フィリピン・マラパスクアの行きかた
セブマクタン空港からセブ市内へ向かい、車で4時間ほど北上。港からボートで約30 分の場所にある小さな島がマラパスクア。高確率でニタリと遭遇できることから、欧米人ダイバーにも周知されています。
小さな離島ですが、ホテルやダイビングショップ、レストランまで充実し、快適な滞在ができるのも人気の理由なのです
「幻のサメ」ニタリに遭遇する方法
野生のニタリに会う
水中生物が好きで水族館などによく訪れている人なら、スマートなフォルムとかっこいい顔つきのサメにはロマンを抱くもの。しかし同時に『サメ=危険』というイメージが強い人もいるでしょう。
マラパスクアで見られるニタリは、サメの中でもとにかくかっこいい。そして「幻のサメ」と呼ばれていることから、野生のニタリが間近で見られるポイントに行けば、誰もが興奮するはず。
遭遇率80%のニタリ狙いダイブは早朝から始動
朝4時に起床し、5時頃にはニタリのいるポイントまでボートを走らせます。まだ辺りは真っ暗ですが、いよいよだという気持ちが高まり興奮するものの、ニタリとの遭遇確率は80% と必ず出会えるわけではないのです。
ダイビングポイント「モナドショール」まで約1時間。太陽が水平線から昇るのとは反対に、水平線に飛び込むようにエントリー。
通常、遭遇しやすいポイントは25〜30m の深場ですが、水深15m ほどのところでガイドが興奮し指をさします。透明度はあまり高くない状況だが、シルエットは間違いなくサメでした。
ニタリは、棚待ちしているダイバーの周りを何度も旋回し、時折接近してきます。しばらくすると満足したかのようにその場を離れていきます。すると、続けて他のニタリが姿を現し、1匹、また1匹と現れる様は、まるでダイバーのためにファッションショーをしているかのよう。
メタリックなボディ、まっすぐに伸びたヒレ、そしていちばんの特徴である胴体と同じくらいの長さの尾ビレ。すべてが美しく、動きのひとつひとつが華麗なのです。
シャープな見た目に真ん丸でつぶらな瞳にギャップ萌え
そして驚くのはかっこいいフォルムに、見事なまでに真ん丸な、キャラクターのような愛らしいつぶらな瞳。今の言葉でいえば、ギャップ萌えという言葉がぴったりなのかも知れません。
そのニタリに高確率で出会える場所は、世界中でマラパスクアくらいでしょう。限られた地域でしか見られない「幻のサメ」と呼ばれるのも納得できます。
ニタリの観察方法は?
早朝5 時頃から約1 時間かけてニタリのポイントまで向かう。エントリー後、ポイントに着底し膝をついたままニタリが来るのを待ちます。カメラのフラッシュや音は絶対に立てないこと。姿勢をできるだけ低く、極力気配を消すように待っていると、ニタリが近寄ってくる可能性が高くなります。
ダイビングポイント「モナドショール」は水深25mほどの場所に着底するため、じっくりと観察したければナイトロックスを使用するとよいでしょう。
ニタリってどんなサメ?
水族館での飼育例が少ないことや、見られる地域が限られていることから「幻のサメ」と呼ばれ、ネズミザメ目オナガザメ科に属しています。
オナガザメ科は他に「ハチワレ」、「マオナガ」という種類がいますが、近縁種の「マオナガ」と見わけがつきにくいことから『似たり』と呼ばれるそう。
胴体ほどの長さのある尾ビレが特徴。長い尾ビレを器用に使って、魚の群れをまとめたり、ムチを振り回すようにして獲物をたたいたりしています。
マラパスクア「サメを見る旅」のおすすめ&日程
【宿泊先情報】オーシャンビダ・ダイブリゾート
マラパスクアのリゾートの中でもひときわ豪華で目立つホテル。海に面したロケーションはもちろん、レストランの料理はとてもおいしいと評判。ビーチの雰囲気もよく、ライトアップされた夜はムード満点。
ダイブリゾートの前に置かれたソファには、カクテルを片手に談笑している欧米人の姿が見られる、ロマンチックなリゾートホテルです。
【グルメ】アンジェリーナ
ロゴンビーチ前にある、フランス人ご夫妻が経営する大人気イタリアンレストラン。本格的な石窯で焼かれるピザは絶品で、他にも自家製ソーセージやシーフードリゾットなど、本当においしいイタリアンが楽しめます。おすすめはリゾート気分が味わえるビーチ席はすぐなくなってしまうので、予約して出かけることをおすすめします。
【観光】カランガマン島
世界屈指のホワイトサンドバーを誇るカランガマン島は、セブ島沖合に浮かぶ小さな無人島。サンゴ礁のかけらでできた白砂のビーチと、透明度の高い遠浅のブルーラグーンが特徴。
マラパスクア発のツアーに参加すれば、絵葉書のようなこの島でBBQを楽しめます。島まで2 時間と距離があるものの、せっかくなら一度は訪れたい、とっておきの場所です。
語り:DIVENAVIスタッフ
写真提供:エス・ティー・ワールド、細田 健太郎