【徹底リポート】夢とロマンの帆船、まるわかりガイド!「みらいへ」って一体どんな船?

これまで、CLUB DIVERツアーで何度も利用している、帆船「みらいへ」。しかし、もともと船に興味がない限り、その正体をご存じない人も多いのではないでしょうか。この記事では、初心者でもわかる帆船の基本知識や歴史、そして、「みらいへ」の知られざる魅力の全貌に迫ります!

INDEX

1.そもそも帆船って?いつからあるの?

2.日本の帆船にはどんなものがあるの?
海王丸、海王丸Ⅱ世
日本丸、日本丸Ⅱ世
明治丸
あこがれ

3.現在の「みらいへ」ってどんな船?
どんなことに利用されているの?
スペックは?
船員はどんな人がいるの?
船内紹介
◎上甲板と操舵室(UPPER DECK/最上階)
◎第二甲板(SECOND DECK/中階)
◎第三甲板(THIRD DECK&BRIDGE/最下階)

4.最後に……

そもそも帆船って?いつからあるの?

帆船とは、その名のとおり帆に受ける風の力を利用して走る船のことです。帆掛け船とも言います。現在の帆船の多くは、無風時の推進と船内機器の電源としてディーゼルエンジンなどを搭載していますが、船舶法施行細則(1899年施行)によると、エンジンを備えていても帆走できる船は帆船として扱います。帆船は、大きく分けると横帆船(イラスト左)、縦帆船(イラスト右)、その両方を備えた横縦帆船の3つに分類されます。ちなみに「みらいへ」は、横縦帆船です。

フル・セイル(全部の帆を張った状態)の「みらいへ」。横帆と縦帆が組み合わされている

その歴史は古く、残念ながら人類がいつ帆船を発明したのかはわかっていません。しかし、イギリス・ロンドンの大英博物館で展示されている、紀元前4,000年より前と思われるエジプトの壺には、帆を備えた船が描かれており、帆船の歴史の長さを物語っています。また、現存する最古の帆船は、エジプト・ギザの博物館に保存されている「太陽の船」です。実際に利用されていたかは不明ですが、クフ王のピラミッド周辺で発掘され、紀元前2,550年ごろに造られたものと推測されています。

エジプトでは、紀元前2,500年ごろから川舟に帆が利用されていたと考えられています。当時は横帆で、追い風のときは性能を発揮しますが、風上へ進むのは不向きでした。現在のヨットのような縦帆が地中海に出現したのは9世紀になってからと言われています。帆船が全盛期を迎えるのは、横帆と縦帆を組み合わせた大型帆船が活躍し始めた15世紀ごろからです。これが、新大陸発見に始まる大航海時代の幕開けとなります。18世紀になるとさらに大型化が進み、19世紀後半には当時最速であったクリッパー船(船体を細くし、可能な限り高く、広く帆を広げられるように造られた帆船。安全よりも高速に重点を置いて建造されていた)が出現。20世紀に入ると、内燃機関(燃料を燃やすことによって生じる高温・高圧のガスを利用して作動する)による動力船に主役の座を追われ、帆船時代は終焉を迎えました。しかし、今でもその優美な姿を愛するファンは世界中に多くいます。

世界の帆船。その美しい外観から熱狂的なファンが多く、模型の定番となっている

日本の帆船にはどんなものがあるの?

海王丸、海王丸Ⅱ世

船員教育訓練に使われている大型練習船。初代海王丸は1930年2月14日に進水し、白く美しい船体から「海の貴婦人」として親しまれていました。太平洋を中心に訓練航海へ出ていましたが、太平洋戦争が激化した1943年に帆が取り外され、また、船体も灰色に塗り替えられ、石炭の輸送任務に従事。戦後は海外在留邦人の復員船として27,000人の引揚者を輸送しました。1955年にようやく帆の再取り付けがなされ、また船体も再び白く塗り直され、「海の貴婦人」と呼ばれた元の姿を取り戻しました。1956年には、戦後初の遠洋航海としてロサンゼルスへ。その後も数多くの遠洋航海を行い、1989年に引退。59年の間に1,963,000km(地球約50周分)を航海し、約11,190名もの実習生を育てあげました。現在は海王丸II世がそのあとを引き継いでいます。初代海王丸は、富山県射水市にある公園「海王丸パーク」で展示されています。

