01 東北にもサンゴがありますよ!
北の海は地味なんだべ?そんなこと思っていませんか?じつはそんなことなくて、むしろ伊豆などよりカラフルであったりします。そしてこんな寒い海にもサンゴがあるんですよー。名前はウスマメホネナシサンゴ(何度聞いても覚えられないけど…)。小さくてとてもラブリーなサンゴです。さあ、かわいく撮影してみよう。
直径は1cmほど。こうやって群生して生えています。これだけでもかわいいですよね。実際に見たらその小ささにびっくりするかもしれません。さて、これを作品に仕上げましょう。
マクロレンズで近くにぐっと寄って撮影。先端の丸がなんともかわいいです。小さいけどなんだか宇宙を感じませんか?言い過ぎかな…(笑)。さて、さらにFantaSeaふうに撮影してみます。
いろいろとじっくり見て回り、この部分が一番かわいいと思ったので、影ができないように気を付けてライティングをして撮影。ストロボも強めに発光してFantaSeaの世界に仕上げました。
02 ダンゴウオちゃんをFanta Seaに
女川の海では年中見られるダンゴウオちゃん。ここでは、海藻などに住む子と、岩場に住んでいる子の2種類に分かれます。海藻の子はけっこう動き回りますが、岩場の子はじっとしていて撮影しやすいです。では、撮影してみましょう。
やっぱり赤ちゃんはかわいいですね。願わくば黒じゃなければ…(それは言わないでおこう…)。さてここからFantaSeaに仕上げていきたいと思います。
なぜかこの岩場、僕が撮影を始めたらヒトデが激しく行きかう場所になりました…。交差点のようにあちこちから襲来してくるのです…。ダンゴウオちゃんは逃げ惑いますが、よく見ると地味だった背景に色が付きます。これを逃す手はありませんね。背景を意識して撮影しました。
正直地味な色のダンゴちゃんだけに、この背景は大助かり。ヒトデもダンゴちゃんを食べるわけではなく、眼中にない感じでドンドン進んできます。この撮影のあと、ダンゴちゃんは逃げまどっていました…。やっぱり写真に背景は大切ですね。
03 地味じゃない?
女川ではよく見かけるキヌカジカ君。一見地味なのですが、写真に撮るととてもきれいな体色をしています。でも通常なかなかカメラを向けることはありません(地味だもの・・・)。でも、この時は派手な色の海藻の元にいました。こういう状況ならばこの子(ちょっと地味)でも、かわいく撮れるのでは?と、思い撮影してみました。
ただ撮るのではなく、角度を探しながら後ろの海藻とのバランスを考えます。これはこれでいいのだけど、ちょっと暗いのと、写真が普通過ぎるのが気になります…。
そこでちょっと明るく設定して撮影。ぐっと近づくと魚の表情が見えてきます。そうすると写真にもストーリーが出てきます。目のまわりの模様もとてもきれいですね。構図は決まったので少し粘って撮影してみます。
もっとおもしろい表情が撮れないかと粘っていると、気になったのかこっちを向いてくれました。しかもあくびをした瞬間にシャッターが切れたので、何かを話しているような印象に残る1枚に。最初の1枚に比べると、作品としてはだいぶおもしろくなりましたね。
コラムニスト
むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。スタンスは変わらず「ゆるく楽しく水中写真!」。
>>Official webサイト:muraisachi.com
協力=宮城ダイビングサービスハイブリッジ
(DIVER 2016年11月号掲載)