アンボイナガイのラッパ 伊豆の生物 Vol.2

獲物を狙うとき、口をラッパのように大きく広げる。ラッパ口はパラボナアンテナのような形で、右へ左へとよく動く。アンボイナガイ/大きさ8㎝。

ベッコウイモガイ同様、南の海に生息するアンボイナガイも、
ダイバーはなかなかお目にかかれないと思う。
私は過去に一度だけ、遭遇したことがある。
場所は沖縄県座間味島。
サンゴの産卵時期に約一週間ぶっ続けでナイトダイビングをしたときだ。
アンボイナガイは海底をアクティブに這いまわっていた。
獲物を探していたのだろう。

ベッコウイモガイの捕食スタイルは、撃ち込んだ毒針にロープがついていて
獲物を引き寄せて食べる。
アンボイナガイの毒針にはロープがついていない、
いわば打ちっ放しスタイルだ。
仕留めた獲物を確実に食べられるのか、ちょっと疑問。
見失ったり、他の生き物に横取りされたりするかもしれない。
本誌ではベッコウイモガイをスローハンターと称したけれど、
アンボイナガイはもっとスローなハンターだ。
それでも、ラッパのように大口を広げ獲物を探して、
なんとか食事にありつくのだろう。

巷では殺人貝などと恐れられているアンボイナガイだけど、
食事シーンはけっこうユーモラスだ。

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Takeuchi

DIVER ONLINE 編集部

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