真っ白だった。そこにはまさに生死の境目があり、運命の綾のようなものを感じた。

▶︎撮影地:沖縄県・西表島
・水深:3m
・使用機材:Nikon D850、 NA D850
・撮影協力:トネリコ

 

8月<スピナードルフィン> 写真:越智隆治さん

5000頭を超えるスピナードルフィンの群れ。後にはキハダマグロの群れが付き従っていた。

▶︎撮影地:コスタリカ

Takaji Ochi
慶應義塾大学卒業後、産経新聞写真報道局に在籍。1998年に水中写真家として独立、海洋哺乳類や大型魚類の撮影を中心を世界の海で活動を行う。イルカ・クジラの撮影では、特に高い評価を得ている。
越智隆治 公式Webサイト

 

9月<慶良間の海> 写真:鍵井靖章さん

箱庭的な美しさを持つ慶良間諸島の海中世界。普通に眺めているだけでも十分に幸せな気持ちになるけれど、少し角度を変えて、魚やサンゴの色彩を欲張ってみると、より癒しの空間となる。

また、潜る時間帯、光の角度や強弱で、全然違う景色にもなる。ゆっくり潜って自分だけの特別な景色を探すことができる慶良間の海は、わたしたちの宝だ。

▶︎撮影地:沖縄県・慶良間諸島・阿嘉島
・水深:8m
・使用機材:CanonR5、MDX-R5

Yasuaki Kagii
兵庫県生まれ。オーストラリア、伊豆、モルディブでダイビングガイドを行うかたわらに水中撮影に励み、1998年帰国、フリーランスフォトグラファーとして独立。世界中の海で撮影活動を続け、各地で写真展を開催、講演会やコラボグッズの製作など精力的に活動。写真集の出版も多数。
鍵井靖章 公式Webサイト

 

10月<アカイカ>  写真:堀口和重さん

夜の大瀬崎。ライトの光に寄ってきたアカイカの仲間を撮影した。

イカは目の感度が優れているので、弱い光でも寄ってくることがある。またアカイカは興奮したり、驚いたりすると色素胞が広がり、体色が美しい。

今回の写真は後ろからストロボの光を当てることによって、幻想的な作品に仕上がった。

▶︎撮影地:大瀬崎
・水深:2m
・使用機材:Nikon  D800E、60mm、NA D800ハウジング、
・撮影協力:大瀬館マリンサービス

 

11月<ドルフィンスイム> 写真:越智隆治さん

好奇心いっぱいで、ダイバーに向かって泳いでくる、2組の親子イルカ。

▶︎撮影地:御蔵島

 

12月<クリオネ> 写真:茂野優太さん

冬のオホーツク海は海一面を覆うほどの流氷が到来する。そんな流氷が溶け始める3月は、水中から久しぶりに空を見上げることができる。まるで空に羽ばたくようにクリオネが泳いでいた。

1か月以上知床に滞在して撮影に励んだからこそ、新たな視点でクリオネを撮影することができた。

▶︎撮影地:知床半島羅臼
・水深:4m
・使用機材:Nikon z7ⅱ 、NA Z7、NA WACP-1

Yuta Sgigeno
水中写真から映像、ライター、ガイドまで、手法を問わず海の魅力を伝えるUnderwater Creator。伊豆に移住後も、軽いフットワークで伊豆はもちろん国内各地や沖縄を中心に撮影活動を展開し情報を発信、若手カメラマンとして注目を集めている。
茂野優太 公式Webサイト

 

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Wati

DIVER ONLINE 編集部

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