コラムニスト:堀口和重
vol.27 隠れているタコを探せ!!
以前、自分自身で貝を作り、浮遊生活を送るという変わった生態を持っているアオイガイなどのタコの仲間を紹介しましたが、変わったタコの仲間はまだまだいます。今回は小笠原で出会った変わった生態を持つ2種類のタコを紹介いたします。
まずは浮遊しているようなタコの仲間。じつはこの写真を撮る前にはおもしろい行動をとっておりました。何をしていたのというとーー、同じくらいの大きさのアオリイカと思われるイカの仲間の群れの中に混ざって泳いでいたのです。見つけたときは気がつかなかったのですが、群れが逃げ出すと取り残された子が!
よーく確認すると、「イカじゃなくてタコじゃん!!」
まさかイカに擬態? それとも自分をイカと思い込んでいた? そんなタコの仲間との遭遇でした。でも、さすがにイカのスピードは真似できなかったようですね。
小笠原遠征では、初めて見るタコの仲間に出会いました。最初はサルパが浮いているなぁと思ってみていたのですが、そのとき、以前に写真家の中村宏治さんから聞いた話が頭によぎりました。「サルパの中にアミダコがいた話」を熱く語ってくれたのでした。
そこでサルパを1つずつ確認してみると、なんとなんと小型のタコの姿が見えたのです。まさか、本当にいるとは!!っと興奮しながらも、シャッターを数枚切り撮影することに成功しました。
タコの正体は不明で、現在検証中。可能性が高かそうなのはアミダコですが、ほかのタコが入っていても不思議ではないようです。
皆さんも海の中での異変に出会ったら、よーく観察してみてください。もしかしたらどこかにタコが隠れているかもですよ!!
撮影場所 大瀬崎 小笠原父島
撮影協力 ウラシマン ダイビングサービス 小笠原
コラムニスト
堀口 和重(ほりぐち・かずしげ)さん
西伊豆大瀬崎の<大瀬館マリンサービス>でガイドとして勤務。好きな生物は、クラゲ類・幼生類・ホタルイカモドキの仲間などの浮遊系。水中写真家・阿部秀樹氏のライトトラップに影響を受け、3年前よりナイトダイビングが可能な日は撮影&ガイドを行っている。1986年生まれ。