標準ズームレンズで撮影してみよう! むらいさちの「ゆるフォト講座」

たまにはこんな写真も。色合いがとてもきれいだし、 ちゃんと擬態してるんだな〜と思った1枚です。 皆さんこんにちは! 沖縄のA&Wのルートビアは罰ゲームのようだと、思うむらいさちです。 さて、皆さんは撮影時どんなレンズを使っていますか? 代表的なレンズといえば、マクロレンズ、ワイドズーム、フィッシュアイレンズなどでしょうか? しかし、それらのレンズでは被写体がマクロかワイドに偏ってしまいますよね。水中でレンズは交換できないので、どちらかを選ばないといけません。マクロを選択したときに限って、大物に遭遇したりしますよね。ががが〜〜ん。その気持ちよくわかります。そこで、今回は標準ズームでどのくらい撮れるかにチャレンジしてみました。 使用したのは、オリンパスのミラーレスカメラEPL-7と、キットで付いている標準ズームレンズ。さぁ、どんな写真が撮れたのか? ゆるフォト講座スタートしましょう!

01 ワイド写真に挑戦!

標準ズームレンズのイメージってやっぱり「中途半端」でしょうか? 確かに、近くまでは寄れないし、すごいワイドでもないし……。でも、それは大きな誤解なんです。標準ズームレンズにすべてを求めるほうがナンセンスです。このレンズでしか撮れない被写体もたくさんあるし、ワイドだってイケちゃうんです!

これは、カマスの群れ。小さなカマスでは人が来ると逃げてしまうことが多いのですが、このレンズには最適な被写体です。個人的に一番向いている被写体は群れ系の魚だと思っています。近くには寄り切れないような魚にはいいですよね。しかし、写真的にはちょっとバラっとした感じがします。

そこで下に回り込んで、魚の多いところでズームをかけて撮影。シルエットが美しい写真になりました。

今度は、横位置に移動して撮影。ズームをかけられるので、構図も作りやすいですね。こんな状況が一番力を発揮するのかもしれません。

02 マクロ写真にも挑戦

標準ズームレンズはマクロレンズほどは近くに寄れません。でも、がんばればこんな写真も撮れるんです。今回の被写体はヤエヤマギンポ君。かわいいんだけど、神経質ですぐ逃げてしまうイメージですが、このときは近くに寄ってもなかなか逃げずに、いいモデルになってくれました。

まずは、近くまでそっと寄って1枚。ワイド側でそのまま写しました。擬態していて、さすがにどこにいるかわかりませんね。

そこで、ズームをかけてみました。かなり大きく写りますよねー。ヤエヤマギンポは普通のギンポより大きく、それも撮影しようと思ったポイントです。やっぱり小さすぎる被写体は苦手なので、ある程度大きさのあるものを選びましょう。

最後にちょっと裏技を……。

ど〜ん。オリンパスのカメラには、デジタルテレコンという機能があります。この機能を使うと、カメラが画面をトリミングして、倍の大きさになるんです。この裏技を使うと、さらに大きく迫力のある写真が撮れちゃいます。

03 こんなのだって撮れちゃいます♪

最後は、その他撮影したものをお見せします。標準レンズだって、立派な戦力になるんですよー。

カクレクマノミ君。この子も大きさがある程度ありますし、近寄れるので被写体には向いていると思います。マクロレンズだとアップばかりになりがちですが、このレンズの画角だと、周りの環境も写し込めてちょっと新鮮。

ヤシャハゼにもチャレンジ! ズームをかけて、じりじり時間をかけて寄っていきます。これ以上近づけないな〜というところで、裏技デジタルテレコンをオンにします。そうすると、こんなに大きく撮影できました♪

最後は、ソフトコーラルの群生を撮影。一番広角側にして、色のきれいなところを探して撮影。ズームできるので、切り取りたい部分だけを撮れるので実はとても便利なんです。

今回のまとめ

今回は、皆さんがちょっと敬遠しがちな、標準ズームレンズを使って撮影してみました。確かに、使いづらい部分もありますが、レンズの特性をちゃんと理解すると、十分戦力になってくれます。

大切なのは、このレンズにはどんな被写体が向いているのか、を理解することです。マクロレンズやワイドレンズに対抗しても意味がありません。このレンズにしか撮れない被写体もたくさんあります。自分の写真にちょっとマンネリ感を感じる方は、一度使ってみるといいかもしれませんね。

コラムニスト

むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。6年目にして「ミラーレス編」へ。スタンスは変わらず「ゆるく楽しくミラーレス!」。

>>Official webサイト:muraisachi.com

(DIVER 2016年1月号掲載)

AUTHOR

Amano

DIVER ONLINE 編集部

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