外洋のドロップオフでは、カスミチョウチョウウオの群れが見られる。見ごたえたっぷりの迫力と美しさだ。6月からが狙い目
驚異のポイントバリエーションを誇る海
奄美大島は鹿児島と沖縄の間に位置する、日本で2番目に大きな離島だ。島には合計で100近くのポイントがあるため、ひとつのお店で案内できるポイント数も自ずと多くなる。また、ドロップオフや白砂、サンゴの群生エリアなど、さまざまな海中環境が存在。奄美大島の海にはマクロ、大物問わず多種多様な生き物が生息するが、海中環境のバリエーションの豊富さが、その理由のひとつとなっている。
ハナヒゲウツボ。水深5mエリアなどによくいる、ビーチポイントの人気者だ。
ビーチポイントが充実しているため、奄美大島はビギナーダイバーも存分に楽しむことができる
年間を通じて、ウミガメに高確率で遭遇できるうえ、バイオレットボクサーシュリンプやキンチャクガニといった、ほかの地域ではなかなか見られない甲殻類なども観察できる。また、春先からはウミウシの種類が増え始め、ウデフリツノザヤウミウシやシンデレラウミウシといった人気種もお目見えするように。ウミウシストをはじめとするマクロ派ダイバーはこの時期を逃さずに奄美大島を訪れたい。
これからの季節の見ものはまだほかにも。そのなかのひとつとして、「バベル」で見られるアマミホシゾラフグの“巣”があるが、それはまるで、砂の上に描かれたミステリーサークルのようにも思える摩訶不思議な模様に形作られている。昨年4月に〈国際生物種探査研究所〉により、アマミホシゾラフグが「世界の新種トップ10」に選ばれたため、アマミホシゾラフグと彼らがつくる巣は全世界から注目を浴びることとなった。また、そのフォトジェニックな容姿とユニークな生態で多くのダイバーを惹きつけてやまないコブシメも、生殖・産卵シーズンを迎える。貴重でユニークな生態シーンにお目にかかれるこれからの季節は、生態観察も写真撮影も、加速度的に面白くなっていく。
アマミホシゾラフグのオスがつくった巣。メスを迎えいれて産卵、繁殖にいたる
「インオアシス」にて。奄美大島の海は、平均透明度25m以上の美しい海。沖縄に勝るとも劣らない屈指のダイビングスポット
イチ押しのポイント
3〜10月を中心にして潜っている、お店のオリジナルビーチポイント「元カレとニューカレ」。テーブルサンゴがまるでタワーマンションのように積み重なって群生している様子は圧巻だ。また、サンゴ礁の下にはアーチや水路が存在するため、地形派ダイバーにもオススメ。ウミガメにはほぼ100%遭遇できるうえ、カマスの群れや、ときにはナポレオンフィッシュやツムブリに出会えることも。ビーチとは思えないようなスケール感のあるポイントだ。
ビーチポイントではほぼ100%の確率でウミガメに遭遇できる。写真のウミガメはちょうど食事中
ダイビングスタイル
◉ビーチ・ボートダイビングともに楽しめる
◉島全体でビーチポイントが20か所、ボートポイントは60〜70か所ある
◉1つのポイントで同時間帯に潜れるダイビングサービスは、最大で3店舗まで、とローカルルールで決まっている。しかし、基本的にほかのお店とバッティングすることが少ないため、いつでものんびりとダイビングが楽しめる
◉到着日から2ダイブできる
奄美大島へ潜りに行く
◉関東から>>成田および羽田空港から、直行便が1日1便でている。成田空港を利用した場合のフライト時間は3時間弱。羽田を利用した場合は2時間半
◉関西から>>伊丹空港から直行便が1日1便でている。フライト時間は2時間弱。
◉九州から>>鹿児島空港から奄美大島への直行便は1日7本ある。フライト時間は1時間ほど。また、鹿児島新港などからフェリーでアクセスする方法も(所要時間は約半日)
クロスズメダイの幼魚。サンゴの上などを探すと、宝石のような色合いの美しい魚を見つけられることが多い
シーズナリティ
◉1〜3月 水温21〜23度(5㎜ウェットスーツ+フードベストもしくはドライスーツ)
◉4〜6月 水温23〜26度(5㎜ウェットスーツ+フードベストもしくはドライスーツ
◉7〜9月 水温26〜30度(3㎜ウェットスーツ)
◉11〜12月 水温23〜26度(5㎜ウェットスーツ)
透明度は20〜40mほどと、年間を通じて高い
ダイビングサービス
奄美市笠利町宇宿2520 ホテルコーラルパームス内
Tel.0997-56-1001
ダイビングコンセプトは「のんびりゆっくり」「ワイドの奄美とマクロの奄美、両方を見せる」がコンセプト。 奄美唯一のドライスーツレンタルがある事や、ポイント調査に余念がない為、オリジナルポイントが多く幅広い奄美の海を見せてくれる。陸スタッフ&船長常駐による行き届いたサービス力でリピーター多数のお店。