神戸港沖に停泊していた海王丸Ⅱ世。船首のマストに揚げられた3枚の旗は、「ありがとう、あなたのご安航をお祈りします」という意味

日本丸、日本丸Ⅱ世

海王丸の姉妹船で、同じく船員教育訓練に使われている大型練習船。1930年1月27日に進水し、海王丸同様、太平洋を中心に訓練航海へ出ていましたが、太平洋戦争が激化した1943年に帆が取り外され、大阪湾、瀬戸内海にて石炭などの輸送任務に従事。戦後は海外在留邦人の復員船として25,428人の引揚者を輸送しました。1952年にようやく帆の再取り付けがなされ、1953年には、戦後初の遠洋航海としてハワイへ。その後も数多くの遠洋航海を行い、1984年の引退までに約1,830,000km(地球約45周半分)を航海。約11,500名の実習生を育てあげました。現在は後継の日本丸II世(現・日本丸)が担っています。引退した日本丸は横浜市の日本丸メモリアルパークにて展示されています。

晴海埠頭に停泊していた日本丸II世(現・日本丸)。訓練生があくせくと働いていた

明治丸

1873年に灯台巡視船として日本政府がイギリスに発注した帆船。特別室やサロンを備えた豪華な仕様で、多くの高官が乗船し、活躍しました。1876年には、明治天皇が東北地方巡幸のために乗船され、7月20日に横浜港へ帰着(この日を記念して1941年に「海の記念日」が制定され、1996年に国民の祝日「海の日」となりました。現在は7月の第3月曜日)。1896年に東京商船学校の係留練習船として譲渡され、50年間で5,000人の実習生を育てあげました。1911年と1917年に来襲した大型台風、1923年9月の関東大震災、1945年3月の東京大空襲など数々の災害にもなんとか耐え抜き、その後、復元。1978年に、日本に現存する唯一の鉄船として重要文化財の指定を受けました。その上品な姿は東京海洋大学の越中島キャンパス内で見ることができます。

1917年の大型台風によって岸に打ち上げられ、その後、現在もある防潮堤が建設されてしまったため、陸の上の船となった

あこがれ

1992年に大阪市が約14億円をかけて建造した帆船。一般人が航海を体験できる唯一の大型帆船として話題を集め、20年間で延べ約3万人を受け入れました。2000年には大阪市によるオリンピック誘致活動の一環で、日本の帆船として初めて世界一周航海(東回りヨーロッパ航路)を達成。航海日数261日、距離にして約53,000kmの記録を持っています。2013年3月で20年間にわたる役目を終え、大阪市から民間に売却。そして同年、「みらいへ」へと生まれ変わりました!

「あこがれ」HPより (https://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu180/akogare/index.html)

現在の「みらいへ」ってどんな船?

どんなことに利用されているの?

「みらいへ」は日本で唯一、一般人も乗ることができる帆船です。「地球人になろう。」をテーマに、未来を担うグローバル人材の育成を目的とした、セイル・トレーニングを行っています。セイル・トレーニングとは、1950年ごろから世界で広く実施されている、帆船による航海での集団行動や共同生活を通じて、決断力や責任感、コミュニケーション能力などを養う人間教育プログラムのこと。野外教育を目的とした親子ツアーや修学旅行、企業の新人研修、国際交流の場などと幅広く利用され、学ぶ場を提供しています。

スペックは?

大きさは、全長52,16m、幅8,60m、高さ5,90m(上甲板まで)。総トン数230tで、GPS(衛生航法装置)やARPA(自動衝突予防援助装置)など、長期間におよぶ外洋での航海にも対応できる設備を搭載しています。定員は旅客40人、船員13人の合計53人。マスト(帆を張るための柱)は3本で、総帆数は13枚。船の構造は帆船ですが、ディーゼルエンジンを搭載しているため、港の中や船舶交通が多い所、国内航海ではエンジンのみで航海することもあります。航海速力は6,5ノット(時速約12km)です。

船員はどんな人がいるの?

