晩秋の伊豆を満喫♪ むらいさちの「ゆるフォト講座」
ソフトコーラルを見かけると、何かいないか必ず探します 目玉焼きにはソース派の、むらいさちです。さて、今月は今がトップシーズンの伊豆半島に撮影に行ってきました。この時はほんとに状態がよく、透明度20m、水温25度と沖縄状態でした(笑)。でも、思わずマクロ撮影してしまうところが僕らしいですが…。 今回は、初島と東伊豆の富戸に潜ってきました。どちらも昔から通っている海で、その時とほとんど海が変わらないのがなんともうれしく感じます。そこで出会ったかわいい被写体たちを、撮り方を交えてご紹介したいと思います。これから冬にかけて透明度も安定してよくなり、気持ちのいい海が続きます。ロクハンやドライスーツをゲットして、ぜひ冬の海を楽しんでみてください。では、ゆるフォトスタートです!
01 水中のお花を美しく
水中では、お魚や風景に思わず目がいきますが、その他にもたくさんの被写体があります。まずはソフトコーラルのポリプです。まあ、かなりマクロではありますが、お花のようにとても美しい被写体です。では、このポリプを撮影してみましょう。
まずはぐっと寄って1枚。伊豆の海に潜るならば、マクロレンズは用意したほうがいいですね。白いポリプなのに背景も白。これではメインの被写体がちゃんと見えませんね。では、どうすればいいかというと…。
角度を変えて、背景が海の広いほうになるように撮影。すると、青い背景になり、ポリプの美しさが引き立ちますね。さらにバリエーションを。
今度は、いわゆる「黒バック」で撮影してみました。シャッタースピードを速くしたり、露出を絞ると背景が黒くなります。それを利用して、ちょっとカッコいい感じに仕上げました。これも神秘的でいいですよね。
02 イロカエルアンコウちゃん♡
今回いちばん会いたいと思っていたお魚です。僕がいちばん好きなお魚といっても過言ではない、イロカエルアンコウちゃんの幼魚です(大人はかわいくないのです…)。大きさが7mmくらい…。小さ過ぎてびっくりしましたが、こんな感じの子が近くに3個体もいました。
まずは、正面からブルーバックで1枚。最初からプレッシャーをかけると、お魚が嫌がってしまうときがあるので、徐々に近寄ってこちらの存在に慣らします。その後、接近…。
ぐっと寄ってみました。基本泳ぎ回る魚ではないので、あまり神経質になる必要はありません。これで最短距離です。ほんとに小さい…。そしてしばらく粘ってから写したのが…。
上の写真もよかったのですが、顔が岩に隠れていてちょっと微妙な感じでした。そこでカメラの位置を変えていい角度を探しました。このカットのほうが動きもあって好きな1枚です。背景にはブルーをたくさん入れました。
03 伊豆の仲間たち
この時期の伊豆は、南から流れてくるお魚も多くなり、とても賑やかです。そんなお魚やサンゴなどを撮影してみました。被写体に事欠かない伊豆の海、ぜひ潜りにいきましょー。
南から流れてきた、ネッタイスズメダイ君。沖縄に行けばどこででも見られるお魚なんですが、伊豆だとこの色がとても目立って、思わずカメラを向けてしまいます。背景が邪魔にならないようにボカして、正面から狙いました。
サンゴのポリプですが、お花のようでかわいいですよね。なるべく密集している場所を探して、画面いっぱいがお花畑になるように意識して撮りました。
冬のお楽しみの、ウミウシ君なんかもちらほら見られるようになってきました。透明度がいいときは青い海が入るような角度を意識して撮影します。透明度が悪いときは、背景に海があまり入らないように、正面顔を狙ったりと撮影方法も変えていきます。
コラムニスト
むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。スタンスは変わらず「ゆるく楽しく水中写真!」。
>>Official webサイト:muraisachi.com
協力=ダイビングサービス むらい
(DIVER 2017年1月号掲載)