マリン
ビギナーダイバー。昨年からトレーニングしているが、なかなか上達しない。口は一人前
ジョー
経験本数100本以上の中堅ダイバー。三味線の名手らしい
蝶々夫人
知識豊富なインストラクター。しかし、セレブ一家に育ったため、世間知らずなところがある
ザンタン・マンタン・カラタン
外見だけではわからン
マリン:あ〜、足が痛い!!
蝶々夫人:まぁ、どうしたの?
ジョー:コイツ、週末に有給休暇をくっつけてサイパンに行ったんだよ。さては、かの有名な「グロット」に潜ってきたな〜。
マ:正解! あの洞窟は幻想的で、まるで宇宙遊泳しているような感覚になったわ。でも、その後がめちゃくちゃ大変。ただでさえ重いタンクを背負って、111段の階段を登らなきゃいけないんだもの。 正直、しんどかった〜。
蝶:でも楽しめたのなら、よかったわ。
マ:他にも魅力的なビーチダイビングのポイントがあって、存分に満喫できました。
でも、1つ気になっていることがあるの。居合わせた常連さんが、潜り終えた後に残圧がまだ100近くあるからって、「そこら辺で遊んできます」って、またバディと潜りに行ったのよ。
ジ:あぁ、ザンタンかぁ。
蝶:セルフダイビングに慣れた人たちがたまにやっているわね。自己管理がきちんとできる人たちで、残圧もじゅうぶんにあれば、心配は要らないと思うけれど。
マ:それはそうだと思うんだけど、その人たちがログ付けで、そのザンタンでのダイビングを1本としてカウントしていたのよ。 経験本数って、使用したタンクの本数でしょ。ザンタンをカウントに入れるのは変じゃない?
ジ:俺はカウントしない派だけど、今まで出会ったガイドさんたちは結構カウントするって言ってたなぁ。
蝶:指導団体によって1本の定義が少し違うのだけれど、たいてい20分以上の潜水を1本とカウントしてるわね。
マ:へぇ〜、そうなんだ。
ジ:でもやっぱりダイビングは、マンタンで心置きなくのんびり楽しみたいよな。
マ:何、マンタンって?
蝶:充填された、使用前のタンクのことよ。それに対して、もうエアを使ってしまったタンクをカラタンと呼んだりするわね。
マ:ザンタン、マンタン、カラタン。でも、タンクの外見は同じだから、ややこしいわぁ。
蝶:見た目でもわかるようにルール化している所も多いわよ。伊豆ではスチールタンク、沖縄ではアルミタンクが多く使われているのだけれど、どちらも充填後の使用前のタンクなら吹き出し口にビニールテープを貼ったり、紐で結び付けられたキャップをかぶせているわ。「使用後」なら、テープやキャップを外したままにしているわね。
ジ:でも、潜る前に残圧計を見て確認しないと、マリンみたいに何も知らないやつが誤って「マンタン」サインに変えていることがあるから、バディチェックは大事なんだぜ。