【vol.2】北スラウェシの海を巡る旅~バンカ~

ダイバーに人気のデスティネーション、インドネシア。第2回目はスラウェシ島最北部沖に浮かぶバンカ島をご紹介。日本ではまだあまり知られていないが、欧米人を中心に人気を集めるナチュラルリゾートだ。北スラウェシのワイドな海を堪能できるバンカ島に滞在しながら、ダイナミックな地形が楽しめるブナケン島にデイトリップで訪れることもできる。

INDEX

手つかずのソフトコーラルに彩られたサンゴの楽園「バンカ」
地形、群れ、透明度の3拍子がそろう「ブナケン」
バンカでオーシャンガーデナーになろう
MUREX Bangka
アフターダイビング
北スラウェシ州 エリアマップ
アクセス

 

 

手つかずのソフトコーラルに彩られたサンゴの楽園「バンカ」

スラウェシ島最北部の沖合いに浮かぶバンカ島。
日本ではあまりなじみがなく、今まで耳にしたことがなかった人も多いのではないだろうか。

首都のジャカルタから国内線でメナド空港へ移動。
同空港から陸路で約1時間、ボートに乗り換え20分ほどで到着する離島は欧米人を中心に人気を集める、知る人ぞ知るナチュラルリゾートだ。

ボートの移動中、ゴンドウクジラやマッコウクジラ、イルカが水面で見られることもある

 

周辺を白砂とサンゴに囲まれた「バンカ」は前号で紹介した「レンベ」とは180度異なり、ワイドがオススメ。コーラルリーフやピナクルの周りで色鮮やかな風景を楽しんだり、流れに乗ってドリフトするスタイルで潜る。

ピナクルのトップに群れるキンギョハナダイとウメイロモドキの幼魚

 

西はセレベス海、東はモルッカ海に隣接し、外洋に面しているため透明度が高く、潮通しがいいのが特徴。人気のダイビングポイント「Sahaung」の水深20mにあるピナクル周辺では、前が見えなくなるほどのヨスジフエダイやタカサゴの群れが狙える。

「Sahaung」で見られるヨスジフエダイ

ハウスリーフで撮影したタカサゴの群れ

 

光が差し込む浅場に移動すれば色とりどりのソフトコーラルといきいきとしたサンゴが一面に広がっている。そこにはサンゴを住みかとするスカシテンジクダイやキンギョハナダイが舞っていて、水中にいっそうの彩りを添えてくれているのだ。

〈ミュレックスバンカ〉のハウスリーフではソフトコーラルが一面に広がっている

笑っているようなミドリトウメイボヤの隣にいたセブンズピグミーシーホース

 

地形、群れ、透明度の3拍子がそろう「ブナケン」

今回滞在したリゾート〈ミュレックスバンカ〉併設のダイビングサービスでは、ボートで1時間45分ほどの場所にあるブナケン島へのデイトリップも催行している。ブナケン島周辺の海域は海洋国立公園に指定されていて、400種近いサンゴと、自然が織りなす豪快な地形が見どころだ。

水深900mまで落ち込むダイナミックなドロップオフが楽しめるイチ押しのダイビングポイント「Sachiko」。ウォール沿いをドリフトすれば吸い込まれるような高い透明度の中、空を飛んでいるような浮遊感を満喫することができる。少し深度を下げて深場に移動したら水面を見上げてみる。すると、頭上を塞ぐかのように巨大な群れをなすカスミチョウチョウウオとアカモンガラが目に飛び込んでくるだろう。

ダイナミックな地形とカスミチョウチョウオの大群

自然光が差し込む水面近くではサンゴにアカネハナゴイが群れている

 

そして、ブナケンは数多くのウミガメが暮らしているエリアとしても有名だ。ダイビング中、サンゴの陰や中層を遊泳しているシーンにたびたび遭遇することができる。フレンドリーなウミガメも多く、接近して撮影できるとあってフォト派にも人気が高い。

ドロップオフ沿いで見られるワンシーン。アカモンガラ、カスミチョウチョウウオの群れとアオウミガメのコラボレーション

手つかずの自然が広がる「バンカ」と「ブナケン」は、どこを撮ってもうれしい驚きに満ちあふれている。ワイド好きにはたまらない絶景ポイントが他にも数多く存在し、そこにはいつまでも潜っていたいと思わせてくれる海中景観が続いているのだ。

 

バンカでオーシャンガーデナーになろう

〈ミュレックスバンカ〉では、北スラウェシの美しい海中景観を守っていくための活動を行っている。リゾートの裏側には「コーラルファーム」と呼ばれるサンゴの海中養殖場があり、さまざまな種類のサンゴやソフトコーラルを育てている。

「コーラルファーム」には5m四方の範囲にサンゴの苗の植え付けと育成用それぞれの養殖台が設置されている。時間をかけてゆっくり成長していくサンゴは、小さな苗から手のひらサイズになるまでに1年ほどを要する。元気に育ったサンゴたちは、デバスズメダイやチョウチョウコショウダイの幼魚の住みかとなり、北スラウェシの海を豊かにしてくれるのだ。

 

希望者は「オーシャンガーデナーコース」と呼ばれるプログラムを受講することができ、生態や種類を学んだり、植え付け体験をすることができる。

 

 

MUREX Bangka

ビーチで頂く最高の朝ご飯

ビーチに面したレストラン。滞在中全食事付きで、天気がいい日にはビーチで食事をすることができる。モーニングサービスのコーヒー、紅茶を片手に海を眺め、気持ちよく一日をスタートしよう。

 

自然を感じられる自慢のお部屋

客室は美しい波の音とともに目が覚める「オーシャンフロントルーム」とスラウェシ島を一望できる「デラックスヒルサイドコテージ」の2種類。ダイビング後は目の前のプライベートビーチやスパでのんびり過ごしたい。

 

Diving Service

〈ミュレックスバンカ〉併設のダイビングサービス

経験豊富な現地ガイドが多く在籍。PADIコースも多数開催している。フォト派ダイバー向けにカメラルームを完備。また、夜の海でライトトラップを使用して浮遊系の生き物を観察する、通称「ブラックウォーターダイビング」など、さまざまなプログラムでダイバーを楽しませてくれる。

 

 

アフターダイビング

リゾート周辺に暮らすクスクスやタルシウスなどの野生動物ウォッチングはいかが?  カメラ片手に大自然を満喫しながら過ごしたい。また、タンココ国立公園やローカルが暮らすリフヌ村散策もオススメだ。
 

北スラウェシ州 エリアマップ

 

アクセス

日本からインドネシア・ジャカルタまで約8時間。ジャカルタで1泊した後、翌日国内線に乗り継ぎ約3時間半でメナドへ。空港から港まで車で約1時間。港からリゾートまではボートに乗り、約20分で到着する。往路は深夜ジャカルタから日本へ移動。機中で1泊し、翌朝日本に到着する。

 

 

 

 

写真と文=関戸紀倫
構成=古閑沙希子
協力=Murex Bangka

雑誌DIVER2020年5月号No.461より

AUTHOR

Koga

DIVER ONLINE 編集部

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