コラムニスト:堀口和重
vol.30 段階成長のホウボウたちを狙え!
大瀬崎の湾内ではよく見かける、生き物の1つがホウボウです。ホウボウは味もよく、高級魚として知られていますね。内湾を好む魚で、1年じゅう見られますが寒い時期のほうが目撃が多くなります。
そんなホウボウの仲間の稚魚たちは、大瀬崎でもたびたび目撃されています。こちらは2016年3月に見られたトゲカナガシラ属の1種の稚魚。全長はなんと1cm以下のとても小さな個体です。
上の写真のステージより少し成長した段階だと思われる1cm前後のトゲカナガシラ属の1種。2016年の3月ごろに観察されました。
さらに成長した2cm前後の個体。透明感が抜けて全体に黒っぽくなりました。もう少し時間が経つと着底して水底での生活を送るようになります。このステージまでは同定が難しく、着底後、成長するにつれて模様などがはっきりと出てきて改めて種類がわかると思われます。
また、セミホウボウがライトトラップで近づいてくることがあります。着底前の個体は秋〜初春にかけて見られることがあります。
こちらは成魚
そして成長前の個体。まだ色のついていない、このような個体も見られました。トゲカナガシラ属の1種やセミホウボウの着底前の個体はこれからは高確率で見られるチャンス!! 稚魚から成魚までの各ステージごとに見られる期待感が大ですね。
コラムニスト
堀口 和重(ほりぐち・かずしげ)さん
西伊豆大瀬崎の<大瀬館マリンサービス>でガイドとして勤務。好きな生物は、クラゲ類・幼生類・ホタルイカモドキの仲間などの浮遊系。水中写真家・阿部秀樹氏のライトトラップに影響を受け、3年前よりナイトダイビングが可能な日は撮影&ガイドを行っている。1986年生まれ。