マリン
ビギナーダイバー。昨年からトレーニングしているが、なかなか上達しない。口は一人前
ジョー
経験本数100本以上の中堅ダイバー。三味線の名手らしい
蝶々夫人
知識豊富なインストラクター。しかし、セレブ一家に育ったため、世間知らずなところがある
2人きりの水中世界へ
甘くてはかないデート計画
マリン:ついにキターっ!!!!!
ジョー:ドライスーツが?
マ:それも来たけど、お誘いが!
ジ:デートの??
マ:ぬっふっふ。
ジ:もうすぐクリスマスだよな。オレだけか、今年も独りぼっちのクリスマス〜。
マ:デートと言ってもダイビングの、だけどね。
ジ:どういうこと?
マ:初めてのセルフダイビングよ。
蝶々夫人:ちょっと待って。2人で潜るの? 相手はそれなりのレベルなんでしょうね?
マ:私より少し本数少ないけど……。Cカード取ったばかりのイケメン後輩に「連れて行ってください」って言われちゃってさ。先輩としては一肌脱がなきゃいけないかな〜、なんて!
ジ:ちょっと待ったー!
蝶:マリンってナビゲーションできるの!?
マ:ナビ? そうか。ガイドがいないから、私が案内しなくちゃいけないのか!
ジ:100本を超えてるオレだってセルフで潜ったことないのに……。無謀を通り越して、そういうのを自殺行為って言うんだぜ。
マ:タンクだけ借りて2人きりで潜るなんて、水中デートみたいじゃない? しかも、安あがりだし、ビーチエントリーなら難しくないでしょ。そんなに心配いらないって。
ジ:スイートな夢はそこまでだな。マリンは考えが甘すぎるんだよ。サービスによっては「Cカードのランクがアドバンス以上で、タンク本数50本以上」「チームにかならずダイブマスター以上の有資格者がいること」等、タンクだけの貸し出しには、いろいろ制限があるぞ〜。
マ:アイタタタ。
蝶:それにセルフダイビングを楽しむならナビゲーションだけじゃないわ。
海況を判断したり、潜水計画を立てたり、
いざというときの緊急事態に対応できるだけの知識と経験が必要よ。
ジ:しかも今度は初ドライだろ?ドライスーツだってある程度練習しないと大変なことになるぜ。
蝶:吹き上がることもあるからね。水中で逆立ちになって、イケメン後輩の目の前で醜態をさらすことになるかもよ〜。
マ:あぁ、水中デートがどんどん遠のく……。約束は来週だから間に合わないわ〜。
ジ:抜けがけしようとするからさ。くっくっ。
蝶:なんならワタクシがいっしょに潜って差し上げてもよくってよ、イケメン後輩と。
オッホッホッ。