マリン
ビギナーダイバー。昨年からトレーニングしているが、なかなか上達しない。口は一人前
ジョー
経験本数100本以上の中堅ダイバー。三味線の名手らしい
蝶々夫人
知識豊富なインストラクター。しかし、セレブ一家に育ったため、世間知らずなところがある
小さなものを大きく見る
レンズを使って楽しさ倍増
ジョー:うひょ〜!このマクロ写真見てくれよ。神がかり的な1枚が撮れたんだ。このわずか数センチのコバンハゼ。しかもエダサンゴのすきまに隠れていてその姿を見ることすら難しいというのに、目にピシャリとピントが来てるんだよ。奇跡のショットだ!
蝶々夫人:どれどれ……。色もきれいに出ているし、構図もしっかりしていて、確かにいい写真ね。ジョーは、ますますマクロの世界にはまっちゃうんじゃないの?
マリン:あの〜じつは、前々から不思議に思っていることがあるんだけど。小さな生き物を見ることが好きな人たちを「マクロ派」と呼んだりするけど、本当は「ミクロ」が正しい呼びかたなんじゃないのかしら?
ジ:確かに、一般の人が聞いたら、「ん?」って思うかもな。「極小」という意味で言ったら、ミクロだもんなぁ。
蝶:もともとカメラをやっている人なら馴染みがあるんだけど、接近して撮影するときに使うレンズを「マクロレンズ」と言うのよ。小さなものを大きく写せる、巨視的なレンズなの。虫眼鏡を使ってみたときの、あの感じね。で、ダイビングの世界では、マクロレンズでの撮影や、その被写体としてよく選ばれる小さなサイズの生き物を指して、「マクロ」と呼んでるわけ。
マ:ミクロの世界をマクロに見るのね!
ジ:でも、これがさ〜、なかなかピントが合う範囲が狭くて大変なんだよ。ピントが合っていない周辺部分はいい感じにぼやけて、アーティスティックな写真に仕上がるんだけど、ピントが狙ったところになかなかこないと、海の中にいるのに、イライラしちゃうんだよ。
マ:ジョーみたいにデジタル一眼のカメラだったら、そういう写真が撮れるかもしれないけど、私が持っているコンパクトデジカメじゃ、そこまでは無理よね。
蝶:諦めるのは早いわ。コンパクトデジカメでも、もともと搭載されているズーム機能が優れた機種もあるし、カメラのレンズの前に簡単に取り付けられるクローズアップレンズを使えば、いろんな作風が撮れるようになるわよ。
マ:そうなんだ! 本当はカラフルなウミウシをきれいにたくさん撮りたかったの。
で、来年の年賀状に使うの!
ジ:ウミウシの年賀状!?
蝶:ダイバーらしく、ウミウシで幕開けというわけね。
ジ:いいこと聞いちゃった〜。オレもそのアイデア、使わせてもらっちゃおっかな。
マ:ジョーに負けないくらいの写真を撮らなくっちゃ!
※マクロレンズでの撮影、被写体となる小さな生き物を含むこともある