マリン
ビギナーダイバー。昨年からトレーニングしているが、なかなか上達しない。口は一人前
ジョー
経験本数100本以上の中堅ダイバー。三味線の名手らしい
蝶々夫人
知識豊富なインストラクター。しかし、セレブ一家に育ったため、世間知らずなところがある
生まれつきの体質だけじゃない?
日々の自主トレで上達できる
ジョー:マリン、さっきの潜降はなんだ? だいぶ、もたついてたな?
マリン:今日はなんだか耳抜きがうまくいかなくて……。
ジ:最近はスムーズな潜降ができるようになってたのにな、逆戻りぃ〜?
マ:失礼ね! まだ少し夏風邪を引きずってただけよ。治ったと思ったんだけどなぁ〜。
蝶々夫人:あらあら無理は禁物よ。力任せの耳抜きは鼓膜が破けてしまうこともあってよ。
マ:鼓膜が破ける!?
蝶:そうよ。水圧にいちばん敏感に反応するのが、鼓膜の内側の中耳腔や鼻の奥の副鼻腔。キュ〜ッて、締めつけられる感じで耳や鼻が痛くなるでしょ。そのスクイズが発生する前に、耳抜きで内側から空気を送り込んで、圧を平衡にしてあげれば、なんてことないわ。
ジ:オレなんか、鼻をつままなくっても、ちょっとあごを動かすだけで、OKだぜ。
マ:う、うらやましいー。私なんか、いつも鼻をつまんで、思いっ切り力んでやっと抜けてるのよ。
蝶:風邪で耳管が腫れていると抜けないこともあるわね。水深が深くなればなるほど、圧が強くなって抜けにくくなるから、浅い水深からこまめに耳抜きをするのがコツよ。
マ:それは講習でも習ったけど、結局のところ、耳抜きって、体質の問題でしょ? 練習してうまくなるようなものでもないでしょ?
蝶:それが、普段から自主トレーニングができちゃうのよ。うふふ〜。知りたい?
マ:もちろん、教えてください!
ジ:オレ、知ってるぜ〜。パンを口いっぱいに詰め込んで、咀嚼して咀嚼して、あごの力を鍛えるって方法だろ?
蝶:それも一案ね。でも、正しい耳抜きをマスターしたいなら「オトベント」で練習してみるという手もあってよ。
ジ:オトベント? 初耳だな、なんだそりゃ!
蝶:滲出性中耳炎の治療に使われている医療品だけど、耳抜きトレーニングにピッタリということで、ダイバーの耳鼻トラブルに詳しい〈三保耳鼻咽喉科〉の三保先生がススメているの。片方の鼻の穴に風船みたいなものを差し込んで、膨らますのよ。
マ:やってみたーい、それ!
蝶:正しい使用法で行う必要があるから、受診して耳の状態もチェックしてもらったうえで、指導を受けることね。
マ:は〜い。目指せ、耳抜き優良ダイバー!