マリン
ビギナーダイバー。昨年からトレーニングしているが、なかなか上達しない。口は一人前
ジョー
経験本数100本以上の中堅ダイバー。三味線の名手らしい
蝶々夫人
知識豊富なインストラクター。しかし、セレブ一家に育ったため、世間知らずなところがある
“種の起源”を探る!?
個性派揃いの魚たち
マリン:長期間休めそう♪
ジョー:今年は8日間のクルーズに参加できる! って、ルンルンだったけど……。このご時世だから「逆にいくらでも休んでいい」って言われちまったぜ。トホホ〜〜。
マリン:こんなときだからこそ、ぱ〜っと遊ばなくちゃ!
蝶々夫人:そうそう、きっと神様がくれた休日よ。
ジ:ク〜、いいこと言うねぇ。
マ:せっかくの長期休みだから、憧れのモルディブクルーズかしら〜。
ジ:あのマリンブルーの魚に会いたいぜ!
蝶:パウダーブルーサージョンフィッシュのことね。インド洋の固有種だわ。
マ:海ってつながっているのに、そこの海でしか見られない、固有種がいるっていうのが不思議〜〜。
ジ:もちろん共通しているものも多いけど、太平洋・インド洋・大西洋、それぞれでしか見られないヤツがいるっていうのは、そこに行くための意義が高まるよな〜。
蝶:固有種は、湾の入り口が狭い紅海みたいな閉鎖性の高い海はもちろん、一度も大陸とつながったことのない海洋島にも多いわね。とくに、ハワイ諸島は固有種が多くて有名よ。
マ:ハワイって太平洋のど真ん中にあって、周りとの交流は少なそうだものね。
ジ:火山活動でひょっこりできた島に流れついた魚たちのうち、うまく適応できたものから誕生した固有種がけっこういるってことか。
蝶:ハワイってクマノミ類がいないんだけど、それは仔魚浮遊期の長さが関係しているらしいわ。クマノミは12日間と短く、いっぽうでチョウチョウウオ類は1〜2か月。浮遊期間が長ければ遠くまで行ける可能性があるものね。 その証拠にハワイにはチョウチョウウオの固有種がけっこういるのよ。
ジ:それと、一見すると似ていても模様や形が少〜〜し違うっていう地理的変異を発見するのも楽しいよな。
マ:あ、そういえば、天皇陛下がキヌバリについての論文を発表してたわ。
ジ:キヌバリといえば、太平洋側のは黒帯が6本で、日本海側は7本というハゼだろ?
蝶:そう。天皇陛下は、研究者の人たちとDNA分析を行って、チャガラとキヌバリの進化の過程を発表されたのよ。
ジ:へぇ〜〜〜。なんだかこれまでチャガラやキヌバリって地味な印象だったけど、ノーブルなハゼに見えてきた!