宮城女川の海は楽しい! の巻 むらいさちの「ゆるフォト講座」

自分の吐いた泡が鏡のようで、 そこに反射したムツサンゴがきれいでした♪ 皆さんこんにちは! 水中カメラマンなのに、マグロアレルギーな、むらいさちです! 連日猛暑が続くなか、宮城県女川町、竹の浦に潜りに行ってきました。涼しかった……。個人的にも大好きな海で、最初に潜ったのは10年以上前になります。その後、震災もありましたが、今は元気に海が復活しています。直後はあまり見なかったホヤが今は岩場にぎっしり群生し、行くたびに増えていく姿を見るのが密かな楽しみでもあります。まだ行ったことない人も多いと思いますので、紹介も含めて今回は、女川の海でゆるフォトを行います。 竹の浦は水深も浅く、流れもないので、撮影にはもってこいです。そしてやっぱり伊豆などとは生物層も違うので、見たことのない生物も多いはず。その違いを楽しむのもいいと思います。今回はどんな生物に会えたのでしょうか? では、ゆるフォトスタートです!

01 ますはダンゴちゃん♪

伊豆などでは、冬の魚・ダンゴウオ。しかし北の海・女川では、通年見ることができるんです。このときも水温は20度以上あったのですが、それでも見ることができました。このときは、ちょうど子供が孵化したばかりで、海藻をめくるとかなりの確率で出会えました!

こうやって海藻の奥にそっといます。ちょっとお邪魔して撮影させてもらいました。相変わらずかわいい子です。が、この構図。ちょっとありきたり。北の海に来たのだから、それがわかる写真を撮りたいですね。

そこで、探しに探して見つけました! ホヤ・ダンゴ! これを見ずには帰れません。今回は個体数が多かったのと、うねりが入っていたのでダンゴちゃんがけっこう動いてくれたおかげで、数回ホヤダンゴちゃんに出会えました。ずっと撮影したいと思っていたので、うれしかったです♪ 単純に背景がきれいになりますし、特徴的になります。ぜひ女川に行ったら狙ってみてくださいね。

うねりの影響か、岩場でのほほんとしているダンゴちゃんに遭遇♪ その雰囲気が写真で現れるように、あまり寄りすぎず背景も入れて撮影してみました。やっぱりかわいいな〜♡

02 お次はギンポちゃん

ギンポ団地とも言えるほど、ギンポちゃんがどこにでもいます。数が多いので、色のバリエーションも豊富。きれいなギンポちゃんを選んで撮影しました。背景は明るい岩が多くきれいに処理できるので撮影はしやすいです。

真っ黄色でキラキラきれいな子がいたので、近くに寄って撮影。手前のカイメンもきれいですよね。基本的には逃げないので、遠慮せずにググッと寄ってみるといいと思います。

今度はストロボをオフにして撮影してみました。ぱきっとした写真とは違って、どこかドリーミーな感じに仕上がりました。こっちは雰囲気重視の撮影方法ですね。

この子は、アキギンポ君。北の海にしかいない種です。マスクマンのような独特な模様が特徴です。思った以上に北の海は色鮮やかなのです。この子はちょっとシャイなので、そっと近寄って見てくださいね。

03 北の海のアイドルたち

最後は、そのほか、北の海で出会った子たちを紹介していきましょう。やっぱり自分が普段潜っている海と生物が違うので、それを見ているだけでも楽しいです。せっかく行ったのですから、そこでしか見られない生物もしっかり写真に収めておきましょう。

竹の浦のアイドルになりつつある、フサギンポの「小銀ちゃん」です。成魚なのでけっこう大きく、最初はちょっとびっくりしますが、見ているとブサかわで、なんだか親しみがわいてきますよ(笑)。

なんだかわかりますか? ウミクワガタ君です。えっと……この子はかわいいのか、気持ち悪いのか微妙なところですが……。まあ出会えたので。

オコゼカジカ君。オコゼなのかカジカなのか? なんともかわいそうな名前なのですが、じつはとてもかわいい子なのです。色もきれいです。岩に張り付いていたので撮影はちょっと難しかったですが……。

今回のまとめ

宮城県女川町、竹の浦の海を今回はご覧いただきましたが、どうでしたか? フォト派の方は、行きたくてうずうずしているのではないでしょうか? 普段見られない生物が簡単に見れる海ですからね。基本的にはブサかわいい系の子が多いかもしれません(笑)。機会があれば、ぜひ北の海にも行ってみてください。色合いが思った以上に明るいので、驚くかもしれません。ぜひ、背景を意識して撮影してみてください。

石巻にあるダイビングサービス〈ハイブリッジ〉さんでは、年に1〜2回、フォト講座も行っています。北の海でいっしょに“ゆるフォト”しましょ。

コラムニスト

むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。6年目にして「ミラーレス編」へ。スタンスは変わらず「ゆるく楽しくミラーレス!」。

>>Official webサイト:muraisachi.com

(DIVER 2015年10月号掲載)

AUTHOR

Amano

DIVER ONLINE 編集部

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