8月12日、葉山町の芝崎海岸でウニ除去活動が行われた。これは水産庁の「水産多面的機能発揮対策事業」の一環として試験的に始まったばかりのもので、葉山アマモ協議会のメンバー(漁業者・企業の研究所・市民ダイバーらで構成)が関わっている。
レジャーダイバーにとってはカジメやアラメの海中林のイメージが強い芝崎海岸の海中だが、じつは近年磯焼け現象の懸念が高まっている。ウニ(とくにムラサキウニが多いが、南方性のガンガゼも増えている)が、アラメやカジメなど多年生の大型海藻の幼体を食べ尽くしてしまうと、藻場の再生は難しくなると言われている。そのため海藻の小さい芽が出始める秋期の前に、ウニの駆除を組織的に行った。
普段とは違う視点で潜ると、岩の窪みにびっしりとムラサキウニがいることに気づく
葉山のダイビングショップナナでは、これまでにも一般ダイバーを交えて、複数回ウニ除去のダイビングを実施してきた。この日は、ボートで「170°の根」から入るダイビングチームと、「権太郎岩」周辺にビーチから入るスキンダイビングチームに分かれ、総勢30名ほどで約1時間一斉にウニ除去を行った。
しかしながら、ウニを除去することで藻場が回復したという因果関係がはっきりしている事例報告は意外と少ない。そのため、葉山では、駆除とともに、藻場の再生過程などの定期的なモニタリング、アイゴなどの食害魚の観察などの日常観察も期待されている。葉山の事例により、今後ダイバーが主役となる藻場の保全活動が広がっていくかもしれない。
ウニ除去活動に参加した皆さん
この棒を使って、次から次にウニの中央を刺し、潰していく
問い合わせ先
今後のウニ駆除ダイビングの実施予定などは、ダイビングショップナナへ
http://www.nana-dive.net/
2017年8月15日