船長(船の最高責任者)、航海士(24時間を交代しながら甲板員とともに見張りや操船などの業務を行う)、機関長(エンジンをはじめ、さまざまな機械や装置の運転管理などを行う責任者)、機関士(24時間を交代しながらエンジンルームの運転を監視する)、甲板員(航海士の指揮の下、見張りや操船、船体や甲板機器の保守整備などを行う)、司厨長(船員に支給する食事の調理を行う責任者)が中心となって船を動かします。

船内紹介

◎上甲板と操舵室(UPPER DECK/最上階)

①メインデッキ
たくさんの人が集まれる広々としたデッキ。パーティも行われる

②バウデッキ
バウとは、船首という意味。錨を引き上げるための機械「ウインドラス」や前方に伸びた水を切るための支柱「バウスプリット」がある

「バウスプリット」の下には、航海の安全を祈るフィギュアヘッド(船首像)が。「みらいへ」はヤマトタケルノミコト像が見守ってくれている

③3本のマスト(帆を張るための柱)
高さ約30m!中腹にある三日月のような形をした足場は「トップ」と言い、見張りや操帆するための場所

④ブリッジ(操舵室)
帆船の操縦と聞くと、「面舵いっぱーい!」と舵輪を操るようなイメージを思い浮かべるが、今の船はほとんどがコンピュータ制御。ブリッジには、様々な計器が並ぶ

船がどれくらい左右に傾いているかが表示される傾斜計。1998年3月15日に記録した傾斜角53°は、横転寸前と言っていいほどの角度

航海をする上で欠かせない、海図を広げるための台。セイリング体験のときは、ここで海図の見方を習う。魚群探知機も置かれている

⑤ミーティングルーム
来客をもてなす際にも使用される。普段は船員以外立ち入り禁止となっているので注意

◎第二甲板(SECOND DECK/中階)

①メスルーム(食堂)
食事をするだけでなく、ミーティングや勉強会なども行われる

マグカップや食器などが収納してある引き出しやキャビネットには、船が大きく揺れても勝手に開いてしまわないよう、ロックがかかっている(取っ手左上のボタンを押して解除)。炊飯器もぴったりの枠に入っていた

②ギャレー(調理室)
船という性質上、ガスではなくすべて電気で調理を行っているそうだが、「みらいへ」の食事は毎食おいしいと大好評!

この日のランチは、親子丼にサラダ付きの牡蠣とエビのフライ、冷奴、味噌汁とボリューム満点だった!

③ヘッド(トイレ)
上部にあるレバーを下げると水が流れる仕組み。汚物は第三甲板にあるタンクへと流れ、バクテリアによって分解。きれいになった水は再びトイレの水として利用される

船酔いで気持ち悪くなってしまったら、あちこちに置いてあるこちらの紙袋に。そのまま海へと捨てるルールとなっている。トイレに吐いてしまうと、汚物を分解するバクテリアが胃液によって死んでしまうので禁止されている

④キャビン(寝室)
2段ベッドで、カーテンを閉めればプライベートな空間に。寝心地も抜群!

⑤通路
中央にあるこの通路は、ギャレー(食堂)やヘッド(トイレ)、キャビン(寝室)へとつながっている

◎第三甲板(THIRD DECK&BRIDGE/最下階)

①エンジンルーム
船の心臓部に当たる場所。熱気により、室内の温度計は32℃を指していた。エンジンの爆音が鳴り響いているので、防音用ヘッドホンが必要となる

②シャワールーム
カーテンで仕切る個室で、男女別に設置されている。タンクの清水は限られているので、当然のことながら節水しなければならない

③乾物庫(食料庫)
長期の航海に備えて、たくさんの食料が保管できるようになっている。他にも大きな冷蔵庫や冷凍庫があり、船員30名で約1カ月間分の食料と水の積み込みが可能

最後に……

少し長くなってしまいましたが、初心者にもわかる帆船の基本知識や歴史、そして、「みらいへ」の全貌についてまとめてみました。「みらいへ」は、乗船した人にしかわからない、まだまだたくさんの魅力で溢れています。かくいう私も4回の乗船を経験し、すっかり大ファンとなった1人です。まずはご家族やお友達と、気軽に参加できる体験航海に出発してみませんか?「みらいへ」では、さまざまなプログラムやイベントを開催しています。(詳しくはこちら!)

もしCカードをお持ちなら、ダイビング×セイリング体験ができる、CLUB DIVERツアーにご参加ください!他では絶対に経験できない、スペシャルプランでご案内します。次回は2020年春を予定。(詳細は後日発表します)乞うご期待!

私たちCLUB DIVERは、今後も帆船「みらいへ」を応援していきます!

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DIVER ONLINE 編集部

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