コラムニスト:堀口和重
vol.6 オキアミセーバー!!
オキアミの仲間
最近、ライトトラップもだいぶ市民権を得てきたな〜、と感じることが多くなってきて、ニヤニヤが止まらない堀口です。笑
次号の月刊ダイバー(11月号)でも特集が組まれており、僕も協力していますのでぜひチェックして下さいね!
さて、今回は、見た目はエビに似ているけど、実はエビではない!という生き物をご紹介します。
その名も「オキアミ」。
実は、僕と彼らの出会いは子供の頃。
よく父と釣りに行っていた頃、「餌にオキアミを買ってきたぞ!」と言われ、見た瞬間「エビじゃんっ」と言ったのを覚えています。それが初めての出会いで、その時は、オキアミ=エビでした。
それが、似たような形をしているものの身体の構造がまったく異なる生き物だと知ったのは、それから10年以上経ってからのこと。
ましてや、その数年後、ライトトラップを仕掛けて、あの時釣り餌で使っていたオキアミたちに再会するとは思ってもいませんでした。
その再会がまた衝撃的で・・・
最初はオキアミの仲間が数個体いるなぁと観察していただけだったのが、次から次へとライトの回りに集まってきて、ものの数十分でその量に圧巻されてしまうほどに!
時より潮などの関係で大量発生するようなのです。ライトに虫が集まるのと同じような感じで、こんな状態に・・・。
ライトに集まるオキアミの仲間。それはもうすごい数です
さらに間近で見てみると、オキアミの仲間がライトに集まりすぎて次から次へライトの上に重なっています。例えるのであれば、オキアミ集合体のライトセーバー!!その名も「オキアミセーバー」!もちろん命名は僕です。笑
光に集まり、ライトの上に大量に積み重なり棒状に。それはまるで、オキアミでできたライトセーバーのよう
拡大してみるとこんな感じです
こんな集団で見ることが多いオキアミの仲間も、1匹をよーく見てみると脚の付けの発光器がとてもきれい(一番上の写真を見て下さいね)。
群れでも単体でも、観察するとおもしろい生きものなんです。
ただ、このオキアミセーバー発生後には問題が1つ・・・。
ダイビング終了後、ライトの隙間やBCのポケットを見てみると、あらゆる場所にオキアミが入っているんです・・・。
それを忘れて器材を置いておくと、ものすごい匂いになりますので、みなさまもオキアミの集団に出会った時にはご注意を!!
コラムニスト
堀口 和重(ほりぐち・かずしげ)さん
西伊豆大瀬崎の<大瀬館マリンサービス>でガイドとして勤務。好きな生物は、クラゲ類・幼生類・ホタルイカモドキの仲間などの浮遊系。水中写真家・阿部秀樹氏のライトトラップに影響を受け、3年前よりナイトダイビングが可能な日は撮影&ガイドを行っている。1986年生まれ。