洞窟撮影編2 むらいさちの「ゆるフォト講座」

これからの時期の主役イサキ。 比較的逃げずにまとまって泳いでくれるので、撮影しやすい魚です。 最近いろいろ水没気味のむらいさちです(汗)。さて、前回に続き今回も洞窟編でお送りしたいと思っています。前編は基本的なことを中心にお話ししました。今回は、ただ撮るのではなく構図も考えて撮影してみようということで、ちょっとステップアップした内容です。 地形は魚のように、一瞬をとらえるわけではないので、比較的のんびり撮影できます。慌てずまずはその洞窟はどの角度から見れば一番きれいな形に見えるのかなどをしっかり吟味してから撮影に入るといいでしょう(一番早いのは、ガイドさんに聞いてしまうことですが)。 今回のテーマは「アクセント」。ちょっと気を遣うだけで、作品の雰囲気も変わってきます。では、今月もゆるフォト講座スタートです! ※撮影当日海況があまりよくなく、写真が見づらいかと思いますがご了承くださいませ。

01 アクセントをつける

水中の洞窟は、とても幻想的ですよね、目で見ると……。しかし写真にしたとたん、ただの青い海にしか見えず迫力も伝わらないなんてことありますよね。僕もよく悩みます。そこでただ撮るだけでなく、写真にちょっとアクセントを加えてみましょう。

まずは、地形を普通の状態で撮影。確かにきれいだけど、まぁ普通。
そのよさが伝わりません。

そこで魚が群れている場所に移動して、魚を画面に入れてみました。
そうすると、奥の青にかぶる部分は、魚がシルエットになり、最初の写真よりはインパクトがありますよね。
洞窟は静、そこに魚の動が入ると、写真にも動きや物語が出てきますね。

最後に、「う〜ん、どうにもならん……」となったとき。画面に泡を入れてみましょう!
これまた動きが出ます。泡はゆらゆらとてもきれいなので、洞窟のイメージがさらに幻想的になります。
次はさらに、アクセントを探していきましょう。

02 ストロボを活用してみる

水中洞窟では、ストロボを使っての撮影はあまりおすすめできません。暗いから思わず焚きたくなりますが、ハレーションを起こしたり、岩のあまりきれいじゃない部分が写ってしまったりといいことはあまりありません。しかし、使いようで効果的な場合があります。実際見ていきましょう。

まずは、洞窟内でストロボを焚いてみました。
このときはうねりがあり、いつもよりさらに砂などが舞っていましたが、
そうでなくとも洞窟内は浮遊物が多いので、こうなってしまいがち。はい、おすすめしません。
では、ストロボがダメかというと、そうでもありません。

近くにあるソフトコーラルといっしょに写してみました。
なるべく広角のレンズを使って、被写体に近寄れば、当然ハレーションも起こりません。
あとは上手に洞窟を入れながら撮影すれば、このように写ります。
色の少ない撮影が多いので、これは大きなアクセントになりますよね。

今度は手前に魚の群れを入れて、ストロボをオンにしました。
さきほどはシルエットで幻想的にしましたが、今回は魚もしっかり写しました。
きらきらときれいですね。十分アクセントになっていると思います。
余裕があれば、ストロボオンとオフを写しておくといいですね。

03 ダイバーを入れてみる

最後のアクセントは一番やりやすい、ダイバーのシルエットの入れ方です。通りすがりのダイバーのシルエットを入れるのもいいですが、バディが友達であるのならば、あらかじめお願いしておくのが一番いいでしょう。そのときに、シグナルなどを確認しておくと水中で意志が伝わりますね。

まずポイントは、洞窟の青く抜ける部分にダイバーをちゃんと入れること。
写真のように、岩とかぶってしまうとシルエットがちゃんと出ないので、よくわからなくなってしまいますね。
モデルさんは自分の位置がわかりませんから、撮影する側がしっかり指示を出してあげましょう。

どこかに違和感を感じませんか? モデル撮影でよくある失敗です。
はい、ガニ股ですね。普段、僕も泳ぐときはあおり足が多いです。
そうするとカエルのような足で、かっこうが悪いです。
僕の経験上、水中では「がに股をやめて……」はとても伝えにくいので、
陸上でレクチャーしておきましょうね。

このように、なるべくスラッとしたほうが美しいですよね。
正面より、ちょっと横を向いているほうがシルエットがきれいです。
モデルさんと、上手にコミュニケーションを取って、撮影しましょう。

今回のまとめ

洞窟後編でしたが、いかがでしたか?
シンプルな構図になりがちな洞窟フォトですが、ちょっとした工夫で作品に変わっていきます。今回も難しいことは何も言ってませんよね? 洞窟ポイントに行ったときにはぜひ実践してみてくださいね。

使ったカメラと防水プロテクター

使ったカメラ:OLYMPUS OM-D E-M5

使ったハウジング:PT-EP08

コラムニスト

むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。6年目にして「ミラーレス編」へ。スタンスは変わらず「ゆるく楽しくミラーレス!」。

>>Official webサイト:muraisachi.com

AUTHOR

Amano

DIVER ONLINE 編集部

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