ダイビングガイドのumiさんって、どんな人?
チュークで潜ったことがきっかけでダイビングの楽しさを知り、以降毎週伊豆に通う。3度目のチューク来島時にスタッフとしての誘いを受けて移住。休日はリール片手に船内の暗闇を突き進む!
TREASURES
(https://www.treasures-chuukdive.com/)
ーーすぐにレックダイビングの魅力に目覚めたのですか?
私が初めてチュークを訪れたのはブランク4年、本数10本の所謂「Cカード取得しただけダイバー」でした。ですのでチュークで潜った時に、当然ながら沈船で全く中性浮力が取れず悔しい思いをしました。「上手くなって一年後リベンジしてやろう」と思ったのがきっかけです。ですのでレックダイビングに目覚めたというよりも、ダイビングそのものに目覚めたきっかけがチュークだったということです。最初は魚も写真も興味がなく(後にそれらの面白さは知りましたが)、最初はとにかく中性浮力をマスターしていくことが楽しかったです。
01.チュークを知ったきっかけは?
友人にダイビング旅行に誘われて、何も知らずについて行った先がチュークでした。
02.チュークとのかかわりはどのくらい?
初めて来たのが9年前で、移住して6年目です。
03.チュークの人たちはどんな国民性だと思いますか?
チュークのメインの島は空港やホテルのあるウェノ島ですが、この島と同じくらいの大きさの島がいくつもあり、それぞれにたくさんの人たちが住んでいます。電気や電話があるのはウェノ島だけなのですが、そのウェノ島の人たちでさえもほとんどが時計を持たないのんびりとした生活を送っています。時計がないので雨が降ると時間がわからず(太陽でおおよその時間を計っているため)、遅刻したり来なかったりします(笑)。
人々はシャイですがお喋りが好きで、感情豊かです。カメラを持っていると「シャシン、シャシン」と声を掛けてくるので、撮って見せてあげるととても喜びます。あとちょっとしたチューク語を口にするとすごく盛り上がりますよ!
島の子供たちです。ニワトリを持っていますが、これは日常風景です
ーー使えるチューク語を教えて!
鉄板は”ありがとうございます”の意味の「きりっ(→)しょう(→)ちゃー(→)ぷー(→)る(↓)」(”ありがとう”の「キリッショー」でもOK)これを言うと、大抵「お~、あなたはチューク語知ってるのね!」と言われますので、そこで「いえす、ちちばんど!」と言えばドカンとウケます(笑)。日本語はかなり現地語として残っていて、例えばカメラを構えて「写真、写真」と言うとポーズを取ってくれます。シャシンはそのままチューク語になっています。他にも「最後」「先生」「よーいどん!」などたくさんの日本語由来のチューク語があるので、探してみるとおもしろいです。
04.チュークのグルメ情報を教えてください。
チュークのローカルフードはタロイモ、バナナやパンの実などがありますが、食べて美味しいのは各々がオリジナルのタレに漬け込んで焼くBBQ!お祝いの時にはブタの丸焼きが追加されます。
収納ケースに入って出てくることもあります(笑)細かいことは気にしないチューク人スタイルです。見た目はアレですが、非常に美味しいです
チキン・スペアリブ・ソーセージのBBQです。香ばしい匂いが食欲をそそります
05.チュークで感動したことは?
いつもは(簡単なのに)2週間かかってしまう役所手続きが2日で終わった (チューク人もやればできるじゃん!)、「後で電話するわ~」と言われたのちに本当にかかってきた(チューク人もやればできるじゃん!)、あと星がキレイ。
06.チュークの「やっぱりこんなところがいいとこだな」と改めて感じることは?
青い海と空に緑の木々が茂る島は日常で見ている景色ですが、6年経って見ても毎日美しく、「あ~いいところだなぁ」と感じています。
07.チュークで正直ムムム……と思ってしまうことは?
チューク人の責任感のなさと不真面目さ故に、何をするにも時間がかかるので、そこはどうにかしてほしいなぁ……
08.チュークはどんな人にぜひオススメしたい場所ですか?
ダイビングにアドベンチャーを求めているかた。日本の忙しさから離れて、とにかく陸ではのんびりしたい!というかた。
また、6月からTREASURESで、フォノム島ステイの予約受付がスタート! 無人島に宿泊しながらのダイビング。ホテル泊とはまた違った魅力のある旅になるのではないかと思います。フォノム島の宿泊と、島ステイをベースとしたダイビングのご予約を受け付けています。
09.チュークに行ったらぜひここは見て欲しい&体験して欲しいというところは?
世界有数の沈船ポイントを見て欲しいです。船体に棲む魚を見たり、船の通路を通り抜けたり、船内を探索したり、他ではできないダイビングを体験していただきたいです。沈船のイメージが変わると思いますよ!
(写真左)平安丸の通路(写真右)乾祥丸のマスト
10.今ご自身でチュークでやってみたいと思っていることは何ですか?
私たちが自信をもっておすすめできるのは沈船なので、ゆくゆくはレック専門ショップにできたらと思っています。そのために今は、未だに潜るたびに新たな発見のある沈船をもっと潜り込みたいです。そして船内の奥の奥をゲストに紹介したい!(それなりの資格、器材、技術を持つ方のみですが…)
(写真左上)桑港丸・戦車(写真右上)平安丸・船内に残された本(写真左下)富士川丸・大砲(写真右下)富士川丸・九六式艦船と零戦
ーー受け入れるダイバーの経験本数や資格などに制限を設けていますか?
設けていません。上級者でないと行けないポイントはありはしますが、初心者のかたでも潜ることのできる沈船はたくさんあります。もし専門店になることがあっても、制限を設けるつもりはありません。どのレベルのかたにも魅力を感じていただける船がありますし、それを紹介できるガイドスキルを日々磨いていきたいです。
ーー最近とくにumiさんたちが懸念されていることがあるそうですが……
はい、アウトリーフに関する情報がwebで誇大に拡散されていると感じています。
webを見ているとチュークのアウトリーフに関して、マンタ、ジンベエザメ、ギンガメ、バラクーダ、ブルーマーリンなどなど、透明な海で大物生物に遭遇できるかのように書かれています。また、ヘルフリッチやアケボノハゼがとても浅い深度で見ることができると書かれているサイトも見ました。私たちも安全停止中に見たことはありますが、その深度で定着することはなく、すぐにいなくなってしまいます。
実際アウトリーフの主要生物はハナダイやハゼなどのマクロ生物で、大物は出ればラッキーという程度です。バラクーダやツムブリは比較的登場回数は多いですが4割程度です。高確率かなと言えるのはナポレオンでしょうか。
お客様の「期待外れだった」「この海だったらチュークじゃなくても見れるね」という声を聞くとやはりショックです。なので外洋を希望されるかたには事前に上記の内容を説明し、それでも潜りたいというかたのみ潜っていただいています。