1月6日から、中村征夫写真展『極夜 地球最北の村シオラパルクへ1977』が、東京四谷のポートレートギャラリーで開かれている。
中村さんといえば水中撮影の第一人者だが、一方でドキュメンタリーの分野でも高い評価を受けてきた。
今回の写真展は、今から40年前の1977年、1日じゅう陽が昇ることのない極夜に北極圏の村を訪ね1か月間かけて撮影した作品群によるもの。当時、新聞社の特派カメラマンとして現地に赴き、到着3日目に片目に大怪我を負うアクシデントに見舞われながら、冷徹な自然とそこに根を下ろして生きる人々に密着したドキュメントを撮り切った中村さん。想像を超える過酷な状況下で撮影した写真だったが、現像したフィルムは原因不明の定着むらを起こしており、その多くが日の目を見ることはなかった。それが、今回、現在のデジタル技術・修復のテクニックによって見事に蘇ったのだ。
入り口に用意された「展示作品の解説」を手に会場を回れば、さらに深く取材当時の状況や、これらの作品群が現代によみがえったことの貴重さを知ることができるはずだ。
会期中の1月13日(土)、14日(日)は、午後2時より会場にて中村さんのギャラリートークが行われる。撮影の苦労、中村さんが見た当時のエスキモーの暮らしぶりが語られることだろう。また、写真展に合わせて、上梓された同名の写真集『極夜』も会場内で販売されている。
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