前号「第33話」でリポートしました2012年の大一番、
水中写真家・鍵井靖章氏の撮影ツアーを終えたその日、
コスラエ太郎の身に病魔が襲いました。
初めてコスラエの病院に入院することになったのですが、
さぁ、入院生活、珍道中の始まりです。
コスラエには州立病院が一つだけあるのですが、
これまでその病院で診てもらった結果は・・・
顔にアザのようなシミが出来たときの診断は、
「ゴースト(お化け)の仕業」
両足が膿の傷だらけになったときの処置は、
「仕事をしなければ治る」
と、「これぞ南の島コスラエ!」の診察(苦笑)!
なかなか具体的な診断名や処置に辿り着きません。
今回も最初に診てもらった医者に
「何の病気でしょうか?」と尋ねると、
「オレに聞くな」と満面の笑顔で即答されました(汗)
結果的に、初めてコスラエの病院に入院することになり、
日本とコスラエの医療事情の違いをいくつか体験しました。
コスラエの入院病棟は、日本の充実した医療設備とは異なり、
屋根と壁がある部屋にストレッチャーのベッドを置いただけの
ごく簡素な入院施設です。
目を覚ましているときの時間のつぶし方は、
天井に張り付いているヤモリとのにらめっこです。
薬を飲む時間に関しては、
日本では「朝・昼・晩」とか「食前・食後」が多いと思いますが、
コスラエでは「○時間おき」という処方をします。
従って、夜中の2時だろうと3時だろうと、
例え患者が熟睡していても、薬の時間になれば、
患者は起こされて薬を飲まされます。
体温や血圧を測るのも同様です。
「朝・昼・晩」ではなく、「○時間おき」なので、
やはり夜中の2時だろうと3時だろうと、
患者が熟睡していても、叩き起こされ計測されます。
従って、このような↓ことが起こります。
夜中2時:飲み薬
夜中3時:血圧測定
夜中4時:点滴交換
その都度、起こされてしまうので、
・・・眠れない!(苦笑)
それから、コスラエで入院したら必ず目にする食べ物があります。
カップ・ラーメンです。
冗談かと思うかもしれませんが、定番です。
以前、友人がやはりコスラエの病院に入院した際に、
バナナとタンジェリン(コスラエのみかん)をお見舞いに持って行くと、
ローカルの人から「そんなものよりこれだ!」と、
カップ・ラーメンを差し出されました。
今回も例外ではなく、コスラエの人からお見舞い品として、
カップ・ラーメンをいただきました(笑)
コスラエ太郎が入院しているとき、
巷でもおかしなエピソードがいくつか生まれました。
まず、島に一つだけのラジオ放送で、
コスラエ太郎が入院していることが放送されたようです。
それから「コスラエ太郎が死んだ」という死亡説も
どこから流れたのか、島中に出回ったそうです。
一つの教会ではコスラエ太郎が早く良くなるように、
みんなでお祈りをしてくれたそうです。
おかげで多くの島民がお見舞いに来てくれました。
その暖かい気持ちが何よりの薬になりました。
今はまた元気にコスラエで生活をしています。
日本で精密検査をしてコスラエに戻ると、
島民たちが「おかえり」と言ってくれました。
道行くコスラエ太郎の知らない島民たちまでも、
「よく戻って来たね」「もう元気になったのか」と。
島民からのこの暖かい言葉・・・。
コスラエはコスラエ太郎のもうひとつの愛する故郷です。
コスラエの人々とこの入院生活をサポートしてくれた
みなさんに深く感謝します。
2012年のコスラエ太郎の南国移住記は、今号が最後です。
次は2013年にお会いしましょう。
それではみなさん、良いお年を。
2012年もKulo ma lalup! (ありがとうございました!)
☆ コスラエ州政府観光局Facebook日本語ページ
または「コスラエ州政府観光局」で検索!
☆ 日本語専用メール・アドレス
Kosrae.fsm@gmail.com(日本語でどうぞ!)