マリン
ビギナーダイバー。昨年からトレーニングしているが、なかなか上達しない。口は一人前
ジョー
経験本数100本以上の中堅ダイバー。三味線の名手らしい
蝶々夫人
知識豊富なインストラクター。しかし、セレブ一家に育ったため、世間知らずなところがある
地形用語は、イマジネーションを刺激する
マリン:ブリーフィングって、大切なのはわかっているんだけど、じつはわからない単語がけっこうあるのよね〜。
ジョー:まぁ、確かに潜る前は何かとバタバタしていて、 「え、何? もう1回」とはなかなか言えない雰囲気、あるよな。
蝶々夫人:あらだめよ、そんな遠慮しちゃ! 「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という諺もあるでしょ。
安全にもかかわることだから、わかるまで質問するにこしたことはないわ。
マ:この前は、「オーバーハング」という単語がわからなかったんだけど、皆はわかってたみたいで聞くに聞けずに、けっきょくわからずじまいなの。
蝶:私にはなんでも聞いてちょうだい。それはね、岩壁がヒサシみたいに出っ張っている所を指すのよ。
マ:なるほど。言われてみればそんな地形があったような……。それじゃ、「クレバス」は?
ジ:岩棚が引き裂かれたみたいになっている亀裂のことだね。一度目にすると、ああこれかって思えるんだけど、その辺は用語を聞いただけじゃちょっとわかりづらいかもな。
マ:ふーん、そうなんだ。
ジ:「コーナー」や「ホール」という単語も知っておくと、その名前が付いたポイントのイメージがしやすくなるよ。「コーナー」は岩棚の角のことで、けっこう潮が当って回遊魚の出現が期待できるし、「ホール」はその名の通り穴だから豪快な地形ダイブが楽しめるぜ。
マ:わかった! パラオの「ブルーコーナー」やグアムの「ブルーホール」は、それね。
ジ:オレは最初「根」が理解できなかったな。何の植物の根っこかと探したぜ(笑)。
蝶:隆起している岩で岩盤むき出しのものもあるし、サンゴ礁の海ではそういった岩にサンゴが付着しているものもあるし、形もさまざま。根にもいろいろあるわよね。
ジ:サンゴの根が砂地に点在しているのを「パッチリーフ」って呼ぶよな。
マ:そっか〜。小片をはぎ合わせて一枚の布にするパッチワークみたい。
小さな根が点々としている景色って、まさにそんな感じ。
蝶:海外では尖がった根を「ピナクル」と呼ぶのよ。「尖塔」という意味ね。もうこれで地形用語はだいぶマスターしたわね。
マ:なるほどね〜、意味を理解すればおのずとイメージできるようになるものね。
ジ:イマジネーションが刺激されるぜぃ。