マクロレンズを 使ってみよう! むらいさちの「ゆるフォト講座」

サンゴの穴から顔を出すカンザシヤドカリ君。 体長は1㎝もありません。こんなときはマクロレンズの出番です♪ ある日寝ぼけながらカメラのセッティングをしていたら、 グリスの代わりにハンドクリームをOリングに塗っていたむらいさちです(大汗)。 さて、今回もはりきっていきましょー! ミラーレス一眼カメラのいいところは、レンズを交換できること。 自分が撮りたい被写体に合わせて、レンズを選びます。 前回はワイドレンズを使って広い画角の写真の撮り方を紹介しましたが、 今回はマクロレンズを使って、どんな撮影ができるのか、撮影方法などもあわせてお話ししていこうと思います。 マクロの撮影には、標準ズームレンズにクローズアップレンズを付けるという方法もあります。 撮影方法は変わらないので、それでも良いと思います (もちろん個人的には、ちゃんとしたマクロ専用レンズで撮影することをおススメしますが)。 潜る前にガイドさんにポイントの特徴を聞き、それに合わせてレンズ交換します。 生物中心なのか、ワイドがメインなのか、当たり前のことですが、とても重要です。 では、今月も行ってみましょ〜、ゆるフォトミラーレス編スタートです!

01 やっぱりボカしてみたい!

コンパクトデジカメと、一眼カメラの大きな違いの1つがレンズを交換できることです。今回はすべてマクロレンズを使って撮影しています。一眼カメラなら誰でもあこがれる、ボケた写真を撮影できます。自分が見せたい場所以外ピントが合っていない状態ですね。せっかくなので、まずはボカした写真をお見せしましょう。

ピントが速く正確な一眼カメラならば、ちょこちょこ動き回るシマキンチャクフグもしっかり捉えられます。背景をボカすことで、被写体を浮き立たせ、立体感が出せる。そして、なによりかわいい♪

沖縄ではどこにでもいるタテジマヘビギンポ君は、見過ごしがちだけど、マクロレンズで大きく写してあげると、かわいい顔をしている。顔にまでちゃんと模様があるんですね。肉眼では見えない世界が見られるのもマクロレンズの魅力です。

背景をボカすには、絞りの数値を小さくします。ただ、そのぶんピントがシビアになるので、撮影には注意が必要です。まずはあまり動かない被写体を探して、ボケを体感してみてください

02 できるだけ被写体に近づいてみる

マクロ撮影でも、ワイド撮影同様に被写体にはなるべく近づきます。写ったことに満足せず、自分らしい作品を仕上げる意味でもう一歩前へ!さらに構図を意識して撮影してみましょう。身近な被写体でも撮り方ひとつでかわいくなりますよ。

南の海に行けば、どこにでもいるハゼ。正直見向きもされない子です……(汗)。でも撮影方法によっては十分メインの被写体になってくれます。まずは、ボカしつつ正面から撮影。正面顔がかわいいのでそれをさらに強調してみましょう。

あまりプレッシャーをかけないように、時間をかけてゆっくり近づいてみる。ここまで夜と、目にも模様があったり、色がとてもきれいなことに気付きます。僕自身も、この子をこんなにじっくり写したことがなかったので、あまりのきれいさにビックリ。うれしい発見です♪

バリエーションとして、ストロボをオフにしてみました。全体が青くなってしまいましたが、、逆にそれが優しいイメージを与えてくれています。そして笑ってる!当然このとき僕は一人でニヤニヤしています。水中で良かった……。

03 バリエーションをつけてみよう!

1つの被写体を自分が見つけた方向からしか写さない人ってけっこう多いです。それではせっかくすてきな被写体に出会ったのにもったいないですよね。いい作品を撮りたいと思ったら、いろんなバリエーションをつけてみるといいと思います。今回はうごきのあまりないウミウシ君を撮影してみました。大きさは5㎝ほど、とても撮影しやすかったです。

まずは、見たままの状態で撮影。いわゆる「図鑑写真」というものです。真横からただ写しただけで、これならば図鑑を見ればいいのでは?と思ってしまう記録写真。これを基本として、バリエーションをつけてみましょう。

 


ウミウシというくらいですから、牛の角のような触覚が特徴なので、それを強調するため前に回って撮影。小満から写しているので奥行きがでます。最初の1枚と比べたら断然こちらのほうがいいですよね。ウミウシは基本的に触覚部分にピントを合わせるようにしましょう。

 

最後にあえて引いて撮影。マクロレンズだからって寄ってばかりだと同じような構図になってしまいます。最初の写真はウミウシをしっかり見せる構図。今回は、大きな海の中を小さなウミウシがのんびりあるいているようなイメージの、ストーリーある写真にしました。写真の中に空間を作ることによって、見る人がいろいろ想像できます。こんな写真の表現もおもしろいですよね。

 

今月のまとめ

今回はマクロレンズを使っていろいろ撮影してみました。正直、まったく語り尽くせていません(笑)。
ただ、今回の写真を見て、マクロのかわいい世界に興味をもってもらえたなら幸いです。標準ズームレンズでは得られない、マクロ専用レンズならではのボケ、あこがれのボケのあるかわいい写真にもぜひチャレンジしてみてください。
また、目には見えない世界を写せるのもこのレンズの魅力。機会があればもっと掘り下げて紹介できれば江尾思います。海を楽しんでいきましょ~☆

使ったのはOLYMPUS社のこのカメラ♪

カメラ OLYMPUS PEN Lite E-PL5

レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

コラムニスト

むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。6年目にして「ミラーレス編」へ。スタンスは変わらず「ゆるく楽しくミラーレス!」。

>>Official webサイト:muraisachi.com

 

月刊ダイバー2013年7月号より

AUTHOR

Amano

DIVER ONLINE 編集部

おすすめ記事RECOMMEND

  • PR

    購入する器材の資金に迷ったらスルガ銀行の「ダイバーズ…

  • PR

    8月発売!革新機能と遊び心がハイブリッドに交わうPR…

  • PR

    再び"身近"な国へ! STW「フィリピンサマーキャン…

  • PR

    奄美大島「THE SCENE」で今が旬のホエールウォ…

  • PR

    ダイビングも日常も! コンパクトなダイビングコンピュ…

  • PR

    恋する石垣島 ダイビングポイントガイド〈06〉〜敏…

  • 【最新版】スタッフリアル愛用♡夏も冬も大活躍!DIV…

  • 2021年下半期もっとも売れた商品TOP10を発表!

  • あなたはいくつ持っていますか?海と地球にやさしい暮ら…