いろいろな海で出会うアケボノハゼ。ちょっと深い水深や、個体数の少なさ、そしてその美しい色彩に、ダイバーの間でとても人気が高いですね。しかし、神経質な性格なので撮影はなかなか難しいもの。出会ったときにはとにかく慎重に撮影しましょう。
01 アケボノハゼを撮ろう!
まずは遠くから1 枚。ストロボに慣らすことと、証拠写真の意味も込めて撮影。いきなり近くから写すのではなく、こうやって遠くからそっとアプローチしていきましょう。ストレスを感じると穴の近くに逃げたり、体半分穴の中に隠れたりします。でもしばらくすると慣れて出て来ますので、じっと我慢・・・。そうやって人間の存在に慣らしましょう。
この子は幸いにものんびりした子だったので、近くに寄ることができました。ここまで寄れると、ストロボもしっかり当たって、その美しい色も再現されています。
真横だと、図鑑のような写真になってしまうので、その場で粘って正面顔も狙いました。ここまで近寄れて撮れたら最高ですよね。正直こんな近くでちゃんと撮れることはめったにないですが・・・。ぜひ狙ってみてください。
02 群れを狙おう!
パラオと言えば、やっぱりお魚の群れですよね~。近くに寄れさえすれば正直撮影は難しくありません。今回はブルーコーナーで出会ったバラクーダを撮影しました。ポイントはそのまま寄るってことでしょうね。広いエリアを撮影するので、広角レンズで近くに寄らないと、もわっとした写真になってしまいます。
まずは遠めから1 枚。全体はしっかり入りますが、遠すぎるので、水の層が邪魔をして、もやっとした写真になってしまいます。この距離ではストロボを光らせても届きません。
そんなに速く泳ぐ魚ではないので、優しくアプローチしてあげれば、写真は撮りやすいはず。ストロボを光らせなくても十分きれいに写せます。そうです、ぐっと寄るのです!
群れはどんどん動きを変えていきます。縦長になったら縦位置でも撮影してみましょう。写真の中に無駄なスペースはなるべく作らず、画面いっぱいに入れると、ボリューム感が出ます。
03 マクロもろもろ
パラオはとにかく生物が多くて忙しいのです・・・。ワイド撮影がメインになることが多いのですが、下を見ると、かわいい生物がたくさん。ワイド系のお魚が多いということは、プランクトンも多く、他の生物もたくさんいるということですね。
サンゴの上にちょこんとゴンベちゃんがいました。ゴンベは数も多く、逃げたりしないので撮りやすい被写体です。目線を下げて撮影してみましょう。
内湾の砂地にはカニハゼちゃんがいます。その名の通り、背びれの点がカニの目に擬態していて、カニをまねした泳ぎ方がとてもかわいいです。背びれが特徴なので、真横から撮影してみました。その魚の特徴を把握して、それが伝わる角度から撮影してます。
最後は、ある意味どこにでもあるソフトコーラルです。でも近くで見てみると、お花のようなポリプが開いていて、とてもかわいいのです。まあ、これは伊豆でも見れますが・・・。ぜひ、海のお花も探してみてくださいね。
誰でも簡単・楽チンをモットーに月刊DIVERで連載中の「ゆるフォト」のバックナンバーです。(DIVER 2018年6月号掲載)
コラムニスト
むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込みこの連載をスタート。スタンスは、今も変わらず「ゆるく楽しく水中写真!」。