Vol.05 標準ズームレンズで 撮影してみよう! むらいさちの「ゆるフォト講座」
今月のさち・わーるど チビイロカエルアンコウ君です。 標準レンズならではの、 環境も入れた撮影もおもしろいですよ♪ 取材先でカメラの充電器を忘れ凹んでいたら、たまたま居合わせた方が同じカメラを持っていて救われた、人生綱渡りのむらいさちです(汗)。 さて、前回は3本のレンズを使ってそれぞれどのように写るのかをお見せしましたが、今回からはもう一歩踏み込んで、それぞれのレンズの特徴と、どんな被写体を写せばいいのかをレクチャーしていこうと思います。 一眼カメラの最大の特徴はレンズを変えられること。 潜るポイントやシーンに合わせてレンズを使い分けることができます。標準ズームレンズとは、レンズキットセットとして最初に付いてくるレンズのことです。「レンズキットのレンズなんて……」と思われがちですが、じつはこのレンズが水中ではいちばん使いやすいと思います。ある程度のワイドからマクロまで幅広く対応してくれます。 では、実際このレンズではどのような写真が撮れるのか、作例をお見せしながら進めていきましょう! 今月もゆるフォトスタートです! ミラミラ〜☆
01 寄ったり引いたりバリエーションを
このレンズはズームをかけることができます。レンズが変えられない水中では、寄ったり引いたりできるズームレンズは重宝します。実際どのような写真が撮れるのか、沖縄で出会ったトウアカクマノミ君で見てみましょう。
まずは挨拶代わりに遠目から広角側で撮影。真っ白な砂地にポツンとあるイソギンチャクに住んでいるのを伝えるためのカット。周りがごちゃごちゃしていると使えない構図ですが、これだけ砂地が広がっていると、気持ちがいいですよね~
ズームレンズで寄ってみました。これは彼らがどんなイソギンチャクに住んでいるのか、家族構成などを見せれたらな~と思って撮影した1枚。あまりイソギンチャクから離れるタイプではないので、じっと待っていいバランスにトウアカ君が収まるのを待ちました。
よく見ると、卵があるのを発見!親トウアカが一生懸命育てている姿が愛おしく、そこだけにズームをかけて撮影。シャッター半押しで卵にピントを合わせておき、そこにトウアカが来るのをじっと待ちました。
02 群れを写してみる
標準ズームレンズの広角側は、「とても広い」というわけではないので、大きな魚の群れの撮影は難しいかもしれませんが、小規模な群れならば逆に力を発揮してくれます。アカヒメジの群れがいたので、撮影してみました。
~っとしていそうで、意外に神経質なアカヒメジ君。これは広角側で写していますが、これ以上距離を詰めると群れが散らばってしまいました。でも、ここからがズームレンズのいいところ♪
この場所からズームをかけて撮影。よぶんな余白をカット。見せたい魚の部分だけを切り取りました。背景がちょっとうるさかったので、これだけシンプルに魚だけ見ることができますよね。
しばらく待っていると、魚もリラックスしたのか、正面を向いたりして気持ちよさそうに泳いでいました。意外に群れの正面顔ってトルの難しいですからね。おもしろい1枚が写せました。
03 いろいろなシチュエーションで
では最後に、ちょっと作例風に標準ズームレンズで写したものをお見せしながら解説していきましょう。レンズキットとして付いて来るレンズでも十分素敵な写真が撮れることが伝わればうれしいです!
気持ちいいよさそうに泳ぐクマノミちゃんを撮影。これ以上近くによると、警戒してイソギンチャクに隠れて出てこなくなってしまいました。そのため、少し下がって、ズームをかけて撮影しました。もちろん水の層があるのでなるべく近くで撮影するというのは忘れないでくださいね。
子供のフリソデエビを発見!!が、持っていたのはマクロレンズではなく、この標準ズームレンズ。そこで考えを変えて、彼が乗っているヒトデを入れて、どんな環境に生活しているのかを見せながらの撮影にしました。こんなときは、背景の入れ方には注意が必要ですよね。なるべくシンプルに。
青い海を気持ちよさそうに泳ぐキンギョハナダイ君。当然近くに寄ると逃げてしまうので、少し離れたところからズームをかけて撮影。ある程度構図を決めておいて、あとはそこに「いい位置で入って~」と祈るだけ(笑)。ズームレンズはやっぱり便利ですね♪
使ったのはOLYMPUS社のこのカメラ♪
OLUMPUS PEN Lite E-PL5
標準ズーム14-42mm f3.5-5.6
今月のまとめ
今回は、カメラのレンズキットセットを買うと、最初に付いて来る標準ズームレンズを使って撮影しました。どのメーカーでもだいたい同じような画角のレンズが付いてきます。これはスタートレンズなので、軽視されがちですが、水中では取り回しのいいレンズなので重宝します。あと程度大きなものから、マクロ撮影までカバーしてくれます。まず、最初に買うのならばこのレンズがいいと思います。どんな被写体がこのレンズに向いているかをある程度把握してみるといいですね。ぜひいろいろチャレンジしてみてください。次回は広角ズームレンズの活用法を紹介します。
コラムニスト
むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。6年目にして「ミラーレス編」へ。スタンスは変わらず「ゆるく楽しくミラーレス!」。
>>Official webサイト:muraisachi.com