コラムニスト:堀口和重
vol.24 貝殻を背負うタコ!? アオイガイ!
タコなのに貝殻を背負ってる不思議なヤツをご存知でしょうか? 名前はアオイガイ。貝なのかタコなのかわからなくなってしまいそうな変わったタコ、です。
アオイガイの殻は自前。ヤドカリは自分の体に合う貝を探してそれに入りますが、アオイガイはなんと貝を自分で作っているのです。しかも、作った貝殻に何かの弾みで穴が開いてしまったら、それを自分で治せるというのですから、便利ですねぇ。
この写真は2013年に大瀬崎に登場したアオイガイ。この年は12月ごろ、たくさんのアオイガイが湾内で確認されました。浜でもアオイガイの貝殻がいくつも落ちていました。
同時期に現れたオスだと思われる個体です。日中見たことがないタコだったので専門家に見てもらったところ、おそらくアオイガイだろうということでした。
ちなみに、貝殻を作れるのはメスのみで、オスは貝殻を作らずで最大でも5cm程度。メスは貝殻を持ち、なんと25㎝の個体も確認されているそうです。
日中見られたアオイガイのオス
こちらは2015年に現れた個体。外洋の潮が入ると駿河湾の湾内まで流れてくるようです。去年の春にも一度、確認されているので、3年連続になります。なんとなく、今年も期待できそうですね。
コラムニスト
堀口 和重(ほりぐち・かずしげ)さん
西伊豆大瀬崎の<大瀬館マリンサービス>でガイドとして勤務。好きな生物は、クラゲ類・幼生類・ホタルイカモドキの仲間などの浮遊系。水中写真家・阿部秀樹氏のライトトラップに影響を受け、3年前よりナイトダイビングが可能な日は撮影&ガイドを行っている。1986年生まれ。