DIVERオリジナルカレンダー2023 撮影エピソードを公開!

DIVERオリジナルカレンダー2023は、第一線で活躍中の水中写真家7人の作品が毎月楽しめる13枚綴の壁かけ式です。それぞれの写真はどこでどんなふうに撮影されたのでしょうか。撮影エピソードを紹介します。 

1月 流氷の海 写真:むらいさち さん

▶︎撮影地:北海道・知床半島沖縄ではカラフルなお魚が泳いでいるとき、北海道ではロシアから流れてきた流氷が接岸し、真っ白な世界を作り上げる。

水温はマイナス1度。もちろん寒い。でもそれ以上にこの美しい景色に魅了され時を忘れる。こんな体験ができる日本に産まれてよかったと改めて思った。ダイバーならぜひ一度は経験してほしいダイビングだ。

Sachi Murai   沖縄に移住しダイビングガイドとして活動した後、地元に戻り写真の勉強をスタート。ダイビング雑誌の出版社勤務を経て独立。 水中からお花やオーロラまで地球全体をフィールドに、独特の感性と色彩で作品を撮り続けている。ふんわりした作風に女性ファンも多い。muraisachi.com

 

2月 ザトウクジラ 写真:上出俊作さん

▶︎撮影地:鹿児島県・奄美大島

一頭のザトウクジラが、水面にプカプカ浮かんでいました。休憩していたのか、あるいは何か他の理由があったのか、実際のところはクジラに聞いてみないとわかりません。

でもそれは間違いなく、奇跡のような瞬間でした。クジラの向こう側に、船長が静かに船を回しました。僕たちをここまで連れてきてくれた皆への感謝を込めて、シャッターを切りました。

Shunsaku Kamide東京生まれ。脱サラし2014年より沖縄本島に拠点を移して活動中。「水中の日常を切り取る」というテーマで、沖縄を中心に日本各地の海を撮影。開催するフォトセミナーは理論的でわかりやすいと人気が高い。2022年は、東京と大阪で初の写真展を開催した。uw-photography.net

 

3月 イロカエルアンコウ 写真:上出俊作さん

▶︎撮影地:沖縄県・石垣島

石垣島には、冬になるとカエルアンコウが集まってくる秘密の場所があります。黒や茶色、赤色など、さまざまな個体がいますが、オレンジはとりわけ人気です。

真っ白な砂地に生い茂るウミヒルモの間を、のそのそと歩いていきます。しばらく撮影していると、葉っぱに両手をついて飛んでいるようなポーズを取りました。その微笑ましい光景をただ眺めていたい気もしましたが、今だ! と思い直し、慌ててシャッターを切りました

 

4月 サザナミフグ  写真:古見きゅう さん

▶︎撮影地:沖縄県・水納島

ちいさなクマノミやちいさなミツボシクロスズメダイが共生する小ぶりなイソギンチャクの側に大きなサザナミフグが寄り添っていた。

おそらくエビからクリーニングを受けているのだろうが、今にも眠りに落ちそうな脱力した恍惚の表情がなんともいいが、その周りを泳ぎ回る小さなスズメダイたちが「遊ぼう遊ぼう!」と親にねだる子供のように見えてならない。

Kyu Furumi  和歌山県串本でダイビングガイドとして活動したのち、写真家として独立。現在は東京を拠点に撮影活動を続けている。2016年に撮影プロダクション And Nine 株式会社を設立。近年はミラーレス一眼カメラによる動画の撮影にも力を入れている。youtube.com/channel/

 

5月 デバスズメダイたち 写真:鍵井靖章 さん

▶︎撮影地:沖縄県・阿嘉島

コロナ禍以降に、最も通ったのが慶良間諸島の阿嘉島だ。大人気の北浜には、真っ白な砂地にサンゴが点在し、無数のデバスズメダイが群れている。

太陽の位置や天候、そして潮流の方向、流れの強弱によって、デバスズメダイの群れ方が変わり、何度潜っても飽きることがない。日本の箱庭的美しさも兼ね備え、日常のストレスを忘れさせてくれる極上の癒しの空間でもある。

Yasuaki kagii 兵庫県生まれ。オーストラリア、伊豆、モルディブでダイビングガイドを行うかたわらに水中撮影に励み、1998年帰国、フリーランスフォトグラファーとして独立。世界中の海で撮影活動を続け、各地で写真展を開催、講演会やコラボグッズの製作など精力的に活動。写真集の出版も多数。kagii.jp

 

6月 イルカ   写真:越智隆治さん

▶︎撮影地:バハマ

アメリカ・フロリダ半島の南東に浮かぶ島国バハマ。ここのドルフィンサイトで出会えるタイセイヨウマダライルカは、世界でも有数のフレンドリーなイルカたちだ。

Takaji Ochi   慶應義塾大学卒業後、産経新聞写真報道局に在籍。1998年に水中写真家として独立、海洋哺乳類や大型魚類の撮影を中心を世界の海で活動を行う。イルカ・クジラの撮影では、特に高い評価を得ている。takaji-ochi.com

 

7月 マンタ 写真:堀口和重さん

▶︎撮影地:沖縄県 八重山諸島

八重山諸島ではたくさんのナンヨウマンタが水面付近に現れる時期があります。理由の1つがマンタの好物のプランクトンが冬場に大量に沿岸へ寄ってくること。10日間ぐらい滞在していたのですが、この写真を撮った日が特にマンタが多く見られ迫力がありました。ただ残念ながら、軽石も大量に流れて来たのでプランクトンと一緒に飲み込んでいる姿も見られたのです。

Kazushige Horiguchi   屋久島・西伊豆大瀬崎にて、ダイビングガイドとして活動後、2018年に水中カメラマンとして独立。東京を拠点に国内各地を撮影で巡っている。夜の海、浮遊系生物、イカ・タコなどのほか、生態シーンの撮影も得意ジャンル。photographer-holly.amebaownd.com

 

8月 モブラ 写真:越智隆治さん

▶︎撮影地:メキシコ

メキシコ・コルテス海・ラパス。バハカリフォルニア半島南部は、世界最大のモブラの繁殖地と考えられている。

 

9月 ソフトコーラルの風景 写真:鍵井靖章さん

▶︎撮影地:三重県・尾鷲

日々発信される水中写真のSNSの中でも、ひときわ異色の華やかさを誇っていた尾鷲の漁礁。いつか訪れたいと願っていると、そのチャンスに恵まれた。

想像よりも漁礁は少し大きく、びっしりと群生したソフトコーラルやイソバナやヤギは、本当に色彩豊かで、色に溢れていた。もちろん漁礁の中にはお魚も棲んでいる。今度はどんな風に生き物たちを絡めて撮影できるのか? 楽しみで仕方がない。

 

10月 サクラダイ 写真:茂野優太さん

▶︎撮影地:静岡県・田子

田子の秋の風物詩といってもいいサクラダイのオスの群れ。産卵のために深場から上がってきてある場所に群れるのだ。
実は僕がまだ写真家になる前から、この光景をいつかDIVERのカレンダーの秋の写真にしたい。そう現地のガイドと話しながら何度も通っていた。また1つ目標が叶った瞬間でした。

Yuta Sgigeno 水中写真から映像、ライター、ガイドまで、手法を問わず海の魅力を伝えるUnderwater Creator。伊豆に移住後も、軽いフットワークで伊豆はもちろん国内各地や沖縄を中心に撮影活動を展開し情報を発信、若手カメラマンとして注目を集めている。shigenoyuta.com

 

11月 タコクラゲ 写真:越智隆治さん

▶︎撮影地:鹿児島県・錦江湾

夕焼けに染まる桜島をバックに、夏の時期長水路に繁殖するタコクラゲを撮影した。

 

12月 バショウカジキ 写真:越智隆治さん

▶︎撮影地:メキシコ

冬の時期、メキシコ・ユカタン半島沖、ムへーレス島の近海にはイワシの大群が集まってくる。それを狙って、バショウカジキが集団で狩りをする。

 

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●雑誌DIVER むらいさちさんインタビュー記事
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(文=渡井久美)

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Wati

DIVER ONLINE 編集部

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