コラムニスト:堀口和重
vol.13 大物!?トラフシャコ
ライトトラップの面白いところは、小さくて見たこともないような浮遊しているの生き物たちとの出会いが沢山あること。ですが、それとは逆に驚いてしまうような大物と遭遇することも稀にあります。
大瀬崎のような場所ではプランクトンを狙いに クロホシイシモチがやってきて捕食のチャンスを伺い、さらにはそれを捕食しようと1mオーバーのスズキが現れ追いかける迫力あるシーンが目の前で見られることがあります。
また、各地のガイドさんのお話だと、大島ではサバなどがエサを求めて現れたという情報や、別のエリアではエイなどが浮遊してプランクトンを丸飲みしていたという話を聞きます。
そんな中、今回どうしても紹介したいっ!と思っていたのがこちらの生き物。
トラフシャコ 撮影・奄美大島
シャコの幼生・・・ではなく、大物!?シャコの成体!!です!(実際には30cm前後なので大物とはいいがたいですが・・。)
以前、奄美大島に遠征でライトトラップを行った時、はじまって少し時間が経ってから登場したのがこのトラフシャコ。 見た瞬間、でかい・・!浮いてる・・・っ!巣穴に戻らないの!?
と、どうツッコミをしていいのかわからなくなるくらい驚きました。
そして、このシャコ、ライトトラップ用のメインライトや、撮影者のターゲットライトに向かってくるのです。
水面付近のトラフシャコ 撮影・奄美大島
もともと人間の目が感知できないような光も感知することができる優れた目を持っているようですが、なぜこの成体がライトの前に登場したのかは不明です。光が気になったのでしょうか?
また小さい頃の浮遊時期はまったくと言っていいほど、違う形をしていたりします。
種類は不明 撮影・大瀬崎
こんな感じで、んっ!?これがシャコ!?と、疑問がわきます。
ちょっと成体とはかけ離れていますね。
こちらも面白い形や変わった生態、そして種類によって違う形をしているので今後ご紹介していきたいと思っています。
コラムニスト
堀口 和重(ほりぐち・かずしげ)さん
西伊豆大瀬崎の<大瀬館マリンサービス>でガイドとして勤務。好きな生物は、クラゲ類・幼生類・ホタルイカモドキの仲間などの浮遊系。水中写真家・阿部秀樹氏のライトトラップに影響を受け、3年前よりナイトダイビングが可能な日は撮影&ガイドを行っている。1986年生まれ。