コラムニスト:堀口和重
vol.21 何になるかは不明!? タコの仲間たち
この連載では、今までにいろいろな生き物をご紹介しましたが、じつは、生き物自体はとってもメジャーなのにご紹介していなかった生き物があります。それはタコ!
以前からタコ類はたくさん撮影をしているのですが、同定がとても難しく、なかなか皆さんにこのコラムでお見せできませんでした。
わからないことが多く悩みに悩み、ついに12月の中旬、イカ・タコ・貝などの研究をされている東京海洋大学 准教授の土屋光太郎先生を訪ねて、いろいろとお話を聞いてきました。
タコの仲間には浮遊生活を送る種もいっぱいいます。浮遊する幼体の段階では、浮いている種の幼体か着底するタコの幼体なのか、大人になったときの様子は、もはや一般人ではまったくわかりません。
そんなタコの幼体の中でも特に気になっていた種がいます。冬場に現れる写真のタコです。外洋性ではないかという人もいれば、このまま浮遊する種ではないのかという人もいて、生き物に詳しいガイドやダイバー仲間の間でも意見が食い違っていました。
本当のところはどうなのか‥‥。土屋先生によると、目などの特徴が浮遊生活しているタコの仲間とは違うようなので浮遊性ではない可能性が高いそうです。つまり、大人になると着底するタコらしい。でも、わかるのはそこまで。この子供の個体ではどんなタコになるかまではわからないそうです。
見定めが難しいタコの仲間。ほんとうに奥が深いです。
ほかにも、今までわからなかったタコの仲間について教えていただいたので、今後、お伝えしていきますね。
協力=東京海洋大学 准教授 土屋光太郎さん
コラムニスト
堀口 和重(ほりぐち・かずしげ)さん
西伊豆大瀬崎の<大瀬館マリンサービス>でガイドとして勤務。好きな生物は、クラゲ類・幼生類・ホタルイカモドキの仲間などの浮遊系。水中写真家・阿部秀樹氏のライトトラップに影響を受け、3年前よりナイトダイビングが可能な日は撮影&ガイドを行っている。1986年生まれ。