「トライアングル」のソフトコーラルが囲む三角形のトンネル photo by Kazuaki Matsuishi
世界遺産の海は、ほぼ手付かずのダイビングフロンティア!
沖ノ島は九州本土から60km以上沖合にある、絶海の孤島。黒潮の分流・対馬海流の通り道のため近海よりも水温と透明度が高く、北と南の海の魅力が混じり合ったダイナミックな海だ。
海の特徴としてまず挙げられるのは、魚群の凄まじさ。年間300人ほどのダイバーしか訪れない島だが、海中に入るとイサキやタカベ、ヒラマサやカンパチなどが数万の群れをなしてダイバーを取り囲む。さらに、「インペリアル」の古代遺跡を思わせるような巨石や、「屏風」の色鮮やかなソフトコーラルと豪快なドロップオフなど、神秘的な島の歴史とマッチする地形も圧巻。また、これらはすべて地元のダイバーや船と協力し、長い年月と手間をかけて開発した独自のポイントだという。
魅力的な沖ノ島の海だが、公共の交通機関など存在しない。福岡市から高速ダイビングボートで90分を要し、潮流や海況を把握した経験の長い船長&ガイドと同行する必要がある。
1.「海底遺跡か?」と話題のインペリアル、祈りの階段。photo by Naoyuki Kimura
2.アカオビハナダイが何百と群れる「シークレットポイント」。photo by Naoyuki Kimura
3.切り出したかのような巨石が乱立するダイナミックな景観。photo by Saori Oki
また、ダイバーは古来より守られてきたルールを理解した上でダイビングを行う。島内はもちろん、港内も上陸禁止なうえ、航路や海の参道付近も潜ることは許されない。さらに、自然環境を守るためアンカリングを禁止し、水中で釣り糸やゴミなどの回収をするなどの自主ルールも設けている。
古来より厳格なルールに基づいて守られてきた沖ノ島。地元のダイバーが大事に守り育てている、歴史的にも地理的にも魅力的な神秘の海だ。
4.「コーラルファーム」の凄まじいタカベの大群。photo by Takahisa Ishida
5.サクラダイやシキシマハナダイのコロニーが点在する。photo by Shinji Umehara
6.「屏風」の一枚岩を覆い尽くす、美しいソフトコーラル。photo by Hideki Sasaki
神宿る玄界灘の離島
宗像大社の神領であり、海の女神・田心姫神が祀られている沖ノ島。
島自体が御神体のため、島への滞在が許されるのは宗像大社の神職ただ1人。
女人禁制であり、上陸できるのは許可を得た男性のみとされるが、神職の指示のもと一糸纏わぬ姿で海に入り、禊をする必要がある。
他にも、島で見聞きしたものはいっさい口外してはならない、一木一草一石たりとも持ち出すことは禁ずる、などの禁忌や掟が千年以上前から受け継がれ、厳重に守られている神聖な島だ。
また、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」がユネスコ世界遺産の暫定リストに選出され、今年の夏にも正式に登録される見込みとなっている(※7月9日、世界遺産登録が正式決定した)。
玄界灘のはるか沖に浮かぶ、周囲4キロメートルの孤島だ。photo by Naoyuki Kimura
シーズナリティ
◉7月>>水温24 ~ 26℃
◉8月>>水温26 ~ 28℃
◉9月>>水温25 ~ 28℃
◉10月>>水温22 ~ 25℃
◉11月>>水温20 ~ 22℃
◉透明度>>平均25m
沖ノ島へ潜りに行く
◉>>東京、大阪、ほか各地からアクセス。
福岡空港、JR博多駅お迎え可能。(7時ごろ)
宿泊の方はホテル送迎も行います。
モデルスケジュール
07:00 博多天神
08:00 唐泊港
07:00 沖ノ島
3 DIVE
17:00 唐泊港
07:00 博多天神
ダイビングサービス
福岡県 福岡市西区宮浦 2129-21
tel. 092-212-3080
8000本を超えるダイブ本数の大部分を新しいポイントへの挑戦に注ぐ。福岡と鹿児島を拠点に玄界灘、トカラ列島のガイドとしてダイビングフロンティアの最前線を紹介